現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

あぜ塗りと春の嵐とタラの芽と鶴瓶と矢野顕子『ピアノ・ナイトリィ』


17日(月)
午後からは嵐になる、という天気予報なので、雨の降る前に出来るだけあぜ塗りをすませておこうと頑張る。以前塗ったあぜで、二枚、失敗したあぜも塗り直すことになんとか成功。いやはや。
秋からどうも雨が多くて田んぼも土が乾いていないところもあるので、なにかと苦労する。お昼過ぎまで頑張っていたらポツポツと雨が降り出す。
濡れて帰ってきて昼食を食べていたら、ざーっと降ってきた。風も強くなる。



午後は田んぼの仕事が出来そうにないので、ネットの句会の選句をたのしむ。たくさんいい句があって迷う。選句をしていて自分の投稿した句が出てくると、あまりの下手さにげんなりするが、まあ、仕方がない。


夜、NHKのテレビで「鶴瓶の家族に乾杯」をやっていた。以前訪れた熊本県の南阿蘇村を再訪するという企画。「地震から1年・再び熊本県阿蘇村へ佐渡裕とぶっつけ本番旅」というわけで一緒に歩いたのは指揮者の佐渡裕さん。「家族に乾杯」は好きで、テレビに映っていれば見る番組だが、いや、今回はとくにいい番組でした。あの地震で村の人々の暮らしが一変したことがよくわかるのです。そして暮らしを立て直すことに一生懸命な様子が村の人の笑顔の中によくわかるのです。
1980年代の半ば、NHKの教育テレビで『YOU』という若者向けの番組が放送されていた。大学を卒業して家に帰ってきたまだ若者だった僕は時々見ていた。『YOU』という番組は東京で制作される糸井重里が司会しているものと大阪で制作される鶴瓶が司会しているものと二つあった。僕は大学を卒業をしたものの、一年間は正式採用されずに仕事をしていたのだが、職場の一番の管理職が僕の机のそばにやってきて暇そうにしている僕に世間話をしてくださったのだが、「おまんら、若い人はどんなテレビを観てるんや?」
「あ、いえ、あまりテレビは観ないンですけど、ドリフの『8時だよ!全員集合!』はたまに観ます。」
「あれ、まだやってるんやね。今はひょうきん族の方を若い人は観てるんとちゃうんか。」
「そうです。みんな『オレたちひょうきん族』ですが、僕は昔からドリフです。ヒゲダンスは好きですよ。」
「ああ、あれな。ほうかヒゲダンスか。おまん、『YOU』とか観んのか。」
「いや、たまに観ますよ、糸井重里は好きですよ。」
「おまん、糸井重里が好きなん?」
「それは、もうカッコいいでしょ。言葉の魔術師ですよ。クリエーターですよ。若者たちの神々ですよ。」
「うん、ほんでも鶴瓶もやってるがな。」
「やってますね。大阪の制作ですね。もっちゃりしてないですか。」
「ほんでも糸井重里と比べるとはるかに賢そうや」
「ほんまですか?いやー、しかし。」
「わしには鶴瓶の方がはるかに賢そうにみえるけど(笑)。しかもはるかに上品に観える。」
「ええ?そうですかねぇ?鶴瓶が上品に!?」というような会話をしたことをはっきり覚えています。
でもなんですな。鶴瓶は上品だったんですね、たぶん。僕は中学の頃、深夜ラジオで鶴瓶の番組をときどき聴いていたので、鶴瓶が上品だとは、まったく思えなかったのです。大笑いしてましたが。当時はアフロヘアにオーバーオールでした。
でも今回の鶴瓶の家族に乾杯を観ていると、佐渡裕より上品な感性だと思えてきたから不思議(笑)。ま、たぶん編集とかあれやこれやの末の、僕の錯覚だと思いますが。
えー、もちろん今は鶴瓶のファンなのですが。糸井重里はもうやっぱり好きで、若いときの神々の一人ですから、どうしようもありません(笑)。福島に関することでは、ま、ちょっと僕とはスタンスが違うのですが、頑張っておられますね。地震津波の被害はもちろんですけれど、丸飲みの国策の原発放射能汚染事故が起こったんですから、国も電力会社も暮らしの安全に必死の対応してほしいのに、その対応の中途半端なこと!「ま、ちょっと僕とはスタンスが違う」などと書く僕のスタンスもあやしいものですが。でも、とにかく自分の頭で考えることしかないですよね。
政治家や官僚や弁護士や検察も裁判官も、ま、日本国憲法はいうまでもなくよくご存知のはずなんですが、今、日本国憲法を読んでみると、憲法通りに日本の国が動いているのか、どうなんだろうと思ってしまう、今日この頃です。そんなことないですか?(笑)


18日(火)
雨は上がったが、強風は午後までのこりました。
午前中は、あちこち田んぼの見回り。略して「田回り」。昨日からの雨で田んぼにけっこう水が・・・。
お昼に、またタラの芽を採る。えー、前回より大きな木だったので、採るのに苦労する。タラの木には、トゲがあります。けっこう大きなトゲです。というかパッと観るとトゲだらけの木に見えるはずです(笑)。ま、タラはタラで、自己防衛を考えているのでしょうけれど、タラの芽のうまさを知った人間には、そんなトゲは通用しませんね(笑)。ああ、人間の欲望のオソロシイこと。大きなトゲをつけて、近寄ると痛いよ、近寄らないでね、とくに芽は採らないでね。とタラは無言で訴えているのに。欲にまみれた人間の男の前にタラの木は無力です(笑)。
僕がタラの芽を採っている頃、母はヤマブキを採ってきていた(笑)。



午後は精米と発送準備など。
それから農協に注文しておいた運搬機が届く。明日は運搬機を使って「秋の詩」を苗代に出します。発芽機の中ではいい感じで、芽を出してます。


ピアノ弾き語りアルバム第二弾、矢野顕子『ピアノ・ナイトリィ』(1995)を聴いている。スバラシイとしか言いようがない。ま、いろいろカバーしているのだが、THE BOOMのカバーってわりと多いような気がします。好きだったんだろうな。って当たり前か。僕は今まで聴いてこなかったので、昨日からiTunesの「はじめてのTHE BOOM」というのを聴いている。なるほどな。
このCDジャケットの写真も悪くない。モノトーンの写真で妙な柄のワンピースだけれど、上品ですね。矢野顕子は今でもわりとワンピースで登場しますね。なぜだかわかりませんが、ワンピースは上品に見えます。単なる僕の好みの問題だろうか。うちの家族の女子はほとんどワンピースを着ないけど。