現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

今年の田植えの終了と蜃気楼の噂の海と0次検診を受けたことと『Winny』

 久し振りの更新。
12日(水)
 有機コシヒカリ」の田植え。


13日(木)
 有機コシヒカリ」の田植えが始ったのだが、いきなり湛水直播機械利用組合の研修で富山県黒部市へ。ここで乾田直播をしておられる飯沢地区の農業法人さんにいろいろお話を聞いて勉強させてもらい刺激を受ける。
 やはり百姓としては百姓の話を聴くのがいろいろ楽しい。ま、今年数年ぶりに湛水直播をやってみたけれどうまくいかなくて田植機で植え直したばかりの私としては憮然たる面持ちで研修のバスに乗り込んだのだが、乗り込んだ途端にすでに乗り込んでいる百姓仲間から「ツジイさん、あんた、日焼けで一番黒いな!」と冷やかされる。「はあ、すんまへん。まだ田植えが続いているもんで。」と返事すると「なんや、ほんなことかいな。ほらご苦労さんなことやがな。あはははは。」といきなり笑いをとってしまったぜ。他人事やと思って気楽なオジジ達だぜ。
 帰り道、魚津の「道の駅」ならぬ「魚の駅」の目の前の海は蜃気楼が見えるという名所で、お土産を買って、バスのところまで戻ってみると、僕が一番だったのだが、バスの前に5人ほどのおじいさん達がいて、バスのフロントガラスにある「JA北びわこ湛水直播機械利用組合」という名札を見ておられる。僕がニコニコと笑顔で近づいて「滋賀県からです。」と言うと「遠いところからよういらっしゃった」とおっしゃる。「ちょっと今日は見えんがやけど、ここは蜃気楼が見えんがやちゃ。昨日は見えたがや。」(たぶんこんな感じの富山弁。あまり自信なし。)と小さな写真アルバムを見せてくださる。どうやら観光ボランティアのおじさん達らしい。僕は富山に5年間お世話になって、なじみがあるのだが、富山市より東の滑川や魚津、黒部、入善とか、朝日町とかには、あまり行ったことがなかったので、ちょっと疎いんですね。でも富山弁が懐かしく、また嬉しく、蜃気楼の写真アルバムを見せていただく。ちょうど今が蜃気楼のシーズンなんだそうです。思いのほか蜃気楼がはっきりしているのに驚く。上下が逆転したり、途中が伸びたりする蜃気楼がなぜ見えるのか。科学的な説明をうけるが、紙と鉛筆がないのですぐには理解できなかった。バスの百姓仲間がやってきたので「今、蜃気楼の写真を見せてもらっていたんです。」というと観光ボランティアのおじさんは「写真、見ていかれぇ。」と声をかけておられる。

 長男は最後の田植えに向けて新田地区の「こなし」をしていてくれる。



14日(金)
 終日、有機コシヒカリ」の田植え。暑い。猛暑。

15日(土)
 終日、有機コシヒカリ」の田植え。午後は長男がいないのでワンオペで田植え。久し振りに田植機に乗って植えましたが、長男と遜色なく植えることができました(笑)。最後の半日のone operationなかなか大変で、時間がかかりました。


↑ワンオペの田植えを終わった頃に夕焼けになり、同時に雨も降り、虹も出ました、夕焼けの赤は尋常ならざる赤のような気がしました。

16日(日)
 朝のうち道路愛護活動で草刈り。長男が新田地区の「こなし」と「尻踏み」をしてくれる。

17日(月)
 新田地区の田植え。8枚。
 これで今年の田植えもやっと終了!ありがたく、しみじみ嬉しい。
 夕方から雨。


18日(火)
 午前中は雨。農談会の案内をつくって配ったり。
 午後は長浜市の0次検診に。自営業なので、なかなか個人で健康診断などできないのですが、5年に一度ぐらいで行われている0次検診を利用しています。京都大学と連携して検診のデータが研究に利用されます。そのかわり検診は無料です。たぶん17年ほど前から行われていて、私もたぶん4回目。私の検診データも統計として研究に利用されてきているはずです。個人の名前等は消されたデータとして扱われます。ああ、でも一年に一度ぐらいは検診も受けねばいけないのでしょうけれど。
 長浜病院で行われて予約制ですが、人間ドックの方々とたぶんちょうど重なって、検診会場はそこそこ混んでいました。身長を測ってもらうと「12年前と比べるとちょうど1cm縮んでいますね。」と看護士さんに言われる。なるほど、いよいよ身長も縮み出しましたか。「でも体重は減っていますよ。すごいですね。腹囲も変わっていないです!」「あははは。ちょうど昨日で田植えが終わって、今、疲労困憊なんです。それでですかね。」「ああ、・・・。でもだんだん新陳代謝ができなくなって体重も落ちにくくなるんですけどね。立派ですよ。」と褒めていただく。眼圧、眼底検査、血圧、心電図、動脈硬化検査、尿検査、血液検査などは、また後日に検査結果が送られてくるようです。IN-BODY(体成分分析)というのは、機械の上に裸足で乗ると筋肉量なんかも計れるらしい。最近は電池切れで乗っていないけれど、うちの体重計の体組成分析のできる体重計と同じようなものですね。これはすぐ結果がでます。「あらま、筋肉量が平均以上ですね。年齢と体重からだされる平均値を、上半身、下半身、体幹。どれも上回ってますね。いい数字ですよ。」「そうですか(笑)。肉体仕事ですので(笑)。」「疲労困憊だけのことはありますね(笑)。」と褒めていただく。うん?褒めていただいたんだよね?最後は内科検診。若い女の先生。20代に見えます。すごい量の問診なので、一時間もかけて書いた問診票と今日の検査のわかっている数字の結果をザッと見て、「どこか気になるところはありますか?」とおっしゃる。「腰痛が今でています。それから左手の親指と人さし指の間が数年前からしびれているのですが・・・。」「なるほど。お仕事柄ですかね、整形外科の予約をなさいますか?」「いえいえ、大丈夫です。」「お酒、毎日飲まれているんですか?休肝日はとられていますか?」「はあ、まあ、おおむね毎日です。」「週に二日は休肝日をとってくださいね。」「そうですか。ビールでもダメですか?」「ビールでもダメですよ、アルコールの摂取の問題ですからね。」「でもビールは4%ほどでしょ?ウイスキーなら40%もありますけど。」と申し上げてみると、急に椅子を回してこちらを向いて、「毎日ビールを1L飲まれているんですか?」「決まっていませんが、500mlを二本飲むことが多いです。」「ウイスキーはストレートで毎日1L飲まれませんよね?もし毎日ウイスキーをそのまま1Lづつ飲まれているのでしたら、今日はこのまま検査入院していただくことになりますが・・・。」とキッとした顔でおっしゃる。隣の看護士さんも急にこちらを見て笑顔を見せてくださる。どうも若いお医者さんのご機嫌を損ねたらしい。「いえ、まあ、でも、休肝日は週に二日ですか?前は週に一日の休肝日と・・・。」「ビールがお好きなようですが、お酒と競争して勝った方はあんまりおられないようですよ。飲むなとは言ってませんよ。一週間のうち二日は休肝日。あとの五日はお好きなら飲んでもかまわないです。七日のうち二日我慢できませんか?」とおっしゃって、問診票なのかカルテなのか、赤ペンで何か書き込んで、またくるりと椅子を回して向こうを向いてしまわれました。看護士さんがまたこちらを向いて笑顔を見せてくださいました。
 中高年の男性には若い女性に叱られるのが好きというM体質の方も少なからずあるようですが、ええ、私はそうではなかったはずですが、ちょっとドキドキして「はい。わかりました。」とおもわず返事してしまいました。ま、世の中、病気になってしまうと、シンドイですからね。

19日(水)
 午前中はスライドモアで田んぼの道際を刈り始めましたが、やはり刈り残りがおおい。辛抱して燃料使ってこのざまではもったいないので、スライドモアの刃を交換することに。モアの刃の交換は初めて。数が多いのでけっこう時間がかかる。途中で長男と交代してもらって、大麦あとの圃場を刈ってもらう。僕は有機栽培の「秋の詩」の中耕除草にでる。

20日(木)
 昨日の続きで、早朝から大麦のあとの圃場にスライドモアで草刈りに入る。スライドモアの幅がいささか狭いのでけっこう時間がかかる。
 午前中は概ね僕が、午後は長男が。
 僕は午後、環境こだわり農産物の看板を圃場に立てて回る。
 長男はモアでの草刈り、あと一枚残ってしまったとのこと。

21日(金)
 朝起きたら雨。深夜から降っている模様。10時頃まで降って、その後晴れてくる。
 雨でトラクタが圃場に入って草刈りはできないので、午後から大麦の種の保管と苗箱を洗う作業。
 これまであまり苗箱を洗ったことなかったんですが、今年は洗う機械を買ってしまいましたが、うーむ。1時間に500枚洗えるという機械ですが・・・。これまたなかなか時間がかかります。いやはや。
 日没まで作業して家に帰りかけたら、南東の空低いところにピンク色の満月が。うーむ。ピンクムーン探偵社って、どこかにあるのかな?

 松本優作監督『Winny』(2023)を観る。Peer to Peer(P2P)技術を用いたファイル共有ソフトWinny」をめぐる事件の映画です。事件というか、結局、冤罪ということになりました。ファイル共有ソフトWinny」を利用して違法コピーするものや、コンピュータウイルスに感染してデータが流出したりということが当時よく報道されていましたが、ソフトを開発したプログラマが逮捕されました。映画の中ではナイフを使って殺人事件が起きた時に、ナイフを作った人までも逮捕されてしまったと言うこと、というような説明がありましたが・・・。映画としては、どうかな、もう一つかな。当時の状況がわかっていないと
 ま、「ネット史上最大の事件」とは思いませんが・・・。オンライン決済ができるようになったこととかデジタル通貨(?)?うん?仮想通貨?ビットコインとか、そっちの方を僕としては「ネット史上・・・」云々ではまず思い浮かべてしまいます。要するにインターネットうあデジタルが世間で信用されるようになったということだと思うからです。WinnyというかPeer to Peerの技術もすごく革新的だったのでしょうが、