現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

残暑の稲刈りでヘロヘロになることと『えろまん』と『万葉秀歌』

 うーむ。稲刈りが続いてヘロヘロになってしまったので、久し振りの更新。暑い!


有機の「コシヒカリ」の稲刈り終了。


↑刈取った籾は軽トラに積んだコンテナで運びます。


有機の「コシヒカリ」の圃場は今年もヒエが多かったので、ヒエのタネが籾殻にも混入しているので、田んぼで燃やして灰にします。


13日(水)
 午前中、籾擦り。午後稲刈り。

14日(木)
 朝、農事組合の打ち合わせ。その後、籾擦り。午後稲刈り。
 暑い!なんだかヘロヘロになる。

15日(金) 老人の日
 朝、籾殻を田んぼに持っていき火をつける。その後籾擦り。午後稲刈り。
 暑い!なんだかヘロヘロになる。

16日(土)
 朝、籾殻を田んぼに持っていき、またその上に大量に出たヒエのタネをおいて火をつける。その後籾擦り。午後稲刈り。

17日(日)
 午前中、籾擦り。午後稲刈り。


↑住宅地の間の小さな田んぼで稲刈り。

18日(月) 敬老の日
 早起きしてラグビーワールドカップの日本対イングランドをテレビで観る。いいゲームだったけど、なかなかイングランドには勝てない。
 テレビ観戦の後、さて、今日も頑張ろう!と思ったところで、大粒の雨。30分間ほど。やれやれ。午後には稲刈りできるかな?

 大塚ひかり『エロスでよみとく万葉集 えろまん』(新潮社)が届いたので、ぺらぺら見てみる。『万葉集』がちょっとエロいのは高校生の時から知っているけれど(新任の古文の若い先生が授業中にちょっとそんな話をされたので、図書館にいったら『万葉集』の恋の歌ばかりを集めた誰かの解説本があって、現代の時代からすると乱れた男女関係の歌がいくつか載っていたけれど、男子高校生の僕が読んでもまったくエロスらしいエロスを感じなかったのでありました。なんだかちょっと笑えたくらいで(笑)。誰の解説だったんだろう?大学の先生かな?)、なんだかなぁ。エロスって、もっと日常の中でふわりと感じるものですわね。たぶん。いや、知らんけど(笑)。この本の帯に「注:受験生は読まないでください。」と赤い字で小さく書いてあったのが笑えて、自分の経験から受験生が読んでもまったく大丈夫、と断言できるぜ、と思ったのでした。
 本文に中国の漢詩と『万葉集』を比べて、『万葉集』がエロいみたいなことが書いてありましたが、それは詩の形態が違うので、比べにくいですよね。決して中国人が昔から性に関して謹厳実直(?)だったとは思えないし、『金瓶梅』もありますしね。あ、これは明代の小説だから新しいですね。

 ちなみに帯に取り上げられている歌はこんな歌。

 山上憶良が当時仕えていた皇太子主催の七夕の宴で詠んだらしいです。直訳すると「天の川に向かい立ってわたしが恋い慕っていたあなたが来られるようだ。紐を解いて待とう」ということですよね。紐を解いて待つというのは服の紐(下着の紐)ですし、七夕の天の川を向かい合っているんですから牽牛と織姫のことですね。織姫が服の紐を解いて準備万端、いつでもすぐにできるように待ってます、ということなんですね。まあ、一年に一回の逢瀬ですからね。大塚ひかり超訳では「恋しいあの方が来るから、パンツを脱いで待っていよう」となっています。まあね。エロスというよりは宴会を盛り上げる戯れ歌という感じですよね。『貧窮問答歌』や『子を思ふ歌』などわりと社会派風の山上憶良という感じですが、座興にこんな歌も詠んでたんですね。昔、まだカラオケのない頃によく座興に歌われたエッチな替え歌みたいなものでしょうか(笑)。
 僕は高校生の時に『万葉集』は謹厳実直(?)な斎藤茂吉の『万葉秀歌』で最初知ったというか、読んだので、例の「あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る」「紫草のにほへる妹を憎くあらば人妻ゆゑに我恋ひめやも 」という額田王大海人皇子との歌のやり取りも、宴会での座を盛り上げる座興のやり取りだったと知ったのはずいぶん後になってからでした。
 ああ、『万葉秀歌』。まだ本棚のどこかにあるはずなんだけれど・・・。なぜかすぐには見つからない(笑)。長浜の繁華街の本屋さんの棚に見つけたんだと思うんだけど、岩波新書。当時はまだ黄色い表紙でなくて、くすんだ青とも緑とも言えないような色の表紙でした。『万葉秀歌』はその青版のさらに前の赤版でした。考えてみれば戦前の本だったのか?うーむ。高校生で『万葉秀歌』読んでいたなんて、なんて謹厳実直(?)な高校生だったんだ(笑)。