現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

中干しと溝切り


9日(火)
近畿も梅雨入り、平年より3日遅れだとか。


昨日の田回りで五月の連休に植えた田んぼの稲の株が分蘖(ぶんけつ)をして20本前後になっているのを確認したので、今日は、中干しすべく溝切り機で溝を切り、すこし落水しました。
えー、中干しというのはですね、稲の株の分蘖(ぶんけつ、茎の根のところから分かれてどんどん茎がふえていくことです)を抑えるわけです。
田植えはだいたい二本から三本、まあ、平均で三本の苗を植えるようにしています。一本植えもありますし、四本、五本と太植えになっているところもあるでしょうが、まあ、平均で三本というあたりになるように調節しています。それが田植え後20日後あたりからどんどん分蘖をして20本くらいになるわけです。
ところが、どんどん分蘖をさせてしまうと、株がおおきくなりすぎるわけです。
生き物は何でもそうらしいですけど、よい子孫を残すこと、その可能性を広げることを第一義として生きていますから、大きな株にして、たくさん穂(つまり種)をつけたいのですね。でも田んぼにある栄養素というか、田んぼの持っているエネルギーは限られているわけですし、たくさん穂をつければ、一つの穂や一粒の米に回される栄養素は少なくなるわけです。そうすると充分におおきくなれない米が出来てきます。
そこで株を少し抑え、穂の数を抑えることで、一粒の米に回る栄養素、エネルギーをおおきくするわけです。
そうなると収量はずいぶん落ちるような気になるかもしれませんが、米の収量というのは、選別網を通り抜けてきたお米を計るわけです。たくさん穂が出来ても充分におおきくならず小さな米粒だと、選別網からたくさん落ちてしまうことになります。つまりたくさん穂が出来てもそれがすぐに収量アップとはいかないのですね。穂が少なくてもそれぞれが充分におおきくぷっくりとしていれば、選別網から落ちることはありません。だから収量もどうなるかわからないし、お米の味で言えば、無駄な未熟米がたくさん出来たものより、しっかり一粒一粒に栄養素が行き渡ったほうがおいしいことはすぐにわかりますよね。じゃ、たくさん肥料をやればいいのかというと、今度は稲が倒れてしまったり、味が落ちたりするので、ちょうどいい案配の量というのがあるのですね。
とうわけで、田植え第一弾の五月の連休に植えた分は分蘖を抑えるために中干しに入りました。


でも先日植えた無農薬有機栽培米は中干しらしい中干しは出来ないと思います。田植えしてからなかなか菜の花の緑肥の効果が現れてくるのに時間がかかるので、ゆっくり分蘖するんですよね。だから観察は怠れませんが、あまり意識的に干す必要もないみたいです。


iPhone 3G Sが発表されましたね。うーむ。ますますかっこいい感じ。うちのiPhoneも早くiPhone OS 3.0にアップデートしたい。6月17日からアップデートか。


10日(水)
午後から雨が降るという予報なのなので、朝から昼すぎ14時まで、中干しができるように溝切りをしていく。なんとか雨が本格的に降る前に第一弾の田植えの分は溝切りが出来た。
やはり深水でずーっと管理しているところは雑草が一本も生えていない。


たくさんの生き物を目にすることが出来る。カエル、オタマジャクシ、ゲンゴロウ、ヘビ(抜け殻も多数)、タニシ、カワニナヒル、ミミズ、ミジンコ、ヤゴ、クモ類・・・他にもなんだかたくさんいたような。自分の田んぼにたくさんの生き物がいることが何だかうれしい、もっと気温が上がってくればトンボ類も飛んでくると思うのだが。


WWDCのキーノートを観る。やはりジョブスがでないと散漫な感じがする。