現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

菜の花の播種と畦畔の草刈りと『わたしを離さないで』

私を離さないで


20日(火)
午前中は、お金で払う年貢の計算の確認と振込など。
午後は昨日の続きで、菜の花の圃場の溝堀と耕起。それから菜種の播種。この菜の花は春に黄色い美しい花を咲かせてくれると思いますが、この花を土にすき込んで肥料にします。であとはなにも入れず、田植えをして稲を育てて、お米をつくります。来年もうまくいくといいんですが。来年の米作りのスタートです。


21日(水)
朝のうちはお米の選別など。
それから昨日ほった菜の花の圃場の溝をきちんと尻水戸までつないだり、畔波シートをはずしたり。
午後も溝をつないだり、それから自然栽培で無農薬・無施肥の大豆の圃場の草刈り。ま、当然、草もたくさん生えてしまいましたが・・・。


カズオ・イシグロの『わたしを離さないで』を読んだのは、何年前だろうか。いやー、良かったのです。しみじみ感動したのです。
ですから2010年に映画化されたと聞いても、あまり観る気にならなかった。小説を読んで感動していると、映画を観ても、かえって興が削がれてしまうことが多かったりするから。
さて。
映画の評判は良かったし、小説を読んでから時間も経っているし、iTunesからレンタルもできるし、なんだか肉体的に疲れているし、・・・とあれこれ理由をつけて、見てみることにしました。
映画は素晴らしかったです。原作もそうだったが、この静謐感。無駄なものが写っってこないフレーム。
キャシー(キャリー・マリガン)の頬を伝う涙の美しさ。この映画では、キーラ・ナイトレイの三倍は美しいな(笑)。
ああ、それでも原作のカズオ・イシグロの小説の方が三倍は素晴らしいです。ヘールシャムの施設での描写が丁寧であればあるほど、リアリティがでますしね。映画ではヘールシャムの描写にもっと時間を割いてもよかったかも。でも、そこそこテンポよく展開されていくので、そのほうがいいのかな。
唯一、作中に流れる「Never Let Me Go」の歌が、僕が思っていた歌と違うことが、ちょっとショックでした。



オリーブである。ポパイの恋人ではない。ポールモーリアなら首飾りにしてしまうオリーブである。ですが、私は今日のところは手品やマジックには興味がないのである。
オリーブといえば、マティーニのなかに沈んでいるあれである。ビリーワイルダーは『アパートの鍵貸します』で、やきもきしながら、バーで時間を潰す男(ジャック・レモン)の描写に、マティーニを何倍も飲んで、オリーブの塩漬けに刺さっている楊枝をカウンターに並べるというシーンを入れていますな。
しかし、あのオリーブの漬物は古漬なんです。


むふふふ。いただき物ですが、小豆島の新漬オリーブ。この新鮮な緑色を見よ!すべて手摘みで収穫したばかりの新鮮な実を渋抜きして塩水に漬けた浅漬けなんだそうです。緑色から赤紫色に熟す直前のわずかな期間にだけとれる秋の味覚だということです。大豆でいえば枝豆のような感じなんでしょうか。
これがうまいんですなぁ。しゅるしゅると手が伸びてしまいます(笑)。