現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

麦に肥料をやる

12月の麦

明日から天気は荒れるという予報です。
今日はなんとか大丈夫そうだし、先日降った雪も概ねとけたので、今日は麦に肥料をやる。年内施肥というやつです。背負い式の動力散布機でギュンギュンと肥料散布。三十数袋分。
午後からは気温がぐっと下がるのを実感していましたが、2時半頃散布を終えると同時くらいに北から時雨れてきました。ぎりぎり間に合ったという感じです。


森田芳光監督が亡くなったニュースを今朝の新聞で知る。うーむ。『家族ゲーム』のユーモアというか笑いは新鮮でした。「の・ようなもの」が雑誌で絶賛されていて、「のようなもの」なら鴎外じゃないか、と思っていたら、すぐに公開された『家族ゲーム』を土曜日のオールナイトで観たのでした。妙な映画でしたが、おもしろいと思ったのを覚えています。


今朝の日本農業新聞東京大学大学院教授鈴木宣弘氏のコラム「もう“ウソ”は許されない 情報操作の大罪」が載っていた。以下その要約。

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政府による一連の情報操作は深刻である。水素爆発直後に人の命に直結する放射能情報を隠蔽したことは「殺人罪」にも匹敵する。炉心溶融飯舘村の高線量も、外国からはすぐに指摘されていたのに、日本側は二カ月もたってからようやく認め、その間、多くの子どもも被爆した。セシウム汚染牛問題が拡大したが「農家が稲藁の危険性を予見しなかったのが問題だ」と言うのは責任転嫁も甚だしい。さらには「冷温停止」で事故が収束したとはどういうことか。放射能の漏出も止まったわけではないのに、そのことも知らせない。
原発も「大丈夫、大丈夫」と言って取り返しのつかない事故を起こした。なのに「想定外」だったと言って、前と同じ「専門家」がまた今後のプランを作成している。これほど悲惨な事態を招いたことを反省もせずに、この期に及んで自らを正当化しようとしている。
環太平洋経済連携協定(TTP)情報を意図的に隠し続けたことも、国の将来を誤らせかねない大罪である。「大丈夫、大丈夫」と言って、後で大変なことになっても責任を取る気はない。こうした行為に刑事責任を問う仕組みがないと、恐るべきことが簡単に繰り返されてしまう。
大震災によって6月までの参加表明の決断は先送りだが、情報公開も国民的議論もしないまま、11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)ハワイ会合に滑り込ませればよいという声が、震災直後から官邸周辺の主流だった。
農業が問題なのだから農業改革をすればTTPに入れるという議論に矮小化して、他の分野は国民に不安を与えるから情報を出すなという方針で、すでに締結されていてTTPのベースになるP4協定も、米国側が参照してくれと言っている米韓自由貿易協定(FTA)も、米国が医療についてTTPに意見書を出したことも説明しようとしなかった。
APEC後、米国の高官が来日して牛肉、自動車、簡保などに言及したというのも米国の報道で明らかになったが、「従来の二国間の懸案事項にたまたま触れただけでTTPとは関係ない」と日本政府は言う。TTPと関係ないわけがないことは三歳児でもわかるのに、世間なら通用しないうそを平気で言い続けるのが政治・行政というものでは、あまりにも情けない。
米国議会が日本のTTP参加を承認するかどうかの手続きが始まったが、従来からの日米間の山のような懸案事項がTTPに入る前提条件として「念押し」される。そこで頷いてしまえば、交渉参加後に例外を確保したり、途中離脱など考えられない。政府は国民に知らせずに、米国には何でもやると確約して入ってしまいかねない。「日本の医療制度と美しい農村を断固として守り抜く」は、「うそも方便」では済まされない。今度こそ、国民は許すわけにはいかない。
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鈴木宣弘氏の文章は、毎日農業新聞を読んでいないとわかりにくいかもしれないが・・・。昨日のブログでも少し書いたのだが、ネット上に流れてくる福島の原発事故後の放射能汚染の情報とマスメディアの情報とぜんぜん違うんだもん。いや、信憑性とか正確さの問題があるのはわかりますが、そのことだけではないです。ネット上に流れてくる情報も基本的にマスメディアからのものなのですが、記事の取り上げ方はもちろん、海外メディアの注目の仕方とのずれ、ちょっとあんまりではないか、という気がしてなりません。ま、大手のメディアも諸般の事情があるということなのでしょう。TPPもしかり、ということなのかなぁ。