現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

内澤旬子『身体のいいなり』

12日(木)
お米の精米やら発送。午後も精米。


13日(金)
午前中は父を眼科に連れて行ったり、先生の話を聞いたり。
お昼に僕の車のタイヤをスタッドレスに交換。
夕方から会議。


内澤旬子『身体のいいなり』(朝日文庫)読了。楽しめました。夏に枕頭本にしたのですが、老眼の影響で読めなくなっていた本です。文庫の帯に「38歳。フリーランス。貧乏のどん底で乳癌発覚。しかしそれは、新しい世界への入り口だった・・・」とあります。うーむ。夏に買った本なので、何に惹かれて買ったのか、今となってはよくわからない、というか、思い出せない。
2011年の講談社エッセイ賞でもありますな。そういえば、『ユーミンの罪』の酒井順子さんも2004年に『負け犬の遠吠え』でこの賞を受賞されています。
内澤旬子さんって、あまり知らなかった。ウィキには、神奈川県出身のイラストルポライター装丁家、製本家、とありますな。イラストも描くルポライターということなのでしょう。文庫の表紙のイラストも自分で描かれたんですな。
本文は、まあ、興味のある方に読んでいただくとして、巻末にこれまたルポライターの島村菜津さんとの対談がついていて、これも面白く読めました。
カタコンベ(地下の墓地)にいって心が安らぐような“メメント・モリ”(死を想え)な環境が日本にない。日本はきれいに死が隠蔽されている。」
なんて書いてあったり、最後のあとがきには、
「癌だけでなく、あらゆる病気は、いや、人間にふりかかるすべての不幸には、理由はないと思っている。ただ、どう対処するか、どう向き合うか。それだけだ。」
なんてかっこいいことが書いてある。まるで坂口安吾みたいで、かっこいい。


島村菜津さんはときどき日本農業新聞に文章が(たぶんインタビュー記事だけど)ときどき載っていたりするので、知っていたのですが、内澤旬子さんは初めて読む。
女性のルポライターって、どこかみんな何か共通点があるような気がする。うーむ。なんだろう。クールな、さばさばした、前向き感(笑)。いや、それは男性だっておんなじか。まじめに開き直っている感じ?純粋感?・・・いや、共通点がありそうだと思ったのは、どうも僕の錯覚かもしれん。


夜、奥さんがどこかで買ってきたヤツだと思うけれども、テーブルの上にギンナンを見つける。僕はギンナンが好きなのだ。昔はちゃんと火であぶっていましたが、最近は新聞紙に包んだり、紙封筒に入れて、レンジでチンすることを覚えて、もっぱらこればかり。翡翠のような(って翡翠も実際に見たことがあるのか怪しいが)透明感のあるギンナンは本当に美しいと思う。ときどき、お店なんかで出てくる黄色っぽいギンナンはどうもイマイチというか、どこか許せない気になったりしている。茶わん蒸しに入っているギンナンも好きだが、あれも緑色であって欲しい。ちょっと塩をつけて食べるのもいいのだろうが、僕はもう、そのままつぎつぎむしゃむしゃ食べたい。


夕方から雪がちらついている。