現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

甘蔗珠恵子『まだ、まにあうのなら -私の書いたいちばん長い手紙』

甘蔗珠恵子『まだ、まにあうのなら』

蒸し暑い1日でありました。


あちこちでWWDC 2011のレポート・解説記事が出てきています。新しいOS X Lionは2600円!ちょっと楽しみ。Magic Mouseの指2本の素ワイプは使っていなかったのだが、刺激されて使ってみたのだが、safariで前の画面に戻ったり進んだりできて、びっくり。なるほど。そうだったのか。と納得。iCloudも便利そうだけど、行動予定や住所録、メールの他いろんな文書までAppleにあずけてしまっていいのか?という気持ちはなかなか消えないが。


甘蔗珠恵子『まだ、まにあうのなら -私の書いたいちばん長い手紙』(地湧社)と『アヒンサー 未来に続くいのちのために原発はいらない 第1号』(PKO法「雑則」を広める会)を読みました。
本当はもう少し早く読んでいたのですが、ちょっと心がざわついたので、うまく書けそうになくて、どうしようか、と思っていたところです。
地震津波による福島の原発事故が起こってしまったのですが、「まだ、まにあうのなら」は「もう、まにあわない」となってしまったのでしょうか?
日本の事故をうけて、ドイツが脱原発にすすむことになりました。日本は情けないことに相変わらずドタバタしています。第二次産業界、第三次産業界からは反発もあるでしょうが、脱原発をすすめていかないといけないように思います。
甘蔗珠恵子『まだ、まにあうのなら -私の書いたいちばん長い手紙』は実に素直なまっすぐな、一人の母親としての気持ちがストレートに書かれている名文でした。50万部!のロングセラーになっているのもうなずけます。『アヒンサー 未来に続くいのちのために原発はいらない 第1号』は資料編(原発、7つの本当のこと)が特によかったです。
政府・東電・保安院の発表はあとからいろんなウソや隠蔽がわかってきて、愚蒙愚昧無知蒙昧な国民大衆が混乱しないように、とお考えくださったのかもしれないが、これほど自国民を信用していない政府や組織もないわけで腹立たしいやら情けないやら。

今朝の朝日新聞天声人語
 虫好きの少年を通して命の尊さを描いた『クワガタクワジ物語』(中島みち著)に、主人公の太郎が縄文時代の子を思う場面がある。「シカかなんかの皮のふんどしをして、これとおんなじクワガタと、遊んでいたのかなあ」▼数億年前に現れた昆虫は、生き物の種の過半を占める。『虫の文化誌』(小西正泰著)の表現を借りれば、人類はずっとあとから「昆虫王国」のただ中に生まれてきた▼縄文時代の晩期、2500〜2800年前のノコギリクワガタが、ほぼ完全な姿で奈良県の遺跡から見つかった。「王国」の片鱗である。大型昆虫がきれいに残ったのは、泥中に密封されたためらしい。雄々しく曲がった大あごは現生種と変わらない▼太郎がクワジと名づけたコクワガタは冬を二つ越したが、ノコギリの成虫はひと夏限りとされる。その命が一閃したのはどの年なのかと、黒光りの個体に問うてみたい▼虫を愛でる文化は古く、平安貴族もスズムシやホタルを楽しんだ。だが、あらゆる生き物と共生した縄文人ならば、クワガタとて「挟まれると痛いやつ」以上のものではなかっただろう。子に遊ばれはしても、店先に並ぶことはない。〈鍬形の値札引きずり売られけり〉渋谷雄峯▼人であれ虫であれ、生まれ合わせには運不運がつき物だが、損得を超えて確かなことがある。支配者を気取る一つの種の都合で、動植物が振り回される時代はそれほど続くまい。この夏、虫たちは放射能も知らずに飛び回る。合わす顔がない。



われわれがが土と水を汚してしまったことは、この夏の虫たちにも、それから子どもたちにも、これから生まれてくるものたちへも、まったくもって合わす顔がないのである。