現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

ブックオフの二日間と『スポットライト 世紀のスクープ』

トム・マッカーシー監督『スポットライ

16日(土)
終日、部屋の掃除と整理をする。午前中に本をブックオフに売りにいく。本を売るのは忍びない気持ちもあるが、床に積んであったのを手提げの紙袋とトートバックと段ボール箱一つを持っていく。7000円ちょっとになる。意外に高値だったので、「なにが一番の高値でしたか?」と店員さんに尋ねると「あ、これ『官能植物』が500円でしたね。あと単行本も300円のものがいくつもありましたし。」とのことでした。そうか『官能植物』だったのか。新しめの単行本だと300円ほどになりました。
午後も引き続いて部屋の掃除と整理。今度は手提げの紙袋とトートバックと段ボール箱2つを持っていく。3800円ほど。一番の高値は『レトリック事典』が1600円でした。午後は古いコンピュータ関係の本も持っていったのですが、こちらは軒並み5円でした。文庫本より安いじゃないの。ま、仕方がないですが。農文協の月刊誌『現代農業』は先月号でも3年前の号でも同じ10円でした。やれやれ。ま、『現代農業』はネットで読めるので処分することにしました。
古い文庫本などは、昔、本棚にたくさん入れようと厚さを減らすためにカバーを取ってしまってあるのがたくさんあって、そういうものは買うことはできないが、無料で処分させてもらいます、とのことです。


本を売った帰りにコンビニによって缶ビール三本とつまみをいくつか買ったら1500円ほどになり、あれこれ思うことはあるが、ま、今日は書かない(笑)。


若い時は、といっても10代の後半ですが、視力もよかったし、時間もあって、猛烈に本が読めたので、おもしろかった本は何度も再読したり、読了してすぐもう一度最初から読んだりしたこともありました。本屋さんで買えるのなら(ほとんど文庫本ですが)、読んだ本を返却しなくてはならない図書館で単行本を借りる気にはあまりならなかったし、まして本を売るというようなことはまったく考えなかったのだが・・・。就職したら、とたんに読書量が激減しました。それでも蒲団の中に入ってからよく読めました。ところが老眼になってくると、とたんにあきまへんな。まず文庫本の小さな文字が読みにくくなりましたし、老眼が出るということは体力的にも衰えてきたのか、本を持って腕を上げていることがツラクなり、蒲団に横になるとすぐに眠ってしまうというようなことに。
読み終わった本を本棚に並べるということは、いつかまた読むことがあるだろうと思うからですが、私のように途中で職業が変わると、それにともなって読む本の嗜好も変わってきます。もっともどうもあまり農業関係の実用書は勉強の意識が働くのか(?)読めないので(ま、気になることがあると読むのですが)、文芸書が中心なのは変わりませんが。あ、でも「もうこの本はたぶん読まないな」という本もたくさんでてきましたからね。去年から、うん?一昨年からか?部屋の掃除のたびにブックオフにお世話になるようになりました。
昔、どこかで読んだのですが、司馬遼太郎がなにか新しい本を書くときには、資料を大量に買うので神田の古本屋からある分野の本が大量になくなるだの、脱稿するとまた古本屋に大量に戻ってくるだの、ウソかマコトか、そういう噂があるのだ、と読んだことがありました。まあ、あれだけ書きまくった作家ですから、たくさん書くのと同時にたくさん読んでいたことは間違いないですが、そういう噂がたつことは、いい宣伝にもなりますわな。


さて、今、振り返って部屋の様子を眺めてみると、まったくきれいになっていないのは、どうしたことだろう。ため込んだ農事組合関係などの文書類をなんとかしなくてはならないし、確定申告関係でため込んである領収書類もたくさんあるのだが、えーっと保存しておかなければならない領収書は7年でしたっけ?自分で確定申告するようになってもう10年以上になりますが、まだ領収書はすべて残っているのだが、これも処分ですな。だいたい私の部屋の物理的なスペースの問題もありますな。


17日(日)
終日、雪が降ったり、雨になったり、雪が降ったり、降ったり止んだり。おいおい、もう12月も17日かい。いよいよなんですな、あれです、2017年も、ええ、せわしくなってきてますなぁ。しらんてるまに。
今日もお昼に囲碁の番組を見た以外は、部屋の掃除と整理整頓で、本を売りにいく。今日も手提げの紙袋二つと段ボール箱二つ持っていった。1200円ほど。今日は古い文庫本や古い単行本が多かったので、ブックオフではお金になりませんな。96点で1200円ということは平均すると12.5円ですか。なるほど。この96点のほかにお金にならない本もあってそれは処分ということで引き取ってもらうになりました。まあ私も稀覯本を持っていっているわけではないのですが。
今回は『複眼の映像』と『文章術の千本のック』が最高値。あんなに感動したというか感動の記憶がある『永遠の仔』上・下はそれぞれ最安値の仲間に。ああ無情、というか、非情のライセンスですな。だいたいほんのカバーにバーコードのついていない古い本は十把一絡げ(じゅっぱひとからげ)ですな。(と今、変換させようと思ったが、まったく変換してくれないので、変換辞書にないのかと思って調べたら、なんと「じゅっぱひとからげ」を「じゅっぱひとかげら」とずっと記憶してきたことに気付く。うーむ。なんちゅうことだ。私のこの五十有余年。)しかし天童荒太は力のある作家だなぁ、と思ったんだけど、その後は読んでいない。うーむ。


トム・マッカーシー監督『スポットライト 世紀のスクープ』(2016)をiTunesで観る。ピューリッツァー賞に輝いた実話に基づく映画で、アカデミー賞では最優秀作品賞、脚本賞を受賞という作品です。カトリック教会のスキャンダルを暴いた「ボストン・グローブ」紙の話ですな。いやー、俳優はみな僕の知らない人ばかりでしたが、熱い演技でした。これぞジャーナリストという感じです。
最初、みんな取材している人の名前もファーストネームで呼ぶので、誰が誰だったかわからなくなってしまったりしたんですが、徐々にはっきりしてきて、のめり込んでしまって最後の1分間ほどのシーンのセリフには心がふるえました。
ジャーナリストのみなさんには迫力が必要ですね。迫力がなければスクープはとれないし、権力ある、エスタブリッシュな人に切り込んではいけませんね。立場の弱い人の側に立って頑張ってほしいです。