現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

エイプリルフールの朝と渡辺香津美




 新年度がはじまりましたね。といっても農作業はもうはじまっていますが。
 朝、作業所に向かう時には日の出前だったのだが、作業所についたら日の出となっていました。途中、散歩しておられる方に何人か出会ったが、半分くらいは犬といっしょに歩いておられた。
 種籾の浸種の水の交換。それから昨日の続きで慣行栽培の圃場の畦畔の除草剤散布。10時になると風が強くなってきたので、予報通りだけれど、11時まで散布。
 午後は長男と出芽機を出してきて組立など。

 ギタリストの渡辺香津美意識障害を伴う脳幹出血と診断され入院加療中とのこと。渡辺香津美はよくおしゃべりするタイプじゃなかったし、僕も熱心に聴いてきたわけではないのですが、ずっと天才ギタリストでしたし、仲間のミュージシャンから好かれていたギタリストでしたね。熱心に聴いてきたわけではなかったのですが、なにせ私の青春時代の天才ギタリストですから、なにかと耳に残っています。1979年が『KYRYN』でしたね。1980年が『TO CHI KA』だと。


↑アルバムに写っているみんなの写真が、当然ながら、みな若いです(笑)。「在広東少年」

あわてん坊のタイコウチとミツバチと墓の草をむしったこと


 今日も気温が高い。朝のうちは晴れていたけれど、午後から曇り、一瞬、ポツポツと雨。
 午前中は昨日の続きで慣行栽培の田んぼの畦畔に除草剤をまく。あと刈払機も積んでいって、長い枯れ草が残っているところは刈って倒しました。

 午後、父と母が、母方のお墓参りをして、掃除もしたい、というのでクルマで二人を乗せてお墓参り。お彼岸に、うちのお墓はお参りしたらしいが、母の実家のほうのお墓にはお参りできていないとのこと。父が高齢となりクルマの運転ができないので、こういうことになります。歩いて来たこともあったらしいけど。
 僕もお墓の草むしりをする。うーむ。私は百姓のはずだが草むしりをするのは何年ぶりか(笑)。墓の裏にも回って草むしりしつつ、俗名なんかも確認する。お墓には草が生えないように砂利が敷いてあるのだが、砂利が薄いのか、少し生えてきていたが、三人で抜いたので、10分で終わる。
 そういえば、尾崎放哉の自由律俳句に「墓のうらに廻る」というのがありましたね。放哉の代表句の一つです。放哉が観たのは今のような御影石のピカピカのお墓ではなくて、古い明治やあるいは江戸時代に立てられたお墓でしょう。ま、墓の裏に廻る。たしかに余韻がありますね。などと思いつつ墓の裏で草むしりをしました。
 その帰りに新しい作業所を父と母に見せる。さて。


↑ああ、自由律俳句だなぁ。

 お昼頃、田んぼの畦畔の草を刈っていたら、泥だらけのタイコウチを見つける。ここ三日ほどの高温で冬眠から覚めた越冬のタイコウチらしい。用水路の水で洗ってやって、田んぼに戻してやる。餌になるオタマジャクシとかが出てくるまでには、まだ一ヶ月ほどかかるかも。


 と思って隣をみたら、タンポポにミツバチがやってきていた。ミツバチ?だよね?羽音が録音できていて、なんだか羽音がかわいい。急に暖かくなったからあわてん坊が出てきたんだろうな。冬の間、ミツバチはどうすごしてたんだ?巣の中で、じっとしていたのか。
あわてん坊のタイコウチもミツバチも、自然界は厳しいから、グッドラックと言うしかない。しかし本当はタイコウチやミツバチにグッドラックとつぶやいている私にこそ、グッドラックと言われるべきなのかもしれない。たのむぜ、ほんまに。グッドラック。

機械の組立二日目と暖かい一日


 でもなんですな、私に毛筆の連綿体の美しいかな文字のお手紙をいただいてもすぐには読めませんな(笑)。教養って、なんだろう。

↓乾燥機等の組立二日目。おおむね組み上がりました。そうしてだいたいの位置決めまで。むふふふ。

30日(土)
 晴れて、午後は気温がどんどん上がる。今日の長浜の最高気温は20.5度らしい。

 朝から慣行栽培の田んぼの畦畔に除草剤をまく。午前中はちょっと風がありましたが、午後は風もほぼ収まり、除草剤散布日和。あちこちで背負いの機械で散布されていました。
 数年ほど前までは有機栽培はもちろんですが、慣行栽培でも畦畔に除草剤をまくことはほとんどなかったのですが、お隣の田んぼの耕作者さんからの苦情(田植え時に畦畔に雑草が生えていると田植機であぜ端、どこまで寄っていいのか、わからなくなる。と言われる。)もあり、またこの時期は私も畦畔の草刈りばかりもしていられない時期でもあるので、春の田植え前に慣行栽培圃場では除草剤を使うようになりました。有機の圃場だけなら、草刈りしつつ苗代や代かきや田植えもできそうなので。うーむ。



有機大豆の出荷と畦畔の草刈り。紅梅とサンシュユと馬酔木とオオイヌノフグリとタンポポ

 今日は朝からよく晴れました。風は西風が強く、寒かったですけど。お天気がよかったので、写真が多いです(笑)。
 朝、浸種の水を交換。ま、毎日もする必要はないと思うのだが・・・。
 その後、畦畔の草刈りに出る。お昼まで。

 お昼に有機大豆の出荷で湖北町の上山田のKさんのところへもっていく。有機JASの大豆(「里のほほえみ」)も、無農薬の「小糸」と同じ業者さんに出すことにする。これでなんとか去年に続いて2年連続で有機JASの大豆を出荷できてありがたい。豆腐になるらしいです。わずかですが。栽培技術が安定してきたというところまではいかないが、なんとか出荷できる大豆が取れるところまではこぎ着けました。うーむ。けっこう手間ひまと体力的な無理がかかっているので、どれほどの収益というか所得になるのかはわからないけれど・・・(泣)。ま、それでも今は頑張るしかない。
 上山田に向かう途中の日吉神社に赤い花がたくさん咲いている。うん?寒桜?と思って寄ってみると、なんと八重の紅梅でした。木が大きい。まだ咲いていたんだ。となりには白梅の梅林もあります。その横にはサンシュユの黄色い花が満開!スマホで写真を撮りつつうろうろしていたら、アセビも鈴なりに白い花を咲かせていた。うーむ。やるじゃん、日吉神社
 気を良くしたので、上山田から浅井町の谷口へ抜ける林道、そしてまたそのまま谷口からまた山を越えて西村へ抜ける林道も通ってみる。いわゆる谷口林道ですな。谷口はいわゆる浅井町田根のどんずまりの村なんですが、谷口杉が有名です。杉の銘木の産地なんですな。でその杉の切り出しのために林道が走っているわけです。林道の両脇には大きな杉が林立していますし、実際、西村のちかくの林道脇では伐採が行われていました。
 この林道、何度か通っています。自転車でも、普通車でも。今日は軽トラで。そのまま西村から草野川沿いに帰っても良かったのですが、そういえば谷口の村の中はもう20年以上(もっとか?)通っていないことに気がつき、また林道を谷口まで戻って、谷口から村の中を通って、帰ってきました。天気もいいし、なかなかに林道ドライブですが、なんせ植林された杉林の林道なので、暗いですが・・・。でも雪解け水(?)を集めて谷筋には水があちこちでほとばしっていました。

 もう三月も下旬で春分も過ぎているのに、なんだか早春のような写真(笑)。今日は晴れましたが、このところ雨が多いので、あぜ塗りなんかもなかなかすすまないと、ご近所の農家はみんな心配しておられる気配。

↓今朝の伊吹山。右の一番奥。もうあまり雪がありませんね。

↓今朝の金糞岳。中央一番奥。まだ少し雪がありますね。

日吉神社の奥。鳥居の奥に赤い花が。鳥居の右手は梅林になっていました。もう花はほとんど終わってました。鳥居の左は桜だと思いますが、まだまだです。

↓八重の紅梅でした。

↓さらにサンシュユの黄色い花も満開!



↓馬酔木(アセビ)の白い花も鈴なりで満開!

↓谷口林道を抜けたら草野川にでました。金糞山の雪解け水をあつめて流れています。

↓畦畔のオオイヌノフグリ

↓もちろんタンポポ。うちの畦畔に咲いていましたが、あなたの田んぼの畦畔にはタンポポ咲いていますか?ここ数年、畦畔のタンポポが激減しているような気がすると、去年も書きましたが、やっぱり激減しているような気がします。異常気象のため?除草剤の使いすぎ?うちはまだ畦畔にも除草剤の使用を控えているので、咲いてくれているような気がしています。あなたの田んぼの畦畔にはタンポポ咲いていますか?

 午後はまた畦畔の草刈り。
 夕方、長浜の花屋さんまで、下見にいく(笑)。うーむ。さっぱりわからない。

総会と『十二人の怒れる男』と “Room335”  と鉢植えにしやすいシンボルツリー

 朝から雨。午前中は事務仕事など。
 午後は浅井水田農業研究会の総会。うーむ。まあ、いろいろ問題はありますな。要するに農家の高齢化ということでしょうけれど。

 そういえば、シドニー・ルメット監督『十二人の怒れる男』(1957)を観る。2度目。一度目はレンタルビデオ店が長浜に出てきた頃にレンタルして観ました。うーん。いつごろだ?25年以上前?1957年の映画ですから、白黒映画です。
 ああ、たしかに名作だぁ。と思ったのはよく覚えています。今回2度目だが、あの被告の少年の弁護士はよほどマヌケなんじゃないの?というのが今回の一番の印象かなぁ。あと吹き替え版を今回は観たのだが、ヘンリーフォンダの隣の陪審員の声を大塚周夫がやっていて、それがずいぶん気になりました(笑)。こういう一部屋の中だけの映画だと脚本の力が問われるし、俳優の演技力も問われますね。12人とも素晴らしい演技でしたけど。ラストシーンの、裁判所から出てきて、お互いに名前を名乗りあうあたりが、僕は好みです。
 でもやっぱり名作だなぁ。おもしろかったです。楽しめました。とはいえ、日本では裁判員裁判というのもありますが、裁判員になりたいような、なりたくないような。うーむ。この裁判制度も定着していきたのかな、あまりメディアも今は取り上げませんね。

 ラリー・カールトンの「Room335」は、名曲で大ヒットした曲だけれど、大学に入学した直後。一般教養過程のクラスで新しく友達になった四人のうちのひとりはピアノが弾けてわりと音楽の素養があったのだが、彼は新潟県出身だったので、わりと標準語というか関東圏の言葉を使うのだが「これ、聴いてほしい。」とグイグイと聴かせてきたのが「Room335」でした。フュージョンミュージックで、もちろん大ヒットした曲なので僕も知っていたけれど、ラリー・カールトンは当時足がとても長くて金髪がカールしていて甘いマスクでギターを弾いていたので、てやんでぇ、と何故か思っていたのでした(笑)。
 ま、でも何度聴いてもこの曲は名曲ですね。僕は学生時代はクルマを持っていなかったですが、カーステレオからカセットテープでこの手の音楽を鳴らしながらドライブした輩は多かったはず(笑)。
ジョージ・ベンソンの “Breezin'” (1976) だの、チャック・マンジョーネの “Feel So Good”(1977)だの、リー・リトナーの “Captain Caribe” (1977){作曲はデイブ・グルーシン}、フュージョンというか当時はクロスオーバーと言っていたような気がするけど、ま、ちょっと軽めで気持ちのいい音楽が出始めた頃でした。

↓時間のある時にでもお聴きください(笑)。

 プランター栽培できる樹木をネットで調べていたら、鉢植えにしやすいシンボルツリーというのが出てきた。ちょっとメモしておこう。

現地調査と菜の花の辛子和え

25日(月)
 午前中に有機栽培の現地調査ということで書類やら圃場を実際に観ていただく。この時期なので田んぼにはなにもないのだが・・・。

26日(火)
 昔、お世話になった方の訃報に接する。「縁は異なもの味なもの」なんて、今では落語のマクラでぐらいしか使われない言葉になってしまったような気もするが、やっぱり「縁は異なもの味なもの」という気持ちが自然と湧き上がってくる。あ、いえ男女の縁ということだけでなくて。若いときには気がつかなかったことも、今、こうして振り返ってみて、しみじみ感謝したくなることもたくさんあります。
 春の雨の降る朝です。