現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

稲刈りと『アンタッチャブル』とジム・ビーム

7日(土)
 今日も今日とて、午前中は籾擦り。午後は稲刈り。
 今日の圃場は上の田んぼの畔から水が染み出してくるので、まったく田んぼが乾かなかった田んぼで、長男もコンバインの運転に苦労しているようでした。というかそのアシストをしている僕が一番苦労していたのですが。でもなんとか刈取りをして、先日、少し青かったし、土も軟らかかったので、刈らずに残しておいた圃場も、だいぶ乾いてきたし、少し登熟も進んだようたったので入って刈取りする。


 その後、僕は明日の刈取り予定の田んぼを観たり、ヌカ捨てにいっている間に、長男がコンバインの足回りを水洗いしてくれた。ええ、ドロドロになってしまったので。


 ブライアン・デ・パルマ監督『アンタッチャブル』(1987)を観る。人気作品なのでみなさんご存知だとおもいますが、”禁酒法時代のアメリカ・シカゴを舞台に、正義のためにギャングのボスであるアル・カポネを逮捕しようとするアメリカ合衆国財務省捜査官たちのチーム「アンタッチャブル」の戦いの日々を描いた実録映画。”ということですな。初めて観ました。おもしろかったけど、うーむ。エリオット・ネス役のケビン・コスナーよりデ・ニーロやショーン・コネリーの方が演技が自然で迫力がありますな。チャールズ・マーティン・スミスもいい味を出してるけど、若きアンディ・ガルシアもかっこいいです。でもちょっと全体にサラッとしてる感じがしますな。実録映画なのでストーリーがわかっているからだろうか。いや、でもおもしろいシーンはいろいろあったんだけど。
 禁酒法時代の映画を観たからというわけではないが、バーボンウィスキーをロックでなめてみた。


 あ、そうそう、忘れるところだったが、日本農業新聞に連絡されている新聞小説、今は村山由佳の『雪のなまえ』で、挿し絵はオカダミカです、今は、日本農業新聞の記事の中で一番の楽しみになっています(笑)。ベテラン農家の”シゲ爺”の言葉は、まあ、たいてい聞いたことがあるのだが、それでも、やっぱり感心してしまう。
「まったく知らないことは、ネットで検索のしようがない。そうか、人は、自分が何を知らないかを知らないでいるのだ。誰にも教えられずにそのことに気づいたとき、雪乃はちょっとの間、茫然としたのだった。」という今日の最後の一文に、うんうん、と思わずうなづいてしまった。
 それから中日新聞では平野啓一郎の『本心』の連載が昨日から始って、これも楽しみだが、最後まで読めるかちょっと心配。これまで平野啓一郎の小説は何度かあれこれ読みはじめても、睡魔に勝てず、まともに最後まで読みきった小説がないのでありました。うーむ。

稲刈りの日々と蝙蝠と『答えより問いを探して 17歳の特別教室』と満天の星


4日(水)
 午前中は籾擦り。米の出荷をして午後は稲刈り。最後にヌカ(籾殻)すて。


5日(木)
 暑い。
 午前中は籾擦り。米の出荷をして午後は稲刈り。最後にヌカ(籾殻)すて。


6日(金)
 暑い。
 なかなか乾燥があがらないので、午前中は新米の精米をしたり。頼まれていた籾殻をいくつか袋に入れて配ったりする。
お昼前になんとか乾燥があがり、籾擦りをして、50袋になったところで出荷。すぐに稲刈りにでる。
 稲刈りが終わってから、籾擦りの続き。日没のあたりで籾擦りが完了して、ヌカ捨てにでる。帰ってきたら、まだ残照の残る、黄昏時をコウモリが4羽、5羽とうちの家のまわりを飛んでいた。


 高橋源一郎『答えより問いを探して 17歳の特別教室』(講談社)を読む。なるほどなぁ。おもしろかったです。ざっくり一言で要約すると「ま、なんでも自分の頭で考えよう」ということではないかな。
 木村センさんの遺書とかル・グィンの『左ききの卒業式祝辞』とか森巣博『無境界家族』とか、読みたいものを教えてもらいました。


 今、外に出てみたら、月はすでに沈んでいて、満天の星。真上に白鳥座がみえた。なんとなくじっくり見ていると天の川も見えるような気になってきた。
 虫すだく夜であります。

籾擦りと稲刈りと『シン・ゴジラ』


2日(月)
 なかなか米の乾燥があがらないので、農協へいったりしたが、いささか遅れて籾擦りのスタート。その後米の出荷。
 午後、少し遅くなったが稲刈り。


3日(火)
 今日は米の乾燥が思いのほか早く上がり、そうそうに籾擦りをして、米の出荷。お昼から稲刈り開始。となかなか順調に進みました。


 夜、庵野秀明監督『シン・ゴジラ』(2016)をAmazonプライムビデオで観る。いまさらですが、おもしろかったです。楽しめました。脚本が面白いんだと思います。内閣総理大臣を中心とする危機管理というか、大規模災害というのか、とにかく非常事態のときの政府の動きというのが、ホンマカウソかわからないけれど、おもしろかったです。ただ、まあ、役者の演技に迫力が感じられなかったなぁ。いいと思ったのは総理大臣の大杉漣農林水産大臣から内閣総理大臣の臨時代理についた平泉成かなぁ。いや、他にも脇役でシブイ演技をしてそうな役者もいたかもしれないけれど。
ゴジラは形態変化していくのですが、それがどうもよくわからない感じです。脱皮させてほしかったなぁ(笑)。

トタン屋根の雨漏り修理と稲刈りと水中ポンプの修理など

 今日は曇りがちでときどき陽射しも出ました。でもたまにポツポツと雨も何度か降ったりしたんですが。


 自分で立てた車庫のトタン屋根。少し屋根のトタンの重なりが足りなかったのか、先日の台風10号の時に雨が少し漏れてきていた。ふだんはまったく問題がないので、強い風で雨が吹き込んだのだと思うけれど、自分で建てた車庫なのでいささか雨漏りは気になる。それで雨漏り用のアルミテープで補修することにしました。波打つトタンですからなかなかアルミテープはきれいには貼りにくい。うーむ。失敗だったか。でも思いのほかアルミテープは厚みがあり、粘着面も昔使ったことがあるコーキング剤風でしっかりしていて、台風でも雨漏りは止まるような気がしてきました(笑)。


 雨が心配だったけれど、午後は稲刈りをしました。途中、一度、ぱらぱらと降ってきましたが、すぐに止み、なんとか予定通り終了。ありがたい。
 稲刈りは順調に進んだのだが、集塵機の水中ポンプがなぜか動かなくなってしまっている。ゴミが詰まったのかと思って、散水するところを分解してみたが、ゴミは詰まっていない。どうやらモーターの寿命のようで、分解してみたら、最初手でちょっと回してやると回りはじめるのだが、自力では回転しないのだ。やれやれ。それでこの水中ポンプのスクリュウを外し、先日書いたスクリュウがすり減ってしまったポンプのに付け替えてみたら、これがあーた、バッチリ大成功で、気持ちよく水を吸い上げるようになりました。新しい水中ポンプとホースも届いて、川から豪快に水を吸い上げてくれて、これで何もかもうまく動くようになり、乾燥機からでる埃をとってくれるようになりました。


 さてさて、明日の朝には乾燥が仕上がっているかな?


 それにしても稲刈りが天気都合でわりとバタバタしているので、写真を撮っている余裕もあまりありません(笑)。今日は2枚刈ったんだけど、ともに長雨ですこし土が軟らかく慎重に操縦する。ま、なんとか刈ることができました。


 それから昨日の中日新聞の記事だけれど、米原市の「近江はにわ館」で企画展「代々の当主が地域医療を支えた名家 旧常喜医院伝来の名品」が開かれているとのこと。伊藤若冲の掛け軸もあるらしい。若冲の本物の絵は観たことがないので、観にいきたいところだが、うーむ、稲刈りがはじまってしまったしなぁ。雨なら、まあ。


籾擦りの試運転と『疑惑』

 朝のうちは曇り空。昼前から晴れて陽射しが出る。
 午前中は田回りなど。
 午後は籾擦りの試運転。どうも色彩選別機の調子が良くないような気がするが・・・。その後ヌカ捨て。
 夕方から洗濯機の調子がここ半月ほどよくないので、ま、買い替えることにして奥さんと電気屋さんにいく。良さそうなのが買えました。


 野村芳太郎監督『疑惑』(1982)をAmazonプライムビデオで観る。原作は松本清張ですな。おもしろかったです。桃井かおり岩下志麻。二人ともすさまじくも素晴らしい演技です。たぶん張り合ってますな。やるなぁ。まあ実際のところはどうか知らないけれど、個人的にも二人は合わなさそう(笑)。と思わせるぐらいの迫力ある演技でした。
 名作、傑作なのは間違いないとして、1982年といえば、僕が富山にいた頃なのです。映画のロケはほとんど富山だと思うので、あれこれ思い出す景色が映し出されていました。古い富山駅。特急の加越号。富山空港。富山刑務所。富山新港。桜木町の飲み屋街。芝園中学校。富山の散居村。富山の冬景色。それから富山弁。あれこれ懐しくて画面の隅々まで眺めてました。

 そう言えば映画の中で弁護士役の岩下志麻が中学生の被害者の息子と話をする場面。屋敷森を背景にして青田が広がっているのだが、その田んぼの脇に積まれた肥料の袋がけっこうな高さで積まれている。田植えの時期なら側条施肥で田植え機が施肥してくれるけれど、青田の広がる夏の田んぼだからあれは背負い式の動力散布機でまく肥料なんだろうな。僕は今年もたくさん背負ってまいたけれど、夏の暑い時期の仕事だから大汗をかくし大いに疲れるんだなぁ。今ではこのあたりではそういう作業をしておられる農家もほとんどいなくなってきています。肥料の粒に被覆して、一定の温度や時間になれば被覆材が溶けて肥料が効き出すという仕組みの肥料を使っておられます。田植え機で田植えと同時に施肥しておけば、穂肥の時期に自動的に(?)肥料が効き出すということになっています。まあもちろん今年の僕のようにいちいちきちんと幼穂を確認して、肥料散布するのがいいに決まっているのだが、僕も来年ははそうしようかと考え出しました。たぶん米どころ富山の農家も今ではそうしておられると思います。うーむ。
しかし、その点、菜の花緑肥のすき込みだけで田植え後は無施肥の完全無農薬有機栽培はそういうことを何もしなくてもいいのでありがたいです。草取りには入らねばなりません。ま、除草機で入るんだけど。うーむ。

大雨洪水警報と落書き


29日(木)
 終日、曇りときどき雨。
 うーむ。なんだか本を読んだり、落書きしたりしてウダウダすごす。
 ウダウダ過ごしたので、なにをしたか忘れてしまう(笑)。


30日(金)
 今日は午前中に大雨警報が、続いて洪水警報が出る。
 昔、給料取りだった頃、職場の近くの信用金庫に貯金しておいたのがもう20年近くそのままになっていたので、奥さんに解約して近くの信用金庫で定期を作るように言われて、昔の職場近くの信用金庫まで行って解約処理。そこそこの現金を運ぶことになったのだが、こういうときは、先に近所の信用金庫で定期の通帳を作っておけば、解約したお金をその場で定期の通帳に入れればいいので現金を持ち運ぶ必要がないのだ、と窓口のオネエサンに教えてもらう。なるほど。なるほど。ええ、一昨日、『蘇える金狼』を観たばかりなので、現金を運んでいると白バイの警察官姿の松田優作にに止められて襲われるのではないか、という気がして思わずニヤリとしてしまったが、ま、襲われるほどの現金でもない。


 今日は午前中から何度か豪雨の雨雲がやってきたのだが、近所の信用金庫を出るときにも、ものすごい雨が降っていて、駐車場のクルマに乗るまでに濡れてしまう。しかも降りるときも5秒ほどだったが、また濡れてしまう。うちの家の裏の川はギリギリのところまで水かさが増えていて、少し下がった交差点のところでは道路が2cmほど冠水。300メートルほど下がったところでは5cmほども道路が冠水。脇の川からも水路からも水があふれてきている。ま、その後すぐに豪雨は止んだので、20分後には水が引いていましたが。


 そんなこんなでもちろん田んぼ仕事はできず、雨が降るたびに斜めに傾いできている田んぼを見回ったりするばかりなので、家でうだうだ。本を読んだり、落書きをしたり(笑)。


 昨日から「落書きをしたり」が続いているが、いったいなんなんだ?とお思いでしょうが(笑)。完全無農薬有機栽培米がどの圃場も出穂してきたので、ご予約の案内をそろそろしようかな、と考えているところです。HPも少し変えたいので。ええ、いや、ほとんど変わらないと思いますが(笑)。もう少し軽く色も薄く線も少なく描きたいのだが・・・。ま、楽しいことですな(笑)。





 あ、20時に警報は解除されましたな。


 そう言えば、今朝の日本農業新聞のコラム二つ。


 私も、昔から白桃は好きだけれど、最近はとくに好きになってきました(笑)。ま、でも老いについてあれこれ思いをいたすお年頃になってきました(笑)。



 「土と水と種。そこに生命の循環がある。」とあるけれど、この土と水と種の大切さに気づきにくい暮らしをしているのではないかな。原発の事故とその後のことを思えば、土と水と種の大切さはヒリヒリと感じられるはずなんだけれど・・・。

降り続く雨と『シェイプ・オブ・ウォーター』『蘇る金狼』『オーレリアンの庭 今森光彦 四季を楽しむ里山暮らし』

 終日、雨。昨日の午後からずっと降っている。九州北部や中国地方では川の氾濫などの被害も出ているらしい。うーむ。弱りますな。


 仕方がないので、仕事は休みにする。
 午前中にギレルモ・デル・トロ監督『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017)をiTunesで観る。2017年のヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞した映画です。アカデミー賞も作品賞など4部門でとっているそうです。舞台は1962年の冷戦下のアメリカ合衆国で半魚人の出てくる映画です。ちょっとこういういわゆるモンスターの出てくる様な映画は苦手だったんですが、思いのほか楽しめました。なんだかね映像が美しいです。CGも使われているのでしょうけれど、空気感があっていいです。主演の発語障害の清掃員役のサリー・ホーキンスがとてもいいし、さらにここでもまたオクタヴィア・スペンサーがなかなかいい役どころで熱演してます。うーむ、あたしゃ、この人好きだなぁ。この人が出てしゃべり出すと映画に深みが出るような気がします(笑)。このところ『gifted/ギフテッド』も『ドリーム』と洋画を観るたびに出てきてますな。


 観終わって、窓の外をみたらまだ雨がザーザーと降っている。仕方がないので、村川透監督『蘇える金狼』(1979)をAmazonプライムビデオで観る。大藪春彦の原作・松田優作主演です。観るのは何度目かな。かっこいいですな。何度観てもおもしろいけど、角川の宣伝もあって当時は大藪春彦が流行っていたんですな。ええ、僕も大藪さんの小説は角川文庫でいくつか読んだような気がします。でも『野獣死すべし』の伊達邦彦シリーズや『蘇る金狼』『汚れた英雄』なんかがやはり印象に残っていますね。いや大藪さんの小説、たくさんあるんですけどね。もうあとはなにがなんだかこんがらがってしまっています。


 午後は遅い昼食のあとテレビを点けたら『オーレリアンの庭 今森光彦 四季を楽しむ里山暮らし』をやっていて、思わず見入ってしまう。ま、ちょっとかっこよ過ぎるよなぁ、今森光彦さん(笑)。あ、いや、途中で農機センターのK君が色彩選別機の修理にきてくれたりしたので、全部丸まるは観ていないのだが。2017年の12月に放送されたやつの再放送です。今森さんの本はいくつか読んでいて、ま、かっこいいステキな暮らしぶりです(笑)。履いている長靴や手袋、眼鏡、剪定ばさみ、スコップ、脚立、なんか使っている道具なんかもオシャレなんだなぁ。ま、いいけど(笑)。長男がまだ少年になるかどうかという頃に、奥さんが『昆虫記』(福音館書店)を買ってきたんだなぁ。その本の構成や写真にびっくりしてしまって、以来のファンです。

そういえば昨日書き忘れていたんだけど、完全無農薬有機栽培米「秋の詩」が最後に出穂してきました。ありがたいです。写真は26日撮影です。赤とんぼも少し戻ってきたようです。



 ああ、なんにも外出しないで日が暮れていきますな。あ、買い物に出たついでにあちこち田んぼの様子を見て回りました。傾いでいた稲は雨でまた少し稲が傾いてきていました。やれやれ。