現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

台風に備えてあれこれあわてる。


27日(木)
午前中は籾擦り。ヌカ捨て。籾擦りしているとき、色彩選別機がつまる。
午後は一番にくず米を出荷して、その後稲刈りに。今日から中晩稲の「秋の詩」の刈取りを開始しました。日没過ぎまで稲刈り。秋分の日が過ぎたばかりですが、だんだん日が短くなってきて、日没後はすぐに暗くなってくるので、慌ただしく、サミシクなります。


28日(金)
どうも天気予報では台風がこちらへやってくるらしい。台風24号。困るなぁ。
で、その天気予報が「今日は秋晴れです。この晴れ間を大切に台風に備えてください。明日からは雨です。」なんて言っている。
というわけで、朝から終日稲刈り。台風に備えて出来るだけたくさん刈っておこうというわけで、いつもは乾燥機に入る分だけを刈るのですが、今日はそれ以上に刈ったので、入らない分は軒下に籾を広げました。
その後夕方から籾擦り。暗くなってからヌカ捨て。はい、ヌカというのは籾殻です。ヌカ捨てにいったら、すでにあたりは暗いのですがコンバインのライトをつけてまだ稲刈りをしている農家が二軒おられました。ヒヤカシに来たのかと思われるのいやなので、ヌカ捨てしながら遠くからちょっと見ただけですが、明日からは雨だし、台風は来るし、先日の21号で稲は倒伏していてコンバインのスピードは上がらないし、我慢しながらゆっくりでも刈れるだけは刈っておこう、と思われたんでしょうね。それに自分一人だとツライですが、もう一人同じように暗くなってもライトを点けてしている人がもう一人いるとなんとなく元気が出ますからね。今年は雨でみなさん、なかなか苦労されています。ええ、私もです。



29日(土)
朝から雨。昨日はあんなに秋晴れだったのに。
午前中は籾擦り。米の袋は30.6kgにするのが規定です。米の選別機に計量器が連動していて、新しい袋をセットすると紙袋の重さを感知し、選別した米を袋に入れながら計量し、30.6kgになると自動的に止まる仕組みになっているのですが、これがどういうわけか急に調子が悪くなり、まだ袋をセットしてないのに米が落ちはじめる始末であわてる。掃除をして電源を入れ直したらなんとか復活しました。やれやれ。
籾擦りが終わったので、昨日軒下に広げておいた籾を乾燥機に家族で入れます。籾を箕で掬って乾燥機に入れるのですが、去年までは家族でといっても私と父と母の三人だったのですが、今年は長男が手伝いで加わっていますので、四人での作業。乾燥機の張り込みスピードが速過ぎたというか多過ぎたのでしょう。乾燥機の昇降機や螺旋がつまってしまいました。いやはや。ま、つまったら掃除機で吸い出す、というワザを使って(笑)、なんとかまた動くようになりました。
それから雨の中、米の出荷。袋を濡らさないようにブルーシートで覆って、ロープでぐるぐる巻きにして、フォークリフトで農協へ持っていきました。
午後は土地改良区の総代会へ。乾燥機がつまったので、30分ほど遅刻。
総代会が終わって外に出てきたら雨がちょうど止んでいた。これなら米の出荷もこの時間にすれば良かったのだが・・・。


この三日間、籾擦り関係でトラブルが少しあったが、うまく対処できたし、稲刈りもクログワイがたくさん生えてしまってコンバインが一度ならずつまってしまったけれど、これも少し高刈りすることにしたりして、なんとか対処。
機械が壊れてしまうと部品の調達等に時間がかかってしまって仕事が止まってしまうが、壊れなければ、先日のコンバインが沈んだ件も含めて、ギリギリなんとか対処出来るようにはなっている。何ごとも経験ですな。今年で就農14年目。14回目の稲刈りです。水稲は一年一作ですから、70歳のベテラン農家でも、自分で考えながらやった農業は50年ほど。50回の経験しかないと。なかなか経験が積み上がっていかないもので、「毎年、一年生」と言われたりします。それでもベテラン農家に染み込んでいる経験や手のワザにはかないません。なにがかなわないかって、作物を観る視点ですね。成長しつつある作物のどこに注目して観察するのか。
農作業はなんだかんだで機械化されていますから、コンバインや田植え機やトラクタ等の農機の運転作業の精度ももちろん大切なんですが、農作物の様子を観察して、今、どうしてやるべきか、ということがよくわかる、というのが、とても大切な気がしています。そういうことがベテラン農家には、なかなかかないません。ええ、一番身近なベテラン農家は88の父と81の母ですが、今でも現役で手伝ってくれているので、ありがたいです。
農業というのは、ほんとに一人だけでやっていると、感慨というか、喜びは半減してしまうようにも思います。だいたい一人だけでは作業もなにかとシンドイし。二人になれば、感慨も3倍?。四人になれば・・・クチゲンカが絶えません(笑)。船頭多くして船が山に上ってしまうのは困るので、今は基本、僕の判断をずっと尊重してもらってます。というか、ま、自然にそうなるのですが。というか、そうならなければおかしいのですが。うーむ。話が思わぬ方向に流れてしまった(笑)。


昔は米朝さんでも枝雀さんでも、カセットテープやCDで、落語の音源を集めて聴いて楽しんでいたのですが、今は、YouTubeであれこれたくさん楽しめるので、毎晩のように落語を聞きながら眠るという過ごし方なんですが、このところほとんどマクラだけで寝てしまっていて、本編の噺がわからないという状況になっている。これはこれで困ったことだなぁ。こういう聞き方ではよくないのはわかっているが、・・・。
「今宵はここらでよかろうかい」ということで。