現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

志ん朝と「言う者は知らず 知る者は言わず」

午後は時雨模様。冷たい雨ですわ。


『抜け雀』と『文七元結』を志ん朝で聴く。いや、私のようなものが言うことでもないですが、うまいねぇ。口の切れがいいからねぇ。宝だねぇ。生で聴きたかったねぇ。
百姓はこの時期、農閑期だから、来年の米作りの計画を立てたり、本を読んだり、映画を観たり、山登りしたり、水彩画を試したり、焼き物を試したり、いささか時間のかかることをしなくてはいけないのだが、・・・。ま、落語も聴くわけです。
志ん朝の『文七元結』だから、悪いはずはないんだが、いやー、この1時間19分、長い落語だけど、いい人間がたくさん出てくるんだなぁ。最初、左官の長兵衛が博打で家庭をむちゃくちゃにしてしまうところから話が始まるのだが、・・・。身投げをしようとする奉公人の文七のお店の名前が鼈甲問屋の「近江屋」なんですよね。ええ。近江商人を持ち出すまでもなく、正直に勤勉に働いて財をなした人の話は、滋賀県にはよくあるんです。
近江商人には「売り手良し、買い手良し、世間良し」という家訓?のようなものがあるようで、近江商人ではない百姓の私でも、何度となく耳にしてきました。
正直者、律義者と近江屋の主人に紹介される文七以上に長兵衛が魅力的。いや、近江屋の律義な主人も魅力的です。なんて、近江の国の人たちは魅力的です(笑)。


別に贅沢をしているつもりはあまりないのですが、今日はお茶を買う。100g。1500円ほど。お茶の値段がピンキリなのはよーく知っているのですが、ゆっくりお茶を入れるのも、ええもんですな。お茶を飲みながらどうぞ。話のマクラだけですが。



時間のある人はこちらもどうぞ。志ん朝は動きませんが、なんともええ話です。

ま、今回は江戸の落語で。


ひょいとウイスキーを舐めながら、ブログやなんや書いていると、心にざわめく言葉がある。


   言う者は知らず 知る者は言わず


いや、その通りだと思い知ること度々なのである。