現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

籾擦りも終了

今朝の田んぼ

30日(木)
朝から雨が降ったりやんだり。でも午後には上がる。
午前中は籾擦り。籾擦りのあと作業所の軒下にひろげておいた籾を乾燥機に入れる。この秋最後の乾燥作業となります。


それからまだ予約のシステムをきちんとしていないのに、メールでお米の注文をいただいていたので、精米して発送。ありがたいことです。



午後は木ノ本の富田酒造で「七本鎗」の純米大吟醸純米酒を一本づつ購入。帰りに高月の雨森を通る。東アジア交流ハウス雨森芳洲庵の目の前まで行ったが、中には入らず、美しく手入れされた雨森の集落をぐるりと散策して帰る。「湖北の村からアジアが見える」というのが、芳洲庵のキャッチフレーズです。最近の尖閣諸島のあれこれや北朝鮮の後継者のことなど東アジアのことが新聞の1面を踊っていますが、なんだかよくわからないなぁ、というのが本当のところです。やはりそれは世襲の親子一族による独裁政治だの、中国共産党一党独裁だの、そういう政治の仕組みで、本当の国民の声というか、自分と同じレベルの国民の声がよくわからない、というのが大きいような気がします。
独裁政治だの一党独裁だのという政治の裏では常に権力闘争がひしめいていることだろうと想像できるのですが(まあ、これはどこの国でも同じかもしれませんが)、いつもそういうことを思うとき頭に浮かんでくるのがジョージ・オーウェルの『動物農場』です。スターリンの、というかスターリニズムの寓話ですけれど、それだけに限らず、いろんなところに当てはめることができる寓話として傑作でしょう。開高健が絶賛していました。それに釣られて読んでみて、ふるえるようなおもしろさで、二度三度と繰り返し読んだのですが(角川文庫の翻訳です。)、その原文が就職の時の英語の試験にでて、むふふふふ、と思ったという話は、以前にも一度書きましたね。


エリック・クラプトンの『Clapton』というアルバムがiTunesに出ていたので、ざっと全曲聞いて「Autumn Leaves」のみ購入。うーむ。それからiTunesでつづいて『Complete Clapton』というベストアルバムをクリックしてしまう。考えてみればクラプトンの曲はほとんどレコードで持っていたので、『Unplugged』ぐらいしかここ何年も聞いていなかったのだ。ああ、レコードの「レイラ」やら「アイ・ショット・ザ・シェリフ」を聴きたいなぁ。


1日(金)
今日から10月。最後の籾擦り。
えーっと、内緒にしていたわけではないのですが、今日の籾擦りした米は菜の花緑肥の完全無農薬有機栽培米「秋の詩」なのでした。
というか、最初は計画していなくて、菜の花を緑肥にして化学肥料をまったくいれずに栽培するつもりだったのです。つまり菜の花緑肥で元肥代を浮かそう、と。ところがですね、菜の花の分解される有機酸の効果を期待して、除草剤も入れなかったのです。深水管理をすればなんとかなるかも、という期待です。これが大当たりで中干し後にはすこし雑草が生えてきましたが、それまではほとんど雑草が生えませんでした。もっとも「秋の詩」の稲の株の分蘖もいささか抑えられて分蘖も少なかったのですけれど。
穂肥の時期、他の「秋の詩」の田んぼでは半分化学肥料半分有機肥料というのをやるのですが、もうこうなったら、菜の花と去年の秋にまいた発酵鶏糞の力を信じて穂肥もふらずにおいたのでした。
結果、たぶん、肥料分が足りなかったと思います。他の「秋の詩」より早く葉色が落ちて黄色くなってきました。収量は反当たり7俵ほど。「コシヒカリ」の無農薬有機栽培米よりは多くなりましたが、他の「秋の詩」からは2俵から2.5俵収量が落ちました。やはりコシヒカリより窒素分がたくさん必要な「秋の詩」ですからもうすこし発酵鶏糞が多くてもよかったのかもしれません。このあたりが難しいところです。