現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

何かができるようになったと実感できた時の顔


朝からいい天気。でも風が強い。
朝の犬の散歩、呼べばすぐに走ってくるし、付かず離れずなので、田んぼ道では周りに犬の散歩をする人がいないのを確認してリードからはなしてやるのだが、突然、田んぼの中に向かって走り出したと思ったら、田んぼに降りていたカラスの大群に向かって突進!カラスも慌てていっせいに飛び立ち激しく鳴き叫び、走り回るうちの犬の上を低空で次々飛んで威嚇する。しかしうちのレノン号ももう子犬ではない。生後半年ほどの若犬である。若者である。青年である。好奇心も旺盛。しかも子犬の時から垂直ジャンプには自信を持っている様子。低空飛行で威嚇するカラスに跳び上がる。跳び上がる。面食らったカラスは「てめー、おぼえておきやがれ!」と捨てゼリフを吐くように飛んでいきました。レノン号はキョトンとした顔で空を見上げるばかりなので僕が替わりに「なめんなよ!」とつぶやいてやりました。口笛で呼ぶと走ってきましたが、土のゆるい田んぼを走り回ったからか、後ろ足やらお腹に泥跳ねが飛んでいる。若犬となったレノン号のなかの何かが目覚めて田んぼの中のカラスに向かって走らせたのでしょうね。こういう様子をながめていた僕のなかにふつふつと若きレノン号を愛おしむ感情が湧いてくるのはなになんでしょうね。


まだ逆上がりができないのだとどこかしょぼくれた顔の子供や「2回旋ができるようになった、ハヤブサが跳べるようになったから見て!」と縄跳びをもってくる子供や「逆立ちするで、足、もってな」とか「素振りするで見ててな」と言う子供たちが無性にかわいいのと同じかなぁ。


先日少し書いたけど、宮崎駿のインタビューのなかで宮崎駿がアトリエの隣にある保育園で遊んでいる子供の様子をじっと見てるときがあるんだ、と話すんです。遊んでいる子供が何か出来た時、逆上がりでも砂場のトンネルでもボールのキャッチでも、そのとき、誰かが観ていなくても自分一人でも、子供が実にいい顔をするんだ、と宮崎駿自身がくしゃくしゃの顔して笑うんですよね。


それを見ている人がいようといまいと初めて逆上がりができるようになった子供の顔は何となくぱぁーと頭の中に広がったし、宮崎駿がそういう子供の顔を見て喜んでいる顔も想像できました。
自分が何かを出来るようになったと自分で感じる時のみなぎるような感覚(血が湧く感覚!?)は忘れられないし、忘れていないんだけど、四十も後半になってくると思い出すことが少なくなるからなぁ、ひょいとそういう感覚に包まれると本当にうれしくなってしまうのです。


現在工事中での小学校のグランドが完成して鉄棒が配置されたら、次男に逆上がりの特訓をする予定です。


母が摘んできてくれたフキノトウを食べる。ほろ苦くて美味い。
フキノトウをアテにして夕方からビールにする。
というわけで1日、あれこれ入力忘れを思い出したり入力ミスを暴き出して、通帳の残高と農業収支の計算の残高がぴったり合うように四苦八苦する。