現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

苗代と強風とWe Shall Overcome: The Seeger Sessions - American La


3日(木)
朝、早起きして、犬の散歩もちょっとショートカットのコースにして、早々に苗代に苗箱を並べる準備。泥の床の上に苗箱を並べて、農ポリでトンネルを作り、泥で押さえる、という苗代なので、風が出ると、途端に作業がしにくくなるので、風の出ない早朝から始めるのが、コツなのです。って、百姓ならみんなそうしていますが。
昨日、トンネル一本分出したので、今日は一本半、というところ。風があまりでない午前中に作業終了。
でもちょっとトンネルとトンネルの感覚が狭かったのか、ちょっとやりづらいところがありました。こういうのは10cm違っただけで、作業効率が大きく変わるんですよね。


午後は配りものをして歩いたり、畔塗りに備えてトラクタを水洗いしたり。


Bruce Springsteenの『The Seeger Sessions - American Land Edition』は確かにいいアルバムだなぁ。Amazonから届いて、ずっと聴いている。
DVDの録音風景風ビデオ。みんなリラックスして楽しんでいるのも、とてもいい。
しかし、なんだなぁ。輸入版なので、日本語がどこにもないのは、仕方がないし、いいんだが、CD関係は何でもそうなのだが、とにかく文字が小さすぎる。見えん、読めん!というか、読む気を失せさせる。せめて、昔のレコードやライナーノーツのフォントサイズにしてほしい。こんなことでは、ますます自在にサイズ変更できる.mp3にやられてしまいますがな。音楽関係者はちょっと考慮するように。


このアルバムというか「シェナンドー」を教えてくれたK氏の話によれば、K氏はこのCD『We Shall Overcome: The Seeger Sessions - American Land Edition』を、いきつけの居酒屋さんに預けてあるのだそうだ。すると飲んでいるうちに、いつのまにか、このCDがリクエストもしないのにかかっていることがあるのだという。そりゃぁ、あんた、なんとも気分がよかろう。いきつけの飲み屋さんならではですなぁ。
昔の話になりますが、学生時代、たまにいっていたジャズ喫茶。いつもはお客もすくないので、テーブル席に座っていたのだが、その時はテーブル席が一杯だったので、初めてカウンターに席に座った。その店はマスターがいることが少なくて、アルバイトの人が多かったのだが、いつも、一人か、たまに二人で回しているようなお店でした。カウンターの向こうにはアルバイトのAさん。何度も顔を見ているが、話をするのは初めて。「ときどき、いらしてますよね。」「たまに、でもカウンターに座るのは初めてなんです。」「座り心地はどうですか?」という最初の会話はよく覚えているのだ。でも、それが縁になって、Aさんがいるときだけは、カウンターに座るようになりました。

ある時、もう今となっては詳しいことは思い出せないのだが、なぜか年上の女性に連れていってもらったのが、そのジャズ喫茶なのでした。僕がそのお店の名前を言うはずもないので、たまたまだったんでしょう。自分のなじみのよく知っているジャズ喫茶に誰かに連れていってもらうというのも、あまり経験できないことだと思います。でもって、たまたまアルバイトでカウンターにいたのが、Aさんだったんですなぁ。お店に入ってすぐAさんと目が合いました。年上の女性につれられて入ってきたのですから、びっくりしたのだと思いますが、知らんぷりをして、注文を聞き、コーヒーを運んできてくれました。その時鳴っていたのは、今田勝の『哀愁のカーニバル』です。ええ、よく覚えているのです。しかも客は、他に誰もいないのです。
当時、普通、ジャズ喫茶では、レコードの片面づつ鳴らしては、レコードを交換していたのです。そのお店もそうなのですが、今、鳴らしているレコードのジャケットをみんなのよく見えるところに見せていたりしたわけです。
ところがレコードの片面が終わらないうちに、ジョン・コルトレーンの『バラード』のA面が鳴りはじめたのでした。うん?と思ってカウンターの方を振り返ると、Aさんがニコニコ笑っている。レコードジャケットを取り換えに来るときも、こっちを見て、ちょっと会釈していくではないかいな。ま、客は私ら二人しかいないんだけど。ちょっとやり過ぎでしょ、と思ったけれども、うれしかったのは覚えています。
えー、だからいきつけだと、お店も客に気を使って鳴らす音楽にも気を使いますよ、という話なのだが。うーむ。しかし、ジョン・コルトレーンの『バラード』の効果はなかったなぁ。いや、コルトレーンに罪があるわけでないのですが・・・。


4日(金)
朝方、雨が降って、明るくなったときにはやんだのですが、午後からまた、ときどき強風と激しい雨、という天気。


朝から温湯消毒をする予定だったが、天気予報で、午後からの雨と強風を伝えているので、昨日の苗代が心配になる。
トンネル苗代の一番の心配は風でトンネルがめくれてしまうことだ。農ポリという薄いポリエチレンに泥を乗せて、それからビニール紐を上にかけるのだが、このビニール紐もしょせん泥に差した竹で抑えてあるので、泥が乾くまでは何かと心配なのだ。泥が乾いて硬くなれば、もうこれは決してめくれそうにないのだが、まだ柔らかいうちは雨が降り、風に煽られると、泥がズルズルとポリエチレンの上をすべってしまったりするのだ。実際、何度か、苗代のトンネルを作ってすぐの強い風雨でめくれてしまって難儀したことがあります。


それで、まだ風が強くなる前に、もう一度、泥を、しかもちょっと水分の抜けた固まった泥を追加で置き直すという作業を朝一番にする。特にビニールの紐を抑えてある竹の周りに泥を置いて、緩んだり抜けたりしないようにする。


で、遅い朝食の後、温湯消毒開始。今年二回目だし、ずいぶん手慣れてきた。
60℃のお湯に10分浸けて、その後、すぐに水で急冷。そのまま浸種。
iPhoneのタイマーを9分にセット。温度計で61℃のお湯に乾いた種籾を入れて、種籾を揉むようにザブザブすると、ちょうど60℃になります。タイマーのお知らせの音や振動がきたら、ゆっくりタイマーを切って、種籾をお湯から揚げ、お湯を切って、そのまま水の桶にザブンと入れる。これで、だいたい10分ちょうど。


お昼に麦の圃場を見て回る。先日、葉の色が少し黄色くなっていたので、肥料をすこし降ったところを見て回ったのだが、概ね回復していた。ありがたい。


午後は予報通り、ときどき強い雨が降り、ときどき強風が吹いた。今のところ、苗代は大丈夫みたいだが、うーむ。ときどきガラス窓がガタガタ揺れたりするので、気を揉みますがな。