現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

お客様の声は宝です。


4日(火)
終日、時雨模様。降ったり、止んだり、ちょっと陽が射したり、また降ったり。寒い。北風が午後はすごく強い。


辻井農園の「お客様の声」を久しぶりに更新
2012年産のお米についてのコメントをまとめてみました。
食べ物の味を表現するのはプロの作家でもむずかしいことと言われていますが、お米のうまさ、ご飯のうまさを現場の視点から、台所や食卓から表現してくださるお客様がいてくださって、本当に耕作者(生産者)としては、感激です。謝謝。


農業の衰退、酔態の要因はいろいろあるのでしょうが、大きな要因のひとつは、流通機構の変化で、生産者と消費者の間のコミュニケーションが少なくったり、無くなったことを忘れずにあげたいと思います。
自給自足の生活ならば、自分で作って、自分で消費。作物の良し悪しもすべてわかるし、自分のかけた手間と作物の出来具合の関係もわかる。
ご近所に農家がいれば、話しもするだろうし、自然と季節の移ろいとともにある農家の仕事の様子がわかる。農家の暮らしぶりにも目がいくかも。同時に農家もご近所の様子は気にしています。
都会でも近所の米屋さん、魚屋さんや八百屋さんで買えば、お店のご主人と会話する中で産地はどこか、品種はなにか、いつが旬なのか、今日安いのは何なのか、新鮮なのかどうか、いいものなのかどうか、どう料理すればいいのか、そういういことが聞けるだろう。でもどんな人がどんな風に作っているかは、わからないかも。そうしてそういう消費者の声は生産者にうまくは届かない。
でもスーパーで会話もなしに黙って買い物カゴにいれて買うと、産地は表示されているけれど、新鮮なのかどうか、料理法はどうなのか、わからないから、そのスーパーを信用して買うことになりますね。スーパーもどの値段の、どんな商品が売れたかはわかるけど、おいしかったのかどうか、そういう声はスーパーだって、掴みかねてるはず。


車や農機は試乗してみたり、メーカーの人や販売店の人とわりと時間をかけて話をして購入してます。もちろん他社の競合製品と比べて購入の検討をします。ま、高額ですからね。仕事で使うものでもありますし。
電気製品は、だいたい大手量販店で買っています。あれこれ見比べて、店員さんともあれこれ話をして、値引きの交渉もしつつ(枝雀さんの「壺算」を聴いて以来、値引き交渉にまったく抵抗がなくなりました(笑)。今では「勉強しといてな」というセリフがスッとでるようになりました。「勉強しといてな」というセリフはこのあたりどこの量販店でも通用します。人生、いくつになっても、どこにいても、どういう立場でも、勉強ですからね。客から「勉強しといてな」と言われると、店員さんも、電卓叩いたり、いや叩くフリかもしれませんが、奥へ一旦引っ込んだり、店内の無線で誰かとひそひそ話したり、店員さんにも、踏まねばならない勉強の段取りというか、演技というか、そういうものもあるのでしょうね。)、要するに、あなたの顔を潰すようなことは言わないが、値引きして欲しいこちらの顔も立ててね風に話をするわけですが・・・。
仕事で使う農機については、あれこれ感想も伝え、文句もいい、楽になったことも言います。車はしばらく買っていないので、車の感想を伝えたかどうか忘れてしまいました。電気製品については、購入時にあれこれ話をするので、その時に不満があれば伝えるかな。そんなわけで、僕はまだまだコミュニケーションしつつ購入しているわけです。


でもお酒類やつまみ類はコンビニやスーパーで黙って買っています。値引き交渉はなしです。それはあまりに日常だから、ルーティンだから、暗黙のルールだから、それから折り込みのチラシなんかでスーパーの努力もいくぶん見えるし、もし不満なら、黙って買わなければいいのです。ま、そうは言っても買わなければ食べられないのですから、黙って買います。


スーパーだとちょっと産地が違っても、その違いは包装以外にはわかりにくいですね。生産者からすれば、同じ米、同じ野菜のように見えて、ぜんぜん違うものなんですよね。生産者からすればね。


さて、では。辻井農園の話。値引き交渉には応じておりません(笑)。同じ生産基準で話をすれば、お求め安いお値段にさせてもらっています。完全無農薬有機栽培米であれこれ試行錯誤しつつ、今のお米になってきています。あとは食べてもらって判断してもらうしかないのですが。
速く、安く、どこへでもという食品流通の変化の中で、生産者と消費者の間のコミュニケーションはほとんどなくなりました。
ネット販売では、それこそ写真こそあるものの商品の現物さえ、見ずに注文するんですからね。
ところが「お客様の声」です。辻井農園の自慢は「お客様の声」です。同じようにネット販売されている農家からも、いいねぇ、うらやましい、なんだか辻井農園のお客様の声は読ませるよね。と言っていただいたりしています。HPでお米のことや農作業のことを書く。お米のこと、農作業のことを知っていただいて、買っていただく。買っていただいたお客様から、お米の感想や農作業についての質問がくる。生産者にとっては、なによりの励みになっています。生産者の宝ではありますね。なくなりつつあるコミュニケーションが、直接メールやお手紙をいただくことで、すぐお隣さんから感想を聞いているような、いえ、それ以上の濃いつながりを感じたりしています。だって、たとえ食べてみておいしかったとしても、その感想を書いて送ってみようとはなかなか思えないですからね。


菜の花の芽も伸び、葉っぱが広がりつつあります。菜の花がよい土を作ってくれると期待しているのですが、みなさまの声を励みに来年もよい米作りをしようと思っています。ありがとうございます。



夕食は子ども達と昆布でダシをとり湯豆腐をする。柚子ポンでいただく。おいしい。
夜は農協で農談会。今年の作柄の分析などについて。




5日(水)
曇ってはいたが、なんとか雨も降りそうにないので、午前中は最後のコンテナに残っていた大豆の選別。これで農協の選別機でする選別はすべて終了。コンテナも返却。


お昼に水路の工事の立ち合い。


午後は先日父が少しやりかけてくれていた大豆あとの田んぼをロータリーで起す。要するに大豆の収穫のあとの豆殻や落葉した葉っぱ、残っている茎や根をみんな土に鋤きこんでしまって分解させます。ほんとうはこれも収穫が終わったらまだ少しでも気温の高い時にすぐに鋤き込むのがいいのですが。