現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

菜の花緑肥の完全無農薬・有機肥料栽培のお米の田んぼに手押しの除草

手押し除草機

菜の花緑肥の完全無農薬・有機肥料栽培のお米の田んぼに手押しの除草機をかけました。写真があればわかりやすいのですが、撮れなかったので、下手な説明イラストで。要するに、稲と稲の条間を二つの羽根車を押して転がすのですね。すると羽根車が回ります。羽根車が回ると土というか泥がかき混ぜられます。で、生えていた草も同時にかき混ぜられあるものは水に浮き、あるものは泥がかぶり、除草されていくという仕組みです。


もう三十年(?)は使われていない除草機です。作業所の二階の奥にありました。一連のやつと二連のやつと二つあったのですが、今回は二連のやつを使いました。でも今の田植え機は条間が30cmと決まっていますが、昔はもっと密植だったのでしょうね、幅が小さいのです。それで二連だけど条間を一回でカバーできないので二回通らないといけません。
それからただ単に羽根車を転がすだけでは羽根車の跡が泥の上につくだけですから、加速度をつけなければいけません。つまり腕でぐいぐいとしゃくるように押すのが、うまく除草するコツだとわかりました。するとうまく泥が跳ね上がって草にかぶさるのですね。


昔は縦横揃って真四角に植えていたので条間も縦横に除草機を走らせたそうですが、今の田植え機の50株植えでは横は20数センチで揃っていませんから、横に除草機を走らせられませんから、どうしても草が残るのですね。
本当は草が見えないうちに一回目の除草をしていくのが基本らしいのですが、ちょうど麦の刈り取り時期と重なってしまって、うかうかしているうちに少し緑色の草が見えてきてしまいました。やれやれ。ほんとは田植え後10日でやるべきなのですが、14日目になってしまいました。田植え後ずーっと深水管理してきたので、それでも雑草は少なめだとは思うのですが、どれぐらいの効果があって、どうなのかというのは、今年初めての経験ですのでよくわかりません。でも10日おきに少なくても3回は除草機をかける予定です。


初めての手押し除草機でしたので、除草機の調節具合がよくわからず、最初は角度の調節のまずさでずいぶん無駄な力を入れてしまいました。何度か角度調節を繰り返して後半は比較的楽に押せるようになりました。おかげで腕がぱんぱんになり、ゴム足袋を履いたので、足の親指と人差し指の間に皮が剥けてしまいました。いやはや。でも二回目以降はもう少し楽になりそう。除草さえうまくいけば、あとは菜の花の緑肥がそのうち効いてくると思うので(たぶん)、そこそこの収量がとれるという計算なのですが・・・。父はこの二週間の苗の色をみて、このままの調子ならうまいこといって反当たり7俵というところやろ、昔は7俵なら豊作やったんやけどな。無農薬とか有機栽培とか、おもしろいけど、世の中と違うことすると、えらいめをせんならんわな。しかし、いったいいくらで売るつもりなんや、などと嫌なことを言う。まだ売り先は全くないのだが、とにかく無農薬でも、有機肥料だけでもちゃんとおいしいお米がとれる(しかも、専業農家としては安定してできるだけたくさん)、ということがあるので、経験は積まなくてはならないのであります。ああ、この経験というのが、米作りは一年に一回しか経験できないので、あれこれ条件を変えて試さなくてはならなくなるのですわな。新進気鋭(?)の百姓としては、ベテラン百姓の父親の嫌みなど、どこ吹く風で頑張らなくてはいけないのであります。


さて、明日、雨は降るのか?