現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

除草機「あめんぼ号」のデモと『次の時代を、先に生きる。』


12日(火)
今日はそこそこ陽射しもあったが午後遅くから雲が多くなって、風が強くなってきました。
うちの苗代はプール苗代なんですが、そのプールにして水を溜めるための木枠の板を片付ける。それからすでに活躍しているのだが、これから大活躍してくれる畦畔用の自走式草刈り機の刈り刃を交換する。交換していたら刈り刃を止める台になっているカップのネジ穴が、本当は円なのにずいぶん楕円になってしまっている。やれやれ、これは交換しなくてはいけない。
それからグリスニップルが4ヶ所あったので、グリスを注入する。でもって、目で見えるところの可動部なんかにもちょこちょことグリスアップ。これからは草刈りが本格的にはじまる。頑張ってもらいたいぜ。


上げたてのなすびのどぼ漬けはやはりうまい。



13日(水)
朝から晴れてありがたいが、ちょっと風が強い。
去年の秋に長浜ドームであった農機の展示会の時に、「あめんぼ号」という名前の水田除草機があったので、興味を持ち「来年、もしよければ、一度試しに使わせてよ。」と言うと「いいですよ。」ということだったので、お願いしておいたのでした。それがまあ今日ということになったのでした。驚いたことに「あめんぼ号」をつくっている「美善」という会社は、山形県の会社で、山形からクルマを走らせてやってくるというのです。ちょっと恐縮してしまう。
「あめんぼ号」はエンジン付きの水田除草機で、1輪が回転して自走しますが、乗用ではないので、一緒に田んぼの中を歩かねばなりません。条間をカゴが転がっていって、草を土にねじ込んでいきます。株間もプラスチックの羽根が回転して草を埋めるそうです。
さっそく試用させていただきました。今回は田植えから10日目の田んぼなので株間のプラスチックの羽根はなしで、条間だけの除草に。浅水に管理してきたので、少し土が露出したところは動きにくかったですが、あとは滑らかに動いて、見えはじめてきた草を埋めていってくれました。


6条植えの田植え機で田植えしたのですが、今回は4条用のだったので、少し時間がかかりました。30aほどを90分ほどでしょうか。6条用のデモ機は他のところに行っているようです。6条用なら60分はかからないかもしれません。動かしてみて気になったことをいくつか報告する。
去年試用させてもらった3輪の乗用の除草機は乗用なので楽でよかったが、値段は「あめんぼ号」の5倍ほどする。古い田植え機の後ろに「あめんぼ号」をつけることもできるそうだが、さて。




高坂勝『次の時代を、先に生きる。』(ワニブックス)を読了する。おもしろかったです。高坂勝氏の本は先日『減速して自由に生きる ダウンシフターズ』を読んだけれど、内容はまあほとんど同じだけれど、こちらのほうが、より具体的でわかりやすいような気がする。経済成長をもとめて頑張っても、格差が広がりストレスがたまるばかりで、なかなか幸福感を得にくいのではないか、というのがベースになっている。


夕方、田回りをしながら軽トラのラジオを聴いていたら、成人年齢を二十歳から十八歳に引き下げる改正民法などが十三日、参院本会議で可決、成立した、ということの解説をしていた。いろいろ話があったが、選挙権もついてくることから、18歳までに、なにをどう教えるのか、という教育のことが改めて大きいのではないかなぁ。
そういえば、先日、アーネ・リンドクウィスト/ヤン・ウェステル/川上邦夫訳『あなた自身の社会 スウェーデンの中学教科書』(新評論社)を読んだ。スウェーデンの社会の教科書ですね。日本では「公民」とか「現代社会」にあたるものでしょうか。でももっと具体的だし、身近な生活や暮らしに近いものがあるような気がします。法律的な権利と義務、消費者としての基礎知識、コミューンの行政と住民の役割、社会保障制度とその内容。いじめ、恋愛、セックス、結婚と離婚、暴力と犯罪、アルコールと麻薬、男女間の不平等、社会的な弱者や経済的、社会的に恵まれない家庭の存在などなど。読んでみるとやはり「教科書」っぽい感じはしますが、「個」というものを大事にする姿勢を強く感じます。お互いを認めあい尊重しつつ、自分の頭で考える。なにはともあれ、人生は長いようで短いですから(笑)、自分の翼でまずは飛べ!ということですかね。