現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

大豆を色彩選別機にかけて出荷と滝田誠一郎『長靴を履いた開高健』

長靴を履いた開高健

終日、大豆を色彩選別機にかける。選別機で大中小にわけた大豆を今度はサイズごとに、色彩選別機にかけてきれいな大豆ばかりにするわけである。大豆の色彩選別機は僕の中学の時の一つ先輩が大きな農家でもあるので、豆をもちこんで機械をお借りした。例年、作業所で手作業でやってきたのだが、なんといっても速いのがありがたい。できた分だけ、そのまま農協へ出荷する。


枕頭本にしていた滝田誠一郎『長靴を履いた開高健』(朝日文庫)読了。いやー、おもしろかったです。開高健の文章はまあたいてい読んできたつもりなんですけれど、読み出したのが80年からですから、『オーパ!』には間に合ってなくて、『もっと遠く!』『もっと広く!』の前あたりから書かれたらすぐ読むというようになりました。ですからほとんど遡って読んでいたので、数々の釣りの名作の舞台裏がのぞけておもしろかったです。
でも僕が同時代的に読んでいた80年代以降の開高健は釣りの方はオタワの奇跡もありましたが、連戦連敗というのがけっこう続きますし、小説の方でも“闇の三部作”の完成に長い間苦しんでいましたし、バック・ペインに悩まされたり、いささかつらい時期そのものだったということだったわけですね。


本文の中で登場する池原ダムや琵琶湖のバス釣りを案内された天野礼子さん。ふと小説『珠玉』の中に登場した阿佐緒を思い出したりする。「なんで、私を利用しないんだ。」というようなことを小説家につぶやかせていたのは?


あれやこれや、本当に詳しい開高健の年譜を眺めてみたくなりました。


昨日の11日付の日本農業新聞の論説の記事にも、うーむ。となったのだが、コラムで中川健次の短歌が紹介されていた。農業新聞はいつも朝のトイレで読むのだが、トイレに座りながら久しぶりに笑ってしまいました。

   帽子とり眼鏡はづして入歯とり補聴器はづせばまろき俺だよ
                     (中川健次『億劫』)

「まろき」とは削ったり磨いたりしない全きという意味である。とコラムの中で歌人小高賢氏は書いておられます。なるほど。なるほど。でも丸いという意味でもその顔や頭が目に浮かびます。

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