辻征夫の『俳諧辻詩集』がいいですねぇ。ああ、俳句が詠みたくなります。これはいい詩集です。いい句集(?)です。詠んだ句の自解が詩になっているのでしょうか。句を詠んだ後のつぶやきが詩になっているのでしょうか。もちろん計算され尽くしているというか、すきのない言葉でとても気持ちがいいのですが、こういう詩というか文章というか俳句というか、そういうものを書きながら歳をとることのすばらしさを思います。
辻征夫氏がどういう生活をしておられたのか、よくは知りませんが世に詩人という人たちがいることのすばらしさ。辻征夫氏はいつの間にかお亡くなりになっていましたが、氏の名前を知ったのは茨木のり子『詩のこころを読む』(岩波ジュニア新書)の中の「春の問題」だったと思います。いやそのはずです。これもいい詩でした。
一冊の詩集を読み終えるこの幸福。
一冊の詩集の中の春の暮