現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

田植えの日々


4日 みどりの日
犬の散歩の時はまだ降っていなかったのだが、さて、今日はどうしようか、と思っていたらしょぼしょぼと降り出して、ま、それからは一日、降ったりやんだり。やんでいる間が多かったかな。

午前中はお米の発送など。
午後はトラクタに乗って「こなし」。トラクタに乗っているとき、猛烈に眠気に襲われて、10分ほど、田んぼの中でトラクタを止めて、キャビンの中で、伸びをしてみたり、目をつぶって仮眠しようとしたりしてみたけれども、眠い割には、さすがに代かき最中の田んぼの真ん中のトラクタの中では、寝られず、でも、背中を伸ばして、ぐったりしているポーズを10分していたら、なんとなく楽になって、作業再開した。
背中を伸ばす、背筋を伸ばす、背中の筋肉をほぐす。って大事なことだな、と実感。うちのレノン号の様子を観ていてもわかるけど、腕力や脚力っていうけど、それより背中の筋肉の役割って大事でしょうな。
中学生の時、体力測定で初めて背筋力を測ったら、クラスの中で背筋力がすごく大きかったのが自慢だったけど、あのころは背筋力より垂直ジャンプの高さの方が派手でカッコよかったのが、無念でした。背筋力とか握力だとか、そういうのって地味だけど、基本だからね。
ラクタに乗っているとき、ラジオで加齢等による体力の衰えについての話が出てきたのだけど、人間は自然界のヒエラルキーで頂点にいるからあまりみんな気にしてないけど、体力が落ちてくると、また注意力が散漫だと、自然界では、天敵に捕まえられて食われてしまうんですよね。なんて話していた。
なるほどねぇ、トラクタに乗っていると、すぐそばでサギがたくさんやってきて、カエルを見つけてはいとも簡単についばんで食べているのを見ますからね。
小さくてか弱い赤ん坊や子ども、それから体力が落ちてきた中高年が、プテラノドンにくわえられてしまう様子を想像してしまったりする。ティラノサウルスに追いかけられたら、小太りの中高年じゃ、逃げられないな。ま、恐竜と人類は生きていた時代がずいぶん違いますが。いや、オオカミやトラやライオンやゾウでもクマでもオオワシでもいいんですけどね。古代の生活ならそういう動物との接点も多かったはず。
うーむ。知恵と勇気で、穏やかに暮らしたいものですな。


昨日田植えを手伝ってくれた長男は帽子をかぶらずにいたのものだから、なんだか日焼けで顔がヒリヒリする、と言って、奥さんにアロエの汁を塗ってもらったりしていた。ま、僕の腕もヒリヒリしているんだから、ま、紫外線おそるべし。


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というメールがAppleから届く。 iTunes Match の連絡だが、iCloudへの保存が、やっと今までかかったのか・・・。



5日 こどもの日
終日、田植え。


6日 振替休日
立夏である。
終日、田植え。


中日新聞5月5日こどもの日 社説

教えて、ミツバチさん こどもの日に考える
 はじめまして、ミツバチです。そんなにせっせと何を集めて回っているのと、しばしば聞かれます。そうですねえ、スプーン一杯の未来でしょうか。

 犬山市栗栖は愛知県の北の端、目の前を木曽川が流れています。対岸は岐阜県です。

 水際までうっそうと迫った竹林。“やっち”はそこを、子どもたちの秘密基地にしたいと思っています。

 “みつばちやっち”こと、船橋康貴(やすき)さん(55)はこの春、竹林の手前の原っぱに、ミツバチの巣箱を四個置きました。「くりす夢学校みつばち元気教室」の開校です。

 船橋さんは四年前まで、名古屋市内の環境コンサルタント会社の社長を務め、企業の省エネ指導や環境教育に飛び回る毎日だった。

 ところが、温暖化は進むは、原発は破裂するは、地球環境はちっとも良くなりません。

 「精いっぱい工夫した。でも知識をいくら伝えても、結局何も変えられない」

 船橋さんは、悩んで会社を辞めた。そして、知人に連れられ、たまたま見学しに行った養蜂の世界に魅せられた。

 船橋さんが志すのは教育ならぬ「はち育」です。みつばち元気教室の生徒は小学生とお母さん。ミツバチは教材ではなく先生です。

 巣箱の中には、最も多いときには二万匹のミツバチが、ひしめき合って暮らしています。一個の家族というより、社会、いいえ世界といってもいいでしょう。

ミツバチが景色をつくる

 働き蜂の寿命はわずか一カ月。その間、一日に約三千の花から花へと飛び回り、蜜と花粉を集めます。蜜は働き蜂の、花粉は幼虫の食べ物です。

 女王蜂は三、四年も長生きし、春には一日約二千個の卵を産んで命を未来につなぎます。

 ミツバチは決して自然をむさぼらない。一匹の働き蜂が生涯に集める蜜は、小さなティースプーンに一杯です。

 ちゃんとお礼もしています。

 雄しべから雌しべへと花粉を運んで受粉させ、植物たちの命もつないでいます。

 巣箱の中では争わず、譲り合い、支え合う姿も見られます。

 ミツバチが、巣箱の周りの小さな世界の調和を保ち、環境、つまり未来をつくっているのです。

 「ミツバチ・地球・カレーライス」。この夢学校の校訓です。

 教室では、まず巣箱に耳を当て、羽音に耳を澄まします。そして観察ケースのミツバチに目を凝らします。その声に耳を傾け、対話を試みます。

 そして最後に、天然のハチミツをたっぷりかけたカレーライスを親子で作って、いただきます。

 具材のニンジンもジャガイモも、いわばミツバチが結んだ命。おいしいね。このおいしさを、いつまでも大切にしたいよね。持続可能でありたいね−。

 命と命のつながりの味。舌の味蕾(みらい)で感じた未来のことを、子どもたちは忘れません。

 「知識をたくさん詰め込むよりも、感じたことを伝える人になってほしい」

 みつばちやっちの願いです。

 カレーの味ともう一つ、ミツバチってすごいと思うことがある。

 働き蜂はその短い一生の中で“世代”によって役割を分けています。若い子たちは家の中の仕事をします。巣の掃除、花粉や蜜の貯蔵と管理、子育て、つまり幼虫の世話…。

 蜜の採取など外回りは主に、熟年たちの仕事です。そして外敵に襲われた時、真っ先に立ち向かうのも老蜂です。

 さてさて人間界とは正反対か。

 たとえば国を守るということは、そこにある命を守り、未来へつなぐこと。未来を守るということです。子どもたちこそ未来です。

 だとすれば、その子どもたちをやがて戦場へ送り出すことになるような、危険な仕組みを今なぜつくるのか。仕組みをつくった人たちが戦うことはありません。

むさぼらず、争わず

 時計の針に心刻まれ、目先の利益に目がくらみ、為替と株価に踊らされ、資源を浪費し、煙や汚水で世界を汚しているうちに、人は未来を見失い、夢見る力を擦り減らしつつあるのでしょうか。

 調和のとれたミツバチの社会を飽かず眺めていると、そんな気がしてなりません。

 今晩、大好きなカレーライスをしみじみ味わうべきは、子どもではなく大人ではないのだろうか。

大きな新聞社の社説にしては、まとまりにかけるような気がしますが(笑)、毎年、うちの菜の花には盛大にミツバチがやってきて、ブンブン羽音を鳴らしています。今年は菜の花の時期に天気が悪かったからか、もう一つでしたが。
今はちょうどレンゲ(げんげ)が次々咲いています。今年は初めてそこそこ花が咲きました(笑)。曇り空の時しか中に入っていないのでもう一つわかりませんが、たぶん、天気さえよくて気温が上がっていれば、ミツバチがブンブンいっていることでしょう。


自然界の様子をじっくり観察することが、知恵と勇気の根本ではないかとつくづく思います。
イネはもちろん、空豆も、鞍掛豆や青豆やネギも、ミツバチもレンゲも菜の花もカエルも、あははは、キリがないけど。
生を見つめると死が見えてくる。死を見つめると生が見えてくる、誰かが、そんなことをおっしゃってましたな。