現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

ラジオの泣けた朗読とちがいのちがい


終日、雨模様。
たまたま聴いていたNHKのラジオのラジオ文藝館という、朗読番組を途中から聴いたら、もう泣けてきてしかたがない。
いったいこれは誰のどういう作品なのか・・・と、藤沢周平みたいだが、藤沢作品はすべて読んだので、たぶん違うだろう。ひょっとして森鴎外?いやいや、もっと文体がやわらかい。誰だ?ネットで調べてみると、山本周五郎の「箭竹」という作品らしい。新潮文庫の『小説 日本婦道記』からの朗読で、朗読は石澤典夫アナウンサーということでした。
なるほど。婦道という言葉も死後ですが、賢い日本のお母さん方の頑張りや知恵や誇りが今の日本の繁栄の礎であることは間違いないことですわな。舞台は江戸時代。将軍家綱は、諸国から献上された弓矢の中に「大願」という文字のあるのに気づく。それは、三河の国・岡崎の水野けんもつ忠義から献納されたものだった。矢に「大願」の二字を彫っていたのは、水野けんもつ配下の茅野百記の妻・みよだった。茅野は、18年前、役目のさなかに刃傷におよび、妻や子に会うこともなく、切腹して果てたのであったが・・・。というような話。
あんまり泣けて、いい話だったので、昼前に時間外取扱の郵便局によった帰りに本屋さんに寄ったのだが、今どきの本屋さんでは山本周五郎の文庫本は置いてありませんね。いや、何冊かは合ったのですが『小説 日本婦道記』はありませんでした。アンソロジー山本周五郎(山周・ヤマシュウとファンは言うようですが)の「糸車」が入っているのがあったので、購入。他に宮部みゆき「鬼子母火」、池波正太郎「この父その子」、高田郁「漆喰くい」、平岩弓枝「親なし子なし」が入っているので、これはこれで楽しみ。
ついでに

も購入。でも図書館で山本周五郎の本は探さないといけませんな。


次男と次女の授業参観に出る。次女は音楽の授業で合唱と合奏の発表。次女も張り切って演奏していました。中学の次男は道徳の授業で「ちがいのちがい」。運動会で男子は3km、女子は2km走りました。こういう違いは○か×か。Aさんは健康でいつでもどこへでも一人で旅行に出られます。Bさんは足が不自由で車椅子ですから、一人では自由に旅行には行けません。こういう違いは○か×か。日本人の平均寿命は76歳。アフガニスタンの平均寿命は45歳。こういう違いは○か×か。ある学校では名簿は男子が先、女子が後、ある学校では男女が混合の名簿、こういう違いは○か×か。18歳にならないと自動車の運転ができない。高校を卒業すると車の運転はできるが、中学生ではできない、こういう違いは○か×か。
○か×か、というのはいいと思うか悪いと思うか、ぐらいのことなのだが、あれこれ意見が出て面白かったです。とくに車椅子のことについてはあれこれ意見が出ました。
僕はあれこれ中学一年生の意見を聞きながら、世の中には我慢できることと我慢できないことがあるよなぁ、でも世の中の見聞が広くないと、我慢できないこと、我慢する必要がないことも、我慢させられたりするのはつらいなぁ、と考えたり。
うまく書けないけれど、どうにもこうにも、しようがないので、厳しい制約の中で、頑張るしかないこともあるし、なにがどうであれ、頑張っている姿は立派だと思わないずにはいられないし、そう思わないといけないわなぁ、と考えたり。
人間はなかなか他人のつらさは理解できないものだなぁ、どうしようもなく自己中心的なものだなぁ、と考えたり。
わがままにならない程度に、自己中心的な考え方でなければ、生きてもいけないわなぁ、と考えたり。