現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

田植えを開始!


朝から晴れる。絶好の田植え日和かと思ったが、お昼前から風が強く、わりと冷たい。
犬の散歩がてら、田回りをして水の加減の確認。それから今日田植え予定の田んぼに肥料を配る。
で、 苗代の苗箱を軽トラに積む。
ここで朝食。
朝食後、父に軽トラで苗を運んでもらい、僕は新品のぴかぴかの田植え機を田んぼにもっていく。sそこへ農機センターのK君登場。あれこれ動かし方使い方をレクチャーしてもらいながら、田んぼ一枚を植える。新しい田植え機はパワーもあり安定しているし、植えるのもずいぶん速い。最も今までの田植え機が15、6年乗ってきたやつだったので、そう感じるだけかもしれないけれど。
ここからは、夕方まで、昼食休憩以外は頑張って植えました。途中から長男も手伝いに来てくれる。
田植え後、田植え機を水洗いし、新茶を淹れて、一服したら18時すぎ。おっと日没になる前に、と田回りに出て、今日植えた田んぼや明日植える田んぼなどの水管理をする。で、日没。


帰りに国道脇のコンビニでビールを買おうと寄ったら、駐車場がずいぶん混んでいる。もちろん滋賀ナンバーもあるのだが、国道365号線なので、福井、尾張小牧、一宮、名古屋、三重などのナンバーもある。北縦(北陸縦貫自動車道)か名神が混んでいるんだろうな。GWも終わります。


夕食後、プロ野球中継を観ながらビールを飲みたかったが、テレビのチャンネルを回しても、プロ野球中継はやっていない。ひとつも。今日はデーゲームばかりであったのか?などと思いつつゴロリと横になったら、いつもの様に寝てしまって、今頃起きて慌てている。


老眼鏡をかけて、茨木のり子『おんなのことば』(童話屋)を、ちょっと声を落として、一人で朗読してみる。『おんなのことば』は1994年に出た文庫本サイズの茨木のり子のアンソロジー


  この失敗にもかかわらず     茨木のり子


    五月の風にのって
    英語の朗読がきこえてくる
    裏の家の大学生の声


    ついで日本語の逐次訳が追いかける
    どこかで発表しなければならないのか
    よそゆきの気取った声で
    英語と日本語交互に織りなし


    その若々しさに
    手を休め
    聴きいれば


    この失敗にもかかわらず……
    この失敗にもかかわらず……
    そこで はたりと 沈黙がきた
    どうしたの? その先は


    失恋の痛手にわかに疼きだしたのか
    あるいは深い思索の淵に
    突然ひきずり込まれたのか


    吹きぬける風に
    ふたたび彼の声はのらず
    あとはライラックの匂いばかり


    原文は知らないが
    あとは私が続けよう
    そう
    この失敗にもかかわらず
    私もまた生きてゆかねばならない
    なぜかは知らず
    生きている以上 生きものの味方をして


近ごろは「五月病」という言葉もあまり聞かなくなった。新入社員や新入生さんたちはもう「五月病」にはならないのか。一昔前はGW明けが危ないなどと言われたものでありました。
僕などはとにかく失敗続きの人生でもあるので(あ、でも、失敗ばかりではありません)、「この失敗にもかかわらず……」というフレーズが胸に刺さったりするのです。「そう/この失敗にもかかわらず/私もまた生きてゆかねばならない/なぜかは知らず/生きている以上 生きものの味方をして 」
ま、同様に、今が栄光の頂点だとしても、これから先さらに生きてゆかねばならないのですが。


明日もまた田植えをします。