現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

朝の田んぼと『須賀敦子の手紙』


1日(日)
 今日から八月。ふっと暦をみたら、7日の土曜日がもう「立秋」なんですな。いやはや。


 朝はビビ号の散歩。今日はお寺さん掃除やら自治会の会館の掃除やら。
 それから遅れている事務仕事をバタバタと作りはじめる。今年も50ページ以上の書類になりそう。いやはや。





2日(月)
 朝から畦畔の草刈りに出る。10時に戻ってきて朝食。
 午後はすこし精米など。


 今朝の日本農業新聞のコラム。



 須賀敦子須賀敦子の手紙』(つるとはな)を読了。須賀敦子さんはエッセイストであり、イタリア文学の研究者でもあるんですね。この本を読むまで知りませんでした。その須賀敦子さんが友人に出した55通の手紙が写真になって紹介されています。相手の方が残しておかれたのが、ごっそりそのまま出てきたんですね。もちろんきれいな読みやすい字ですので、そのまま読めますし。字が小さくて読みにくいところは活字に起されて読むことができます。ブルーのインクが美しい手紙です。おしゃれで美しい本ですな。須賀敦子さんは知りませんでしたが、読むと文章からその上品さが伝わってきます。上品さというか、人柄ですね。よい本をありがとうございました。
 世の中はペーパーレスの時代となりつつあり、小学生でもパソコンを動かして、インターネットを利用し楽しむ世の中ですから、手書きの文字を見ることも、ほんとに少なくなりました。でもそういう時代だからでしょうか、特別うつくしく、きれいに書かれていなくても、いささかクセのある字でも、丁寧に書かれた手書き文字を見ると、特に自分宛の手紙や葉書などは、なんだかちょっとホッとするところがありますよね。「手を忘るな。」とは開高健が何度も書いている言葉ですが、私もだんだんそういう気持ちになってきています(笑)。
 先にあげた「うなぎのこと無難儀と書きし友を思ひ今年の夏を凌ぎてゆかむ」もやはり手書きの暑中見舞いのような気がします。


 テレビはずっとオリンピックを流しているし、観て応援してしまう。今日は日本対オーストラリアの卓球の団体戦を観ていたのだが、相手の選手が中学校だったか、高校だかの、学校の先生で、生徒さんからの応援も受けているようです、と実況のアナウンサーが紹介していました。あたしゃ、もう胸がキュンとなってしまって、申し訳ないけど、その日本の対戦相手のオーストラリアの選手を俄然、応援してしまいました。今のオリンピックはプロ選手も参加していますし、プロでなくて会社に勤めている人も、会社での仕事はその競技を通じて活躍して会社のイメージをあげたり宣伝することだったり、ということが多いですよね。もちろんそうでない人もいらっしゃるのでしょうけれど。市川崑監督『東京オリンピック』(1965)という前回の東京五輪の記録映画を観ましたが、映画の中ではアナウンサーが時々選手の職業を言うんですな、会計士、大工、機械工、高校の先生・・・、57年前のオリンピックはアマチュアの競技であることがはっきりわかります。57年前のオリンピックではどこかの国の大工さんがマラソンを走っていたんだぜ、すごくない?はい、その学校の先生の選手は日本選手に0:3のストレート負けでしたが、頑張ってました。国に帰ったら生徒さんに東京五輪の様子を語って、子どもたちを大いに刺激してほしいです。
 もうひとつアーチェリー 男子個人で、古川高晴選手が銅メダルでした。アテネ大会から5大会連続オリンピック出場のベテランで、ロンドン大会では銀メダルをとっている選手ですけれど、試合後のインタビューで「うれしさよりも今回の大会は感謝のひと言です。いろんな人に支えてもらい応援してもらいました。大会が中止かもしれないという中で、こんな立派な会場を作っていただき、競技ができて感激です。大変な状況でも努力を続けたら道がひらけることもあると伝えられたらいいです。」なんて最初にそんな言葉がありましたが、メダリストとして、いかにもという言葉ですが、すぐにそのあと「ええ、結婚して、家族が出来たんです。早く家に帰って妻と子どもに見せたいですね。『メダルを取ったよ!』って報告をしたいです。」っておっしゃってました。36歳のオリンピック選手の正直な言葉なんだろうと思いますし、それが一番だと思います。自分の家族に『メダルを取ったよ!』って言える誇らしさ。私なんぞにはなかなか想像できませんが、うらやましいかぎりです。