現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

奉納子供相撲大会と雨といろいろ


15日(水)
籾擦りをしているときに天気予報を確認したら、夕方から雨が降るかもしれないという予報だったのには、びっくり。
いつものように僕と母が籾擦りをしているのを待ちきれぬように父がコンバインで稲刈りに出かけました。
米の選別のときに出るくず米を業者が取りにきたりして、ちょっと時間がかかって籾擦りは午前中までかかってしまう。
お昼ご飯を食べて、すぐに稲刈りに出ましたが、予報とは裏腹にときどきなんだかしぐしぐと小雨が降りかかってくるような妙な天気。
急いで稲刈りをなんとかして本降りになる前に今日の分の稲刈り終了。ありがたい。


夕方から氏神さんの秋祭りの灯明祭と奉納子供相撲大会。灯明祭は今年は有志の方が「灯りの祭」ということで工夫を凝らして下さって、とてもきれいなすてきな灯明祭となりました。一眼レフを持っていかなかったので、灯を撮る、という工夫が、iPhoneではさすがに役不足でうまく撮れなかったのが残念。


百姓としては、一日の仕事を終えて、シャワーを浴びて、夕方から神社に参拝をして、一年の収穫の感謝を頭を垂れて胸の内に申し上げ、奉納子供相撲大会の応援となりました。次女の尻相撲も次男の相撲も初戦で負けてしまって、残念でしたが、子ども達の元気な様子を氏神さんは喜んで下さったことと思います。というか、地域のみんなが喜んだのですが。


この奉納子供相撲大会は僕が小学6年生のときに始まったので、もう37年ほど続いていることになります。僕は第一回大会の5年6年の部の準優勝でした。優勝決定戦で、何度もH君の上手投げを片足でトットットとのこして何度も拍手を浴びたのを思い出します。って、イメージ美化してるかなぁ。最後、どうやって負けたのかは覚えていないのですが、寄り切りかなぁ。
次男は同級生の一緒に野球をしている友人に大外刈りのような足技でひっくり返されましたが、いろんな経験を積んでほしいです。相手を倒す経験もひっくり返される経験も。


16日(木)
雨の音で目が覚めました。起きてテレビをつけたら、大雨警報が出ている。やれやれ。
稲刈りはできない。
ゆっくり籾擦りをして。午後は米の出荷やあれこれ銀行でお金の出し入れ。それから田回りして「秋の詩」の田んぼの尻水戸を切ったりする。


「ほぼ日」で革職人のアンリ・ペグランさんと陶芸家の福森雅武さんとを交えた対談(というか、宴会の様子)もおもしろかったけれど、この宮本茂さんとの対談もおもしろいなぁ。昔、対談の名手といえば吉行淳之介だったりしたのだけれど、えーっと僕は個人的には開高健の対談ものも好きでした。
対談の名手というのは、要するに、相手の話をちゃんと聞いて、相手の考えていることを引きだしてやる、ということなんでしょうけれど。だって、思ってはいるけれど、うまく言葉にできない、ってことよくありますよね。てか、そういうことばかりなんですけどね。
よく既婚の女性の悩みの一番は夫が自分の話を聞いてくれない、ということだったりしています。今日のお昼のワイドショー番組で理想の夫の一番は話を聞いてくれる夫でした。うーむ。


ほとんど毎日ビール「のようなもの」(リキュール 発泡性 アルコール分5%というやつですな。)を飲むのですが、いえ、たまにちゃんとしたビールも飲むのですが、「金麦」と「クリアアサヒ」「麦とホップ」がお気に入りでしたが、先日来、キリンの「コクの時間 贅沢麦」というのが大変気に入りました。


さて、今日は比較的午後早く仕事を終えることができので、パソコンの前に座って横を見ると、9月8日の朝日の朝刊がありました。一週間以上も前の新聞ですが、トップ記事が『農業人口 5年で22%減 平均65歳 下落率最大 260万人』という見出しだからとっておいたのでしょう。農業センサスの調査(例の僕が地域を回った調査です)ですが、予想された結果とはいえなかなかショッキングな数字なのですが、ここでも世間の反応はまったくないですね。農業に関する世間の関心の薄さそのものなのでしょうけれど。


同じ8日付の新聞の5面の政策ウォッチというコラムに「米価下落 防止策なく農家の不安の拡大」というタイトルが踊っています。日本農業新聞では連日このテの見出しが躍っているのですが、この秋は米のだぶつきで米価が下落し続けているのです。うちの農協の仮払金というのか、概算金というのかも激しく下がってしまいました。いやはや。
農協は本当ならもっと激しく抗議して、講義もし、説明して、米価下落に対して大声をあげてほしいところですが、みなさんのところには聞こえてきているでしょうか、私のところにはまったく聞こえてきていません。いえ、農業新聞には抗議の意見や全中の会長が、どこそこでこんな話をしたという記事は載っていますが、抗議や説明は国民に聞こえるようにやってもらいたいものです。
農業人口が減ってくれば、農業の記事がニュースにならなくなります。農業人口が少なくなれば、それは農業政策で票がとれなくなるということですから、政治家の農業への関心も少なくなるでしょう。


明日は完全無農薬有機栽培米の稲刈りをします。