現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

溝切りして落水と奥本大三郎先生『完訳ファーブル昆虫記』の完結

三田村敏正・平澤桂・吉井重幸著『水生


朝は田回り。それから午前中は精米など。
お昼前に溝切り機を準備する。
午後は溝切り。5月連休植えの「コシヒカリ」の圃場の溝切りをする。で、溝を尻水戸とつないで落水。中干しに入ります。明日は5月連休植えの「秋の詩」の圃場の溝切りをする予定。
あ、画像に写っている道具はホリと呼ばれるものですが、もちろんホリで溝を切ったわけではなくて、古い田植え機を改造した乗用の溝切り機です。ホリを使ったのは、溝と尻水戸との間の数メートルだけです。


溝切りをしていたら、たくさんトンボを見る。シオカラトンボも一匹見つけた。多くはムギワラトンボのような感じだったけど。あとイトトンボの仲間もいくつも見かける。どれも小さい。
ゲンゴロウやミズスマシ、ヤゴ、オタマジャクシ、それからゾウリムシなどの微生物関係。なかなか生き物をたくさん見かけるとうれしくなるし、「賑やかな田んぼ」などとつぶやいてみたくなる。でも熱帯の賑やかさ、華麗さにはかなわない。温帯モンスーンのいささか地味なんだけれども賑やかな田んぼです。


先日、『新カミキリムシハンドブック』がおもしろかった、と紹介したが、今日は三田村敏正・平澤桂・吉井重幸著『水生昆虫1 ゲンゴロウ・ガムシ・ミズスマシ ハンドブック』(文一総合出版)を紹介したい。これはハンドブックとあるが、まあ、ゲンゴロウ・ガムシ・ミズスマシの丁寧な図鑑です。このハンドブックを眺めていて、すぐに気がついたのが、以前から『風の谷のナウシカ』の腐海に、その腐海を守っている蟲みたいな虫がいる、と何度か書いたのですが、このハンドブックを眺めたら、その「腐海を守っている蟲みたいな虫」がゲンゴロウの幼虫であることがわかりました。なんだか、おおお!!と思いました。やっぱり幼虫の姿って大事なんですよね。ええ。芋虫とか、そういうのはわかりにくいですからね。
うーむ。文一総合出版、頑張っているぜ。



そうそう忘れていたけれど、6月20日火曜日の読売新聞の文化欄に奥本大三郎先生の『完訳ファーブル昆虫記』(集英社、全十巻・20冊)が完結した、という記事が載っていた。おおおおお!と唸ってしまったぜ。
記事にもあるように、だいたいこの完訳の仕事は、最初、文芸誌「すばる」ではじまったのです。当時僕はどういうわけか「すばる」を毎月定期購読していて、定期購読しているだけで、ほとんど掲載作品は読んでいなかったのだが、奥本大三郎の『ファーブル昆虫記』だけは、読んでいました。わりと載らない月もあったような気がしています。何におどろいたかって、奥本大三郎先生の脚注です。とにかく注が詳細で、おもしろかったのです。ファーブル昆虫記は1873年に第一巻が出版されたものなので、必ずしも現代の昆虫学というか科学からすると、間違いなんかもあるんですが、そういうところをきちんと注をつけておもしろおかしく解説してあるんですね。あれからもう30年も経ってしまったのかという、驚きも感じています。
これまで順次刊行されてきた本を何度も本屋さんや図書館で手にしています。その度に、ま、全部揃ったら・・・、と思ってきたのですが、ついに揃ってしまいました。さて。どうするか。一冊3500円ほどするし。20冊あります。さて、どうするか。どうするも、こうするも。先立つものがないのだが・・・(笑)。be in financial difficulties. 手元不如意。うーむ。なにか大きな理由がないと買えない。って、一冊づつ読めるだけ、読んだだけ、買えばいいんだけど。