現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

『農で輝く!奇跡の農園 ホームレスや引きこもりが人生をとりもどす』


 午前中は雨が降ったり止んだり。事務仕事をすこし。
 午後はちょっと用事で外出したけれど、事務仕事。
 夜、会議。


 小島希世子『農で輝く!奇跡の農園 ホームレスや引きこもりが人生をとりもどす』(河出書房新社)を読む。この本は2014年に出た『ホームレス農園』の増補改訂版です。このテの本はあまり手に取らないのですが、増補改訂版が出るのはとても珍しいことなので読んでみることにしました。はい。読んでみて良かったです。面白かったし、ためにもなりました。農林水産省は今「農福連携」というのを進めていいます。農福というのは「農業」と「福祉」ということです。その「農福連携」の事例としても紹介されているそうです。もともとは障害者等が農業分野で活躍することを通じ、自信や生きがいを持って社会参画を実現していく取組ということらしいですが、障害者だけではなくて高齢者、生活困窮者にも幅を広げていこうとされていく取組ですね。同時に農家の高齢化による後継者・働き手不足の問題を解消できると期待されているということらしいです。うーむ。
 でもこの本の中には「農」のよさがたくさん書いてありました。おおきく6点あがっていました。
   ・自分で野菜を作って食べられる。
   ・自然に癒される。
   ・一生続けられる仕事や趣味になる。
   ・食べた人に喜ばれる。
   ・身体を使って健康になる。
   ・農業にはまだまだ大きな可能性が広がっている。農業はとても自由度の高い産業であり、自分の力で働き方や経営のやり方を切り拓いていけるので、「意欲」の高い若者に向いている。
 うーむ。ま、それはそうだけど・・・。
 以下の四つは引きこもりの人は農業と相性がいい、という話の中で上げられていたこと。
   ・農業は一人コツコツやる仕事なので人間関係で傷つくリスクが少ない。
   ・一般企業のようなノルマもない。(ただし農作物の売り上げは自己責任になるが・・・。)
   ・多少の失敗をしても農作物は自分の力で育ってくれる。
   ・自分の仕事の成果が「実り」という目に見える形で確認できるため、達成感を得やすい。
よくわかるなぁ、と思わず笑ってしまった。特に三つ目。
 しかし、小島さん、若いのにスゴイなぁ。


 農業のほんとうの面白さは、なにかと自由ということかな。もちろん制約はあります。その土地土地の気候、風土、土の性質や水利などなど。これは人間にはどうしようもないのでそれに従うしかありません。あと栽培品種によって作業適期があるので、それにも縛られます。
 でもあとは小さくて貧弱ながらも自分の頭で考えて、そこへ勇気と度胸でタネを播く面白さは確かにありますね(笑)。
 今日はDream come trueの新曲「YES AND NO」を聴いたのだが、いきなり “たった一回やらかしたら終わり そんな今を窮屈に生きてる” という歌詞から始まる。どうも世の中は失敗を恐れる気配に満ちているのかもしれませんが、農業は失敗が基本。いや失敗から学ぶのが基本。農業の教科書を読んでも自分の田んぼや畑や気候風土に合わないことがほとんどなんですよね。だから失敗して自分で考えてその失敗から学ぶのがお約束です(笑)。失敗しつつ、頑張りましょう!