現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

小麦を唐箕であぶる

唐箕

プハーッ!ビールが旨い。体がふるえる。


雨があがって、朝から蒸し暑い。
田回りをしていたら、この土日のうちに、畔にたくさん穴を開けられている田んぼがあった。この時期、田んぼの野ネズミやモグラも子育ての時期なのだろうか。やれやれ。穴を見つけては藁やら草をむしって穴に詰め、土や泥を塗って穴を埋めて歩く。


小麦のあとには大豆を播種するので、切ってある溝に溜まっている雨水が流れるように尻水戸の溝をさらえたりする。うーむ。


軽い昼寝のあとの午後、先日刈り取った麦を乾燥機に入れていたのが、そろそろ良さそうなので、唐箕にかけてあぶって、来年の種として残しました。
木製の唐箕は最近では民俗資料館で見かけたりしますが、うちではまだぎりぎり現役です。もう釘ではうまく補修できなくなって、ガムテープであちこち補修してあったりしてます。
収穫してきた米や麦や豆には当然ながら葉っぱや茎や雑草の種とか雑草の鞘とかいろいろなものが混じっているわけですね。そこで唐箕(とうみ)の登場。唐箕というくらいですから、中国で発明というか開発されたのでしょうね。
原理は簡単で、上から穀物をゆっくり落としていき、そこへ手回しで風を送って、軽いゴミは外へ飛ばし、重たい穀物だけを一番樋、二番樋で受け止めるということになります。一番樋は重い穀物、二番樋は軽い穀物と少々のゴミというところです。

この民俗資料館級のうちの木製の唐箕で、麦の種を選別しました。唐箕は風で選別しますから、風選ということになります。いやはや、大汗をかきました。麦の比重とカラスノエンドウの黒くて小さい種の比重が近いのかなぁ、風選ではなかなか微妙な選別具合なのです。軽いゴミはもちろん飛んでしまうのですが、二番樋にカラスノエンドウの種が落ちてくるんですよね。で、手回しの加減で、一番樋にもカラスノエンドウの黒くて小さい種が落ちてくることがあったり。これは種ですから、秋に播くわけです。最初から雑草の種を一緒に播いていたのでは、麦が雑草に、カラスノエンドウに負けてしまいますから、実際のところはシビアな作業になるのです。
折しも湿度は100%かというような蒸す梅雨の晴れ間。手回しのハンドルを回すと汗は全身から吹き出し。ポタポタと乾燥したばかりの麦の上に落ち出して、慌ててタオルで鉢巻をしてみたものの、汗は全身から吹き出しているものですから、何枚もタオルやTシャツを着替えつつ、麦茶やスイカや冷たい牛乳を飲みながらの作業となりました。


そんなこんなで田回りのあと、ビールを飲んだのですが、旨かったです。いやはや。