現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

台風16号とメルヴィル監督『サムライ』と彼岸花

ジャン=ピエール・メルヴィル監督『サ

19日(月) 敬老の日
曇りときどき雨。
午前中は籾擦り。午後も籾擦り。そしてヌカ捨て。


もうすぐ秋分の日で秋のお彼岸だが、今年も彼岸花が咲きだした。写真の彼岸花は二年前にうちの田んぼの畦畔に球根を移植したもの。もっと球根は畔に埋めたつもりなのだが、今年はこのぐらい。時間差でまだ出てくるかもしれないけど。
彼岸花はどうやって自分の勢力範囲を広げていくのかよくわからない、ということが去年だったか一昨年だったか、話題になったような気がするが、これは私が球根を移動させました。去年も思ったのだが、今年もさらにあちこちで彼岸花が目につくような気がする。なんだろう、僕の目が知らないうちに彼岸花を探しているので目につくのか。


20日(火)
台風16号が近づいてきていて、お昼前から雨が強くなる。風はあまりたいしたことはなくてありがたかった。とはいえうちの家の裏の小さな川の水量が普段の3倍から4倍になっていた。
一番強い風が吹いたのは、午後4時頃、自動車のガソリンを入れにスタンドに寄ったときではなかったか。セルフ式のスタンドだが、当然屋根はある。でも壁はない。少々の雨や風なら屋根も大きいので自分でガソリンを入れていても濡れることなどないが、今日は、激しい雨はもちろんだが、突然の突風。一瞬で横殴りの雨になり、ガソリンを入れている僕の左半分が5秒でずぶ濡れになる。我ながら苦笑いするしかない。ま、台風だからしかたないか。


そんなわけで、今日は溜まりに溜まっていた事務仕事を片付けることにする。ところが机の周りの整理と整頓だけで午前中がついやされ、午後はキーボードを叩いたり、ボールペンで日付やら数字を並べて書類をを仕上げて農協へ提出。もちろん締切はずいぶん前に過ぎているのだが、うーむ、担当のNさんには申し訳ない。でも雨が降ったり台風がきたりで田んぼ仕事ができないから、すこしやる気になってきたのだが・・・。


しかしなんだな、こうして机の周りを眺めてみると、午前中のあの整理整頓はなんだったんだ、というくらいにまた散らかりかけている。書類づくりにあれこれ広げたからだ。ああ。


話は変わるが、英語の迷惑メールがここ半月ほど急にたくさん来るようになった。英語は苦手な私だが、ショッピングの案内であることぐらいはわかる。どうも誰かが僕のメールアドレスを海外へ流したらしい。ショッピングの案内であることぐらいはわかるのだが、何を売りつけようとしているのかは、写真がないとよくわからない、というか、そんな英語を読んでいる時間もないのだ。メーラーに迷惑メールの登録をするというか、迷惑メールボックスへ入れるのだが、次々やってくるので切りがない。


夜、ジャン=ピエール・メルヴィル監督『サムライ』(1967年)を観る。フィルムノワールである。いやー!よかった!カッコいい!!メルヴィルの『サムライ』の評判はいろいろ聞いていたのです。といっても十河進の『映画がなければ生きて生けない』の一連の著作でだけれども。ところがずっとDVDが手に入らなかった。で、二ヶ月ほど前にBlu-rayが先に出たんですね。血迷ってしまった私はまずこれに手を出した。今までBlu-rayのディスクなど買ったことも、観たこともなかったのに。だいたいMacではBlu-rayは観られないし。ところがだ。届いたBlu-rayの『サムライ』をうちのプレーヤーに入れてみても、うんともすんとも言わないのだ、どうもディスクを認識していないらしい。不良品だったのかと、ムッとしたが、そうえいば長男のゲーム機でもBlu-rayが再生できるはずだったと、「ちょっとこれ試して」と頼んでみるとすんなり再生できるという。どういうこと?ネットで調べた長男によると、Blu-rayはちょこちょこと細かい規格がたくさんあったり変わったりしていて、古い機器ではディスクを再生できないことがたまにあるらしいとのこと。うむ、うちのレコーダーは確かに古いかもしれない(笑)。たぶんBlu-rayが出た頃に買ったような気がする(なのにまだ一度もBlu-rayを再生したことがなかったなんて!)。しかしなんだな、いくら古いからといっても、Blu-rayの再生を謳うプレーヤーで、最新のディスクを再生できないような規格なら、言っちゃ悪いが、Blu-rayもあまり普及していかないんじゃないか?
で、DVDが出たので、今回、買い直し。やれやれ。


僕はここ10年ほどで急にアラン・ドロンが出ている映画が好きになってきて、いろいろ観たいのだが、レンタルショップにはアラン・ドロンの出演している作品が少なかったんですよね、ここらあたりのレンタル店では。ところが数年前から急に廉価版でたくさん出るようになったのでポツポツと観てきたのだが、この『サムライ』はなかなか出なかったので、観られなかったのでした。
しかし、なんだなぁ。これは傑作だわ。僕が言うまでもないけど(笑)。アラン・ドロンもカッコいいし、音楽もいいし、何より、映画全体の色調がとってもステキ(笑)。冒頭のシーンから引き込まれてしまう。DVDについてきたブックレットの中条省平の文章もとてもいい。
冒頭「サムライの孤独ほど深いものはない。ジャングルに生きるトラ以上にはるかに孤独だ。」というエピグラフがでてきて、「武士道」からという文句が出てきます。新渡戸稲造のあの本に出てくるのかとおもったら、実はメルヴィルが創作した言葉らしいです。だいたいこの『サムライ』の原題も『Le Samouraï』ですからね、サムライなんです。このDVDには野沢那智の吹き替えも入っているのだが、ちょっと観てみた感じではこれも悪くないみたいです。といってもセリフが極端に少ない映画なんですけどね。字幕とずいぶんセリフが違うのがおもしろいですが。


21日(水)
台風は温帯性低気圧に変わって朝には過ぎ去っていた。でも田んぼは水びたし。尻水戸は切ってあるので、どうどうと水が流れ落ちている。稲刈りはまだ無理。
午前中は米の選別など。午後は雨が降らなければ年貢を少し配る予定。あと机周りの整理と整頓など。