現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

大豆の播種が終わったこととAIの世の中


7日(金) 七夕
暑い一日。今日も青空が広がったが、暑い!蒸し暑い!
終日、大豆の播種。昨日に続いて、除草剤散布に関して、トラブルは続いたが、工具箱が大活躍。うまく散布できてないところも出来てしまったが、最後には、なんとか散布出来るようになる。
好天に恵まれてなんとか二日で大豆の播種を終えることが出来ました。うれしい!しかし、今日は午後から雨が降るよ、降るよ、と天気予報ではいっていたのに、ずっと晴れていたのでありがたかったです。


夜は安全な米づくりの研修会。うーむ、まあ、今回のは安全な米を出荷するための書類の書き方の研修会みたいだったな。まあ、いいけど。



8日(土)
今日も晴れる。どうなってるんだ?最初は木曜日だけが一日だけ梅雨の晴れ間だから、今日の晴れ間を大切にして下さい、なんてコメントがあったのに、昨日も今日も、これで三日続けて梅雨の晴れ間です。むふふふ。いや、ありがたいんですけどね。遅れていた大豆の播種が終えられたので。
と、書いたけれど九州北部の大雨の被害の状況を聞くと胸が痛む。早く落ち着いた暮らしに戻れるようにと願うばかりだが。


田回りのあと、ありがたいことに大豆の播種を終えられたので、シーダー(播種機)の掃除をして水洗いし、トラクタからはずす。
ロータリーも洗いたかったのだが、その前に菜種の種取りをした圃場がそのままになっていて草が生えてきていたので、ロータリーで耕起して草を埋める。


昼寝。30分昼寝したら、寝起きで30秒ほど身体がぼーっとしてしびれる(笑)。


午後はトラクタとロータリーを水洗い。
それからタンクの中に残っていた除草剤が75Lほどあったので、それを背負い式の散布機に移して、トラブルでうまく散布できなかったと思われるところに少し散布する。


東の岐阜県境あたりに巨大な積乱雲ができていて、雷の音も20分ばかり聞こえる。遠雷だけで、雨は降らず。ありがたい。雲に露出を合わせたら、こんな色になって写りました。ちなみに右下のちょっとぽっこりととがった山が滋賀県の最高峰の伊吹山で1377mです。積乱雲の高さやいかに。



夕方、また田回り。


暑かったし、大豆の播種の後始末も終わったし、なんともビールがうまい。
そういえば、大枠合意した日欧経済連携協定(EPA)で、あれこれ想うことがあるんだが、・・・。TPP同様に、なにもわからないまま、何も知らされないまま、勝手に合意しちゃった感がぬぐいきれないし、メディアもクルマの輸出が伸びそうだし、さらにワインとチーズが安くなるから歓迎ムードで、現政権は外交には強いみたいな記事が多く、なんじゃらほい、と心底脱力する。


ようするになんでも外注する世の中になってきてる、と先日ラジオで高橋源一郎が言っていた。もともとは家でなんでもやってきた。たとえばみんなそれぞれ米も野菜も家で作ってきたが、今はスーパーで買っている。出産も家でやっていたが、今は病院でお世話になっている。葬儀も家で出していたが、今は葬儀屋さんにお世話になるようになっている。全部お金で買うようになってきた。そういう社会になってきている。つまりなんでも外注しているということだ。そのうち家族も外注できる世の中になるんじゃないか、人間関係もずーっと一緒にいると鬱陶しくなるから基本は一人暮らしで、恋人も、家族も、二時間いくらで買う世の中になるんじゃないか、みたいな。外注化してきた社会の行き着く果てじゃないか、と。家具はリースだし、家も賃貸だし、本もCDも、ネットからダウンロードというか、クラウドにおいてあるし。自分自身の持ち物としては、こちら側にタブレット端末かスマホが一つあるだけ、みたいな。極端なことになれば、そういう世の中になるかも。
さらに今はAI(人工知能、artificial intelligenceというらしい)がすすんでいるけれど、結婚相手もAI(人工知能)がマッチングして探してくれたり、そのうちいろんな職業がAIに取って代わる世の中になる。たとえばお医者さんだって、AIに取って代わられる。というかAIの方が病気の見立てとしては、得意かもしれない、なんてことになるかも。あらゆる職業がAIに取って代わられるとどうなるのか。みたいな話を高橋源一郎がしておられました。
お医者さんがAI に取って代わられる世の中だとすると、なにかを運転・操縦するような仕事はまずAIですね。じゃ、農業はどうか、教育はどうか。
と、こんなことを書きはじめたのは、ま、なんでも外注できる世の中になったとして、なんでもお金で買える世の中になったとして、本当に食べ物はお金で買えるのか。ワインとチーズが安くなると喜んでいていいのか、職業になんでもAI、人工知能化が進んだとして、人は就職する必要があるのか。なんでもAI搭載のロボットがやってくれるとすると、どうやって自分はお金を稼ぐのか。
でもって、人工知能が管理する無菌状態の植物工場で育てられた米や野菜を、あるいは肥育工場の牛や豚や魚を、あなたは食べたいのかどうか。おいしさの概念が変わってくれば、それもありかも。