現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

ここ数日の数日の新聞記事から


ここ数日の数日の新聞記事から


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日本農業新聞(2/17)
東日本大震災の被災地で、近隣地に農園を設置する仮設住宅が増える中、農地を借りたいという希望者が相次いでいる。震災の被災地の多くが農山漁村で、避難者の多くが農業に携わっていたことから、居場所や生きがい、交流の場にもつながっている。農地が足りずに抽選となるケースもあり、「避難が長引き、仮設暮らしがしんどい。農業がしたい」といった切実な声が上がっている。

 福島県南相馬市の塚合仮設住宅に隣接する「ひまわりの里農園」。同市内の23カ所の仮設住宅の入居者70戸が農業を楽しむ場だ。当初は合計50アール程度だったが、現在は一部が宅地として転用されたため30アール程度が農園として活用されている。
 農園は、2012年3月に特定非営利活動法人NPO法人)が中心になって開設した。個人で農地を借り、営農再開した仮設住宅の農家もいるが、農園なら、高齢者らが気楽に参加できる。予想を上回る100人の応募が殺到したため、30人には貸すことができなかった。それでも、より多くの人が農作業ができるように1人当たりの面積は、わずか2畳分程度だ。

 かつては米2ヘクタールの他、野菜を栽培していた同市の井島芳高さん(71)は、東京電力福 島第1原子力発電所事故のために 避難を余儀なくされ、農園に応募した一人。「ずっと土に触れて生きてきた。窮屈な仮設住宅はとにかくやることがなく、退屈。隣近所も知らない人ばかり。野菜を作れば友達もできて、会話の場にもなる」と考えたからだ。

 入居者の多くは家族がばらばらになり、元の住宅とは比べ物にならない広さでの避難暮らしを強いられている。それだけに、農園ができて「畑にいると気がまぎれて元気になった」「やりがいができた」など好評だ。

 政府の除染計画が大幅に遅れる中、同農園に通う被災者の誰もが「将来地元に帰れるのか」という不安を抱えている。農園の世話人をする井島さんは「避難者は集落の大きな家に住んでいた人ばかり。元と同じように暮らすことは無理だが、長引く仮設住宅で不安を感じている中で、農園は野菜を作って食べる以上の効果がある。だが、圧倒的に農地が足りずに、抽選に漏れた人の気持ちを思うとつらい」と感じる。

 内閣府によると、12月1日時点でプレハブなどの仮設住宅に10万355人が入居し、ストレスの多い生活を送っている。災害公営住宅の建設計画が遅れ、「いつになったら仮設から出られるのか」といった不安に包まれる中、農園を求める声は各地で上がる。

 宮城県石巻市仮設住宅の農園運営や野菜の販売をする西村洋子さん(46)は「庭先で野菜作りをしてきた人には農業は生活の一部だった。仮設暮らしで農業と切り離されてしまうと、外に出るチャンスもなくなる。農園を設置するなど、仮設住宅の住み心地が良くなるような仕組みを考えていくことが重要だ」と考える。

 現状では、地主との交渉や農機具のあっせんなど、仮設住宅に農園を開設する多くが個人や市民団体などに頼っている。東北福祉大学の金義信特任准教授は「被災地共通の問題として、長引く仮設暮らしで、うつ病孤独死が深刻化している。農園があることによって福祉対策や健康づくり、交流の活発化など多くの効果が見込める」と指摘している。

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うちも庭先にも畑があり、父と母があれやこれやを植えて管理していてくれている。無農薬栽培、有機栽培というだけが取り柄ではあります。肥料の加減もありますし、雑草や虫の問題もあって、スーパーに並んでいる野菜の姿にはとてもかなわないのですが、安心して食べられる事は間違いないですし、もちろんおいしいです(笑)。
うちの周りの家も、農家でなくても、ちょっとした面積を畑にしてそれぞれに楽しんでおられます。たくさん採れたら配ったり、配られたりして。ネギや白菜や大根やそういう基本的なものの他に、スイカやイチゴ、トウモロコシなど、子どもや孫が好きなものを育てたり。

記事のタイトルは『仮設暮らしに農の喜びを』となっています。もちろん震災の被害にあわれて仮設住宅で暮らしておられる方にも農の喜びを感じていただいて、早く落ち着いた暮らしに戻っていただきたいのだが、それだけでなくいろんな人に農の喜びを感じていただきたい。仮設に暮らしておられる方が、土いじりをしたい、と思われる気持ちはごくごく自然な欲求であり、農が人の暮らしとともにあることのなによりの証左であるのと思います。





TPPの日米実務者協議が東京で始まっているのだが、「甘利明TPP担当相は同日の閣議後会見で、関税区分の細目(タリフライン)で586ある農産物の「重要5品目」について、「一つ残らず微動だにしないということでは交渉にならない」と述べ、米側の出方次第で譲歩する考えを表明した。」日本農業新聞(2/19)
ま、農業新聞では他にも「国会決議、選挙公約違反の恐れ」だと書き、「官邸に抗議の叫び 市民200人」(2/19)という記事も書いているのだが・・・。
日本人がみんなオリンピックの応援に夢中になっている間に、こういうことをこっそりやってしまうんだなぁ。だいたいもともとTPPの交渉内容そのものが秘密になってるし。


また日本農業新聞2月17日のコラム記事

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TPPは今週から来週にかけ大詰めの交渉を迎える。思えば、昨年3月の安倍首相の交渉参加表明が始まりだった。自民党の政権奪還に一役買ったその前年暮れの選挙ポスターを思い出す。〈ウソつかない。TPP断固反対。ブレない。〉▼今国会で、そのポスターをめぐる応酬があった。首相は、選挙戦で党の公約は述べたが「TPP断固反対と言ったことは一度もない」と強弁した。公約を子細に読めば、確かに無条件反対の文字はない▼釈然としないのは農家である。だから交渉参加表明後に「民主党に期待して裏切られ、自民党に期待してだまされた」という声が吹き出した。今も多くの農家、消費者は、胸に落ちないものを抱え、最終局面を見守っているだろう▼きょうが60回目の忌日となる坂口安吾に、農民の心性や農村文化を批判した辛辣(しんらつ)な随筆がある。農村で「だまされた」が多用されるのは、自分で責任を負わず受け身だからで、責任回避の弁明であると手厳しい(『地方文化の確立について』)▼安吾は、だまされたなどという惨めな言葉を永遠に用済みにするため、好き嫌いをはっきり表現し、自分の責任で取捨選択しろ、と諭した。TPPは国民一人一人に将来の選択を迫る。国家の堕落を泉下の安吾ならなんと評する。
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坂口安吾が死んでもう60年になるのか、というのもちょっとびっくりなのだが、「農村で「だまされた」が多用されるのは、自分で責任を負わず受け身だからで、責任回避の弁明である」なんて、その通りだな。さすがは坂口安吾。いちいち書くことがかっこいい。『地方文化の確立について』という文章はでもまだ読んだことがないけれど、いかにも安吾が書きそうなフレーズです。
しかし、今のような一票の格差の話が進めば、東京一極集中で地方の人口がどんどん減っている状況、農業人口の激減の状況では、地方の声、農業者の声は政治に生かされにくくなってきていると思います。
一票の格差は人口を基準にされているけれど、国土(面積)基準にしてみたらどうか。日本の国、日本の国土の保全ということを考えると、人口密度の少ないところは、一人でたくさんの国土を守っていることになるので大変である。そうすると北海道からはたくさんの議員さんが出てくることになる。東北も大きな県が多いからたくさんの議員さんにでてもらう。東京や大阪は面積が小さいので、少ししか議員はいらない。
それからさらに人口を基準といっても、未成年には現在、選挙権はない。これがおかしいではないか。とにかく生まれたら選挙権を与える。でも赤ん坊や小学生は世の中のことがわからないとおっしゃるでしょうが、それなら18歳でも20歳でもいいが、それまではその親がその選挙権を行使する。子どもが二人いたら、その分の二票は親が代わりに投票できるようにすれば、子育て世代の一番経済的には大変な時期の世代の声が政治に反映されやすいのではないか。そうすれば少子化問題も解決できるかもしれないし、投票率も上がるに違いないのだ。
うーむ。だいぶ酔っ払いの世迷言になりつつあるか。
いまさら「だまされた」などとは言いたくないが、〈ウソつかない。TPP断固反対。ブレない。〉などという今の政権与党のポスターを思い出すときの虚しさはどうしようもないじゃないか。


TPPのことも世の中がどうでもいいと思っているのなら、どうしようもないのだが、これはもう格差社会に拍車をかけて、どんどん広がるに違いないと考えるので、僕は嫌なのです。




本当はもっとためておいた記事はあるのですが、この辺で終わりにします。
でも最後に一つだけ。中日新聞の読者投稿の2/17の記事。




83歳、川上さん!ご意見ありがとうございます。大いに賛成です。ただお掃除ロボットを改造しても除草ロボットはできないと思います。でも私には今、ちょっとしたアイデアがあります。自走式除草ロボットなんです(笑)。まだ頭の中にあるだけなのですが。「日本の農業が生き残るために必要なのは、農家の熱意と各省庁、民間の知恵と技術の結集」その通りです。ただ民間の知恵には経済最優先の知恵だったりもするので、農(農業)と暮らしとが渾然一体となっていたりもする地方農村のありようを壊して食い物にされてしまいそうで(笑)、気になったりするのですが、「だまされまい」と疑り深くなっているのでしょう(笑)。


娘たちと奥さんからなのかな?バレンタインデーにテーブルの上に置いてあったブランデー入りのチョコを舐めてみる。