現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

畔塗りをはじめる


二十四節気では、今日は清明なんだそうで、「万物発して清浄明潔なれば、此芽は何の草としれるなり」ということらしい。晴れて陽射しもあり、気持ちの良い天気でしたが、風が冷たく、寒い一日でした。清浄明潔かぁ。
朝、布団から出た時に、あまりの寒さにびっくり。
遠く函館山も、己高山も金糞岳も天吉寺山も白くなっておりました。


ハクモクレンをこのところ朝の散歩の途中で楽しんでいる。とてもきれいなんだが、花の寿命がいささか短かすぎる。


午前中は、お米の発送など。それから簡易車庫のコンクリートを埋めはじめていたら、農事組合で発注している工事が始まったらしいということで、ちょっと様子を観に行く。


午後は雨の予報でしたが、晴れておりますので、畔塗り機をトラクタにつけて動かしてみようと思ったのだが、トラクタのエンジンは調子よくかかるのだが、畔塗り機のコントローラーに電気が来ていない。あれれ?とあちこち接続し直してみたりしましたが、どうにも直らない。農機センターに電話したら、ヒューズを調べてみろ、と言われたが、来てもらうことにした。ヒューズは大丈夫だったが、見てもらったら、なんとバッテリーの電極のところが腐食してコードが断線しているではないですか。これでは電気は来ませんわな。


すぐに修理してもらって、畔塗り機の試運転と相成りました。ま、そこそこ調子よく塗れました。
日没直前まで作業していたのだが、その時刻になると、ぐっと気温が下がってきました。畔塗り機をつけたトラクタがフルオープンのタイプなので、寒いときはツライですな。


そういえば、今朝の中日新聞に「トヨタ方式で稲作 農業法人にシステム提供」という記事が載っていた。自動車生産のノウハウを応用して、複数の水田の作業を一括管理できる稲作の生産管理システムを開発し、農業生産法人9社に提供を開始したということらしい。工場のラインのように農作業の標準時間を設けた上で、毎日の進み具合を情報技術(IT)で集中管理し、コスト低減と品質向上を実現するという。大規模農業の農業法人が対象で、管理者が翌日に必要な作業を割り当て、従業員のスマートフォンタブレット型端末に配信する。当日、従業員はGPS機能で作業エリアを確認し、作業の開始と終了をスマホなどの端末からデータ送信。水田が広範囲に散らばっていても、各水田の作業状況を集中して把握できるため、従業員の無駄な配置がなくなり、育苗も必要な数量を抑えることが可能になる、という。ははん、大規模な生産法人だと、こんな具合になってしまうんでしょうなぁ。GPSに教えてもらわないと、どこの田んぼに行けばいいのか、わからないなんて、うーむ。いいのか?

布団に入ってからの読書は相変わらず山田風太郎『人間臨終図巻』なのだが、4巻の真ん中あたりまで来ました。81歳で亡くなられた方のところまで来ました。3巻あたりから山田風太郎のペンがよく走っているように思います。いきいきしておりますな。昨夜、読んだところでは、片岡千恵蔵のところがおもしろかったです。
“一代ほとんどスターで過した千恵蔵は京都の七千坪の本邸をはじめ多くの別邸や店舗その他財を残したが、最後の二十余年は妻のいる本邸には寄りつかず、名古屋で愛人と暮らし、彼の最期をみとったのもこの愛人であった。しかし彼女には遺骨の一片も与えられなかった。遺骨は名古屋を石のごとく無視して通過し京都へ送られていった。”
最後の二十余年は妻のいる本邸には寄りつかずに暮らすというのが、もひとつ、うまく想像できないが、奥様はさぞ怖い顔でおられたのだろうと。