現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

発酵鶏糞をまいたり、大豆の草刈りをしたり、有機農業について考えた


15日(水)
いい天気。
来年度、菜の花を緑肥にする田んぼに、発酵鶏糞をまく。
コンポキャスタで、180kg/10aほど。
ちょっとまだ台風の雨で、田んぼに水が残っているところもあったので、そこは水が流れ落ちるようにして、鶏糞をまくのはちょっと待ってみる。
そのあと農事組合からのお知らせを配布。


中日新聞に載っている「学童作品紙上展」の子どもたちの作品がすばらしい。でも相変わらず、小林先生のコメントもまたすばらしい。


16日(木)
今日もいい天気。
今日は大豆の圃場の草刈り。畦畔や溝に生えた草など。やれやれ。


27年度の予定生産調整面積、つまり転作の面積の通知がきたのだが、どんどん面積が増えてきています。日本人の人口も減り、御飯を食べなくなってきているんだから、もうそんなに米を作るな、ということですな。いやはや。


中日新聞に載っていた記事。

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『資本主義に対抗しうる有機農業』 松原隆一郎
夏期休暇を利用して、イタリアに旅行した。目的は有機農業の広がりについての調査。ボローニャ近郊で有機農産物の国際見本市があり、その見学とともに卸業者に聞き取りを行った。見本市にはイタリア国内からのバイヤーも多数来ており、日本人にも幾度となくすれ違った。
イタリアは「スローフード」運動誕生の地である。この運動は「ファストフード」に対抗するものであり、ファストフードがグローバルに均質な食品を浸透させるのに危機感を持ち、それによって根絶やしにされかねない地域の伝統的な食文化や食材の価値を見直そうと唱えている。
有機農業は、「慣行農法」が化学肥料や農薬などの化学物質で自然の生態系に負荷をかけるとして、その利用出来る限り避けることを目指している。慣行農法が化学肥料や農薬などの化学物質に依存するのは、そのほうが短期的には、面積あたり、時間当たりの収穫を増やすことができるからで、それに抵抗する有機農業は、全く同じではないものの、スローフード運動と親しくなる。
資本主義経済は利益の拡大を目指すものであるから、より狭い土地でより速く収穫を得て利潤をあげようとする。それ故ファストな食糧生産体制がよしとされる。けれども土壌が化学肥料や農薬で疲弊し、回復に時間がかかるなら、農業を持続可能にするには収量が少なくとも農薬を用いなかったり、手間暇をかける必要がでてくる。それが地域の伝統的な食文化や食材を見直す契機となる。
四半期で利益の評価されるといった資本主義経済のリズムと、自然が疲弊してから回復するまでの生態系のリズムは異なっている。漁業にしても、天然のシラスウナギを発生量が持続しないほど多く捕まえて販売すれば、短期的には利益上がっても、ウナギは絶滅してしまう。利益のリズムとウナギの生態のリズムが異なるからだ。同様に、人が他人とつながり喜びを感じ、孫子を産み育てるという社会のリズムも、経済のそれとは異なる。
慣行農法は経済のリズムに食材生産のリズムを同調させようとするもので、スローフード運動は逆に自然の生態系のリズムや社会生活のリズムを正規尊重し、それに合わせて経済を営もうとする試みだといえる。
私が今回イタリアで見学した卸業者のうち大手の「ナトゥラ・シー」は、この「リズムの相違」についての考え方がことのほか興味深かった。同社は急速に買収後進めており、いくつかのブランドを有していて、ゆくゆくは統合したいという。収益の成長率も高く、「将来的には農産物売上額の10パーセントが有機農業であるドイツに追いつきたい」との説明を受けた。
しかし有機農業のリズムは資本主義の利潤獲得リズムには合わない。農家を急かせば有機農業ではなくなる。ではどうしているかと言うと、生産ではなく配送や流通の過程を能う限り合理化・効率化し、それによって収益を伸ばしているという。不利な部門を買収するのもそうだし、倉庫からの商品の出し入れを完全にIT化し、販売店から注文を受けるとどんな組み合わせでも、翌日の午前中には出荷している。会社は美しくシンプルで、倉庫は日本のコンビニエンスストアの集配システムに酷似していた。
ここでは、自然のリズムと資本主義のリズムの齟齬をITが埋めている。さらに合理化するために人員削減に踏み切る可能性はあるのか、という私の問いには、「倉庫からの出し入れはロボット化しません。リストラはしたくないので」との答えだった。日本では農業の効率化というと野菜工場水耕栽培が注目されているが、資本主義の戦線で対抗しうる代替農業を見た気がした。
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ま、資本主義に対抗したいと思っているわけではないが、・・・。