現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

2回目の播種と伊藤比呂美『閉経記』読了


午前0時に止めた催芽機。明るくなって午前5時に見にいったら、ちょっと催芽不足か。もう二、三時間温度を上げておいても良かったかもしれないが、今となっては手遅れなのである。
さっそく播種の準備。午前中は播種。順調に播種できたのだが、すこし芽が出ていない籾が多かったからか、苗箱あたりの播種量が増えて、苗箱の枚数が予定より少し少なかった。苗箱一箱あたり乾燥籾で100gの予定だったのだが、110gから120gほど種籾が落ちていたもよう。播種の前にテストして確認したのだが、・・・。うーむ。ま、田植えの時に調節するしかありません。


午後は地域のまるごと保全隊の活動で用排水路の機能診断というか、点検作業で、地域の田んぼをあちこち歩く。歩き回ったあとに、慰労で一杯が出たので、なんだか明るいうちなのに心が盛り上がってしまう。地域の役員さんとあれこれ大いにしゃべって飲んで高揚する。


伊藤比呂美『閉経記』(中央公論社)読了。大いに楽しめました。伊藤比呂美ワールドです。文体にスピード感があります。毎回4ページのエッセイなのですが、これが笑えるんですなぁ。本の帯には瀬戸内寂聴さんが「閉経前後こそ、女一生一瞬の妖花である。」と宣伝しておられます。そんな話を男が読んで楽しめるのか、とお思いの貴兄もおられるかもしれませんが、伊藤比呂美は無頼です。昔から、若い時から。というか詩人ですから。無頼です。カッコいいです。どこか僕の中では金子光晴と共通するところがあるのですが、金子光晴よりポップです。閉経とは関係のない若い女性にも、それから男性にもオススメです。


学生の頃は、読んでいる本によく赤線だの青線だのを引いていた頃があった。あの頃は、ぐっとくる表現。笑える文体。めまいがするようなカッコいい文章によく出会ったのだが、最近はめっきり本に線を引かなくなった。というかペンや鉛筆を持って読書することがなくなった。でもときどき、たまに、ふいに、グッとくるような、笑えるような、めまいがするような表現に出会うと、ページの端を折ったりしていたのだが、ふと気がついた。携帯で写真を撮ってしまえばいいんだと。撮った画像は自動的にパソコンに読み込まれるので、忘れない。ページ数も記録されるし、そのまま画像を読むこともできる。新聞の記事は気になると携帯で写してしまうのだが、それと同じ。『閉経記』ではなんだかたくさん画像を記録しました(笑)。


いささか睡眠不足の日が続く。