現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

雨の日の釣り師の気分で

なんだか一日、雨。
YouTube開高健の昔放送された番組がアップされているのを見つけて観てしまう。サントリーの特別企画番組『開高健 悠々として急げ』『開高健キャビアキャビアキャビア』両方とも、たぶんこの番組が放送された頃は僕がテレビを持っていなかったりした時代なので、観ていない。
モンゴルにチンギスハーンの墓を探しに行ったり、巨大魚を探しに行ったりしているのは観たことがあるんだけれど。
両方とも楽しめましたが、独特のあの声と話し方。押しが強いというのか、アクが強いというのか。で、ドキュメンタリーなんでそうなんでしょうけれど、魚が釣れたり、何かとのときにカメラかカメラのそばにいるスタッフの方を振り返りなさるというか、顔を向けてお話になる。気になるというわけでもないんですけれど、やはりそれはスタッフ同士の仲間意識なんでしょうね。一ヶ月とか一ヶ月半に及ぶ長旅をともにするわけですからね。
それから昔のサントリーのCMを眺めたり、開高健講演録というようなブログも見つけてしまいました。うーむ、いいのか?いささか変換ミスが気になったりしますが。


開高健の『私の釣魚大全』はもう、あちゃー、としか言いようのないおもしろい本ですけれど、その大元というか、アイザックウォルトンの"The Compleat Angler"(『釣魚大全』)は開高健に教えられて角川選書のやつを30年ほど昔に読みました。はい、これもむちゃくちゃよかったです。釣り師ではなかった20歳の僕ですが感銘したのを覚えています。その『釣魚大全』の最後の一行は“study to be quiet.”小説家はこれを「おだやかになることを学べ。」と訳して、「おだやかになることを学べ。これを肝に銘じよ。」と書いたり言ったりしています。番組の中でも紹介されていました。
それから「危機と遊び。男が一生懸命になれることは二つ。危機と遊びだ。」というのも紹介されていました。「危機の中にも遊びがあり、遊びの中にも危機があるのだけれども。」と続くことが多いのですが。うまいことを言いますよね。男を酔わせる至言です。現在危機にある男を静かに奮い立たせるし、今は平穏な男にも必ず過去を振る返らせる言葉です。


というわけで、終日雨です。雨の日の釣り師になったような気分で雨の日の百姓が書きました。