現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

三回目の温湯消毒と村上春樹の新作の読了

村上春樹の新作の小説

朝のうちに精米。
お昼に三回目の温湯消毒をして、そのまま浸種。


村上春樹色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(文藝春秋)読了。楽しめました。村上春樹は長編小説では毎回同じようなことを書いているのだが、今回はとくにシンプルになっているような。書きたいことはあるのだが、ま、出たばかりの本だしね。お楽しみくださいというところです。


フリージャーナリスト堀潤氏のインタビュー記事が先日の日本農業新聞に載っていた。以下その要約。

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TPPに対する僕の立場は、絶対賛成でも絶対反対でもない。これまでの取材やツイッターで僕は「TPPについて考えよう」と呼びかけてきた。人々にとって、情報を知って、自分で考えて判断したんだということが大事だと思ったからだ。
その前提となるのは情報。だから僕は、 TPPの秘密主義的な交渉は問題視している。いくら知りたくとも情報が手に入らない。米国の大企業や業界団体のロビー活動の影響で、物事が正当な議論によって決まっていくとも限らない。何も知らされず、口も出せずに、あとから「こんな風になるはずじゃなかった」というのが一番よくない。
メディアも改善の余地がある。ようやく、農業だけじゃなくて保険とか知的財産とか投資家・国家訴訟(ISD)条項とか、いろいろな懸念もあると言うようになった。でも、まだまだ伝え方も伝わり方も単発的だ。世界の資本を握る1%とそれ以外の99%という枠組み、自由貿易の効果や弊害といった世界的な流れを伝え切れていない。
自分のニュース番組でTPPを取り上げるときには、「農業対工業」とか「米国が日本の市場をこじ開ける」とか、画一化してはいけないと考えていた。判断材料にならないからだ。「日本の農家は〜」と取り上げた農家の意見に「よく言ってくれた」と思う農家もいれば「違うよ」と思う農家もいる。去年の9月、米国のサンディエゴで開かれたTPP交渉会合を取材したら、米国内でもTPPに疑問を抱く人たちがいるとわかった。
様々な角度から解決策を考えることが必要なのに、テレビなら時間、新聞なら紙面という物理的な制約があるので、メディアは物事を単純に捉えがちになる。その情報源は警察とか官庁で、権力寄りになりやすい。僕はそんなメディアを変えないとこの国は変わらないと思ってNHKに入った。「これおかしいじゃないですか」と内側から声を上げたかった。
だけどあの原発事故が起きたときには、反省しなければならない報道を僕もしてしまった。事故後、福島県に行くと「堀さん、なんで早く放射性物質の拡散予測を教えてくれなかったの。知っていたんでしょう。知っていたら自分で判断できたのに」と言われた。僕が今、 NHKをやめて、メディアのあり方を問う形で発信しているのは、その贖罪でもある。
インターネットの発達で、本当のことを知りたい、言いたいと、自ら情報を発信する人も増えている。でも放っておけば、そういう欲求の強い人の声だけに偏る。だから大切なのは「弱い声」の発信力の底上げ。もっとたくさんの意見が世の中に溢れて、メディアもそれを真正面からとらえて、議論の環境を作る。それが、あらゆる社会問題を考えるために大事なのではないか。

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YouTubeに「Mothers of Fukushima」の動画が載っているのを教えてもらった。大手メデイアは真正面から報じないので、何が正しく、どこが間違いで、何がよくて、何が悪いのか、自分の頭で考えなくてはいけないのだが、・・・。日本人は覚悟が足りないんじゃないかと、自分も含めて思う。