現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

菜の花の鋤き込み


朝はプール苗代の下張りと黒いシートを外して水を入れる。
午前中はこなし作業。
午後は菜の花を田んぼに鋤きこんだ。インターバル撮影してみました。


菜の花を播いた田んぼは小学校の隣の田んぼなのです。画像でも右の方に見えているのは運動場です。
午後三時前から始めたのですが、黄砂の影響で空がはっきりしないのが残念。ここは四枚の田んぼで菜の花を播いたのですが、時間の関係で三枚しか鋤き込めなかった。
カメラで撮り始める前なので写っていませんが、田んぼにいくと若いお母さんがベビーカーに赤ちゃんをのせて写真を撮ったり、日向ぼっこしたり、赤ちゃんに話しかけたり、しばらく菜の花を観ておられました。そうだよなぁ、こんなきれいな菜の花、子どもには見せたくなるよなぁ。
1分19秒あたりで右側から先生二人が小学生を引率してこられます。菜の花や畦畔のタンポポの観察みたいでした。
1分44秒あたりから低学年の子どもたちが下校してきました。
1分50秒あたりから子どもを自転車に乗せた若いお母さんが左から登場して、その後も携帯のカメラで盛んに菜の花を撮影。
1分53秒あたり。1枚目を鋤き込み終わって、鋤き込もうとする二枚目の田んぼをまだ子どもたちが観察しているみたいだ。僕も先生と子どもたちが観察している菜の花をぐしゃぐしゃと鋤き込んでしまうようなことはできないので、「菜の花の観察ですか?」と先生に声をかけてみる。
「すみません、あんまりきれいなので、子どもたちと観にきたんです。もうすぐ終わりますので。」
「いえ、僕の方はぜんぜん急いでいませんので、ゆっくりどうぞ。」
「じゃ、ちょっと聞かしてもらってもいいですか。倒してやありますけど、この菜の花は、やっぱり景観保護とか、そういう菜の花ですか?」
「あ、いや、景観保護にもなればいいんですが、基本的には鋤き込んで肥料にするんです。無農薬で有機栽培のお米を作るんです。」
「あ、有機の。職員室でもね、こないだから、きれいなので、菜種油をとらあるんやろか、景観保護の菜の花なんやろか、ってしゃべってたんですよ。みんなぁ!このきれいな菜の花、肥料にさあるんやて!」
「油粕とかもいい肥料になってるでしょ、それに田んぼに雑草も少し生えにくくなるんですよ。」
「へー、そうなんですか、いいですねぇ。すみませんね、お邪魔しました。」
というような話をして、教室へ戻っていかれた。
二枚目を鋤き込んでいると、田んぼに一番近い教室から、一人の男の子が出てきて、両手を振っている。「花を鋤き込んで倒してしまうなんて、やめてくれ!」なのか「トラクタすごい!オッチャンカッコいい!」なのか、よく判らなかったが、トラクタから笑い返してやった。そしたら先生が教室から走り出てきて、すぐに教室に連れ戻されていった。
3分56秒あたりから高学年も下校してくる。
だんだん、画面が少しづつ暗くなってきているのは、カメラの露出が固定しているので、陽が傾いてきているからなのですが、実際の眼にはまだまだ明るいのです。
しかし、なんだなぁ、先生にこれから鋤き込むので、子どもたちに中に入ってもらって観察してもらってもいいですよ、と言えば子どもたちも喜んだろうになぁ。失念しておりました。中に入るとアブやハチの仲間がブンブン飛び回っているんだけど、その羽音が聞こえるんですよね(あ、いや、虫の羽音が喧しいのは、天気の良い午前中なんだけど)。菜の花は匂いも強烈だし、青空、菜の花の黄色、虫の羽音、傾く太陽、暖かさ、そういう記憶って忘れないというか、ふと思い出すものだし、大きな宝になるような気がするんだけど。


でもYouTubeFacebookでは画面が小さいので、細かいところまで見えないかも知れませんね。まあ、しょうがないけど。


あ、動画のBGMは、川村結花『わかり合えなくてもいい』 (1996)です。川村結花、最近どうしているんだろう。川村結花がDJをやっていた深夜のFM放送とか聴いて笑ったり泣いたりしていたけど、あれは何年頃なんだ?って、調べたら1995年から1998年頃か。『夜空ノムコウ』がヒットする前までだったんだなぁ。うーむ。
今日は鋤き込む前の菜の花の周りに先生と小学生の他に若いお母さんが二人きてくださっていたので、いつもとは趣向を変えてみました。川村結花って、曲もいいんだけど、詞もベタだけど、ちょっとリアリティがあるような気にさせられる。
だれかと一緒に菜の花畑を眺めたいような若い人や子どもに菜の花を見せたいような若いお母さん、もしくは喧嘩の絶えない夫婦におくります(笑)。


 ♪やっぱり興味もてないの
 棚に並んだビデオや寝起きにかけるあの歌や
 あんまりあなたいつだって熱を込めて話すから
 それでもうなづいてはいたけど
 こんな風でいいのかしら
 やってゆけるのかしら
 何度か不安な時もあったけど
 わかり合えなくてもいい
 なにもかにもすべてなんて
 そんな風に思えるまで三年もかかった
 他の誰にも見せないカッコ悪いあなたごと
 じつはこんなに好きでいる私を感じてて


 仕事の後の待ち合わせ
 遅れないよと言ったのに
 結局今日も待たされた
 飲めないことは知ってても
 正直たまにつまらない
 私一人でいい気分でも
 こんな人は勘弁とあなたに出会う前は誰かに話してた気もするけど
 わかり合えなくてもいい
 なにもかにもすべてなんて
 一番大切なことは、そばにいたい気持ち
 ちょっと嫌いなくらいが長く続くこともある
 だからゆっくり歩こう、喧嘩しながら


 誰かの色に染まり生きていくことが幸せ、そんな人もいるけど
 わかり合えなくてもいい
 なにもかにもすべてなんて
 そんな風に思えるまで三年もかかった
 他の誰にも見せないカッコ悪いあなたごと
 いつもこんなに好きでいる私を感じてて


 わかり合えなくてもいい
 なにもかにもすべてなんて
 一番大切なことは、そばにいたい気持ち
 ちょっと嫌いなくらいが長く続くこともある
 だからゆっくり歩こう、喧嘩しながら
 ゆっくり歩こう、喧嘩しながら


はい。若い時は、すべてわかり合えると錯覚しますからね(笑)。
僕はどうもこういう歌詞のような思いを胸に秘めているような女の人が好きなのかも知れない。それからもし僕がCMディレクターだったら、生命保険のCMの音楽にこの曲を採用すると思います(笑)。


さて、とってもいい菜の花になりましたので、この後はゆっくりじっくり土になっておいしいお米になるのを助けてほしいと思っています。