現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

ぐっと寒くなったことと、「やまとうたは・・・」


27日(金)
何してたんだっけ?(笑)
寒い。エアコンの暖房の試運転をしてみる。


28日(土)
朝、晴れたのだが、伊吹山をはじめ湖北の山々の頂上付近は白くなっていました。
今日は朝から、農事組合の仕事で、データベースソフトをバリバリと動かして(笑)、書類づくり。データベースの構築みたいな仕事は好きなのだが、いちいちデータにあたって、そのデータの修正をしつつ印刷というような仕事は、・・・。うーむ。ま、誰かがしなくてはいけない仕事なので、愚痴など言っている場合ではない。でもなんとか仕上がったが、あとは皆さんの判子をもらわねばならないのだが・・・。


そう言えば、木曜日、次女が、「カナジョって、知ってる?」などと僕に挑戦的なことを言ってくる。
「カナジョ、って古今和歌集の?」
「そう。」
紀貫之の?」
「そう。」
「ふーん。なに?」
「試験でな、暗記せんとあかんの、最初のところ。」
「ふーん、最近の中学の古典の暗唱は、仮名序なんかぁ。あーた、枕草子は?」
「覚えた。春はあけぼの。それから、ゆく川の流れは絶えずして、も覚えた。こんど奥の細道の最初のところも覚えなあかんの。」
「ふーん。月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也、やろ。」
「そう。」
「ほうなんや。しっかりがんばり。今、覚えると、たぶん一生忘れんわ。」
「ほんまにか?」
「うん。ほんまやで。あんたらくらいの年齢の脳の記憶力はすごいもんがあるでな。あとなんや、若いときにおぼておくべきなのは、祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、やな。」
「ほれは、去年、もう覚えた。」
「やっぱりな。」
「でも5行くらい覚えたはずなんやけど、まだ今、覚えてるのはその最初の一行だけかもしれんわ(笑)。」
「あれ?一生忘れんはずなんやけどな。」


などと、いささか自慢げにしゃべっていたのだが、・・・。でもたしかにこの歳になると、学校で教えてもらったことは、ほとんど忘れているやろな。ありありと覚えているのは、ちょっとしたどーでもいいことばかりだったりする。
若いときのことはいつまでも忘れないが、昨日のことはどんどん忘れて思い出せんこともあったりするからな。僕の記憶力ももうほとんどオーバーフロー状態かもしれん。


さて、暗記テストのある古今和歌集仮名序。
やまとうたは、人の心を種として、万の言の葉とぞなれりける 世の中にある人、ことわざ繁きものなれば、心に思ふ事を、見るもの聞くものにつけて、言ひ出せるなり 花に鳴く鶯、水に住む蛙の声を聞けば、生きとし生けるもの、いづれか歌をよまざりける 力をも入れずして天地を動かし、目に見えぬ鬼神をもあはれと思はせ、男女のなかをもやはらげ、猛き武士の心をも慰むるは、歌なり


しかしなんだな、仮名序のことは、もうずっと忘れていたな。「やまとうたは、人の心を種として、・・・」と次女が暗唱しだしたので、そうやった、そうやったとちょっと思い出した。「をとこをむなのなかをもやはらげ、たけきものゝふのこゝろをもなぐさむるはうたなり。」なるほどねぇ。歌ですな。
生きとし生けるもの、肺活量のある人は、短歌を。肺活量のない人は、俳句を。