現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

稲刈りとうちのお米をテレビショッピング!?


29日(水)
昨日刈った籾の乾燥が午前中までかかる。午前中はあれこれ作業所周りの仕事と農協への出荷用の紙袋にハンコやシールを貼ったりする。


午後になってもまだ乾燥が上がらない。仕方がないので近くの田んぼの畦畔の草刈りに出る。
やっと乾燥が終わる。もともといささかまだ青い籾で水分量が多いし、乾燥機に入っている量が少ないので、あまり高温で乾燥できないので、ゆっくり低温乾燥ということになって時間がかかってしまった。うーむ。ま、これはこれで悪くないのですが。
で、さっそく籾擦りや選別の試運転というところ。ええ。うまくいきました。籾擦りをして1.85mmの網で選別、色彩選別機で選別、さらに1.9mmの網で選別と、選別を重ねます。なかなかいい感じ。


夕暮れの田んぼに籾殻を撒き、あちこちの田んぼに水を入れる。


夜は寄り合い。


30日(木)
昨夕、水を入れた田んぼの尻水戸を切って、落水する。
午前中から稲刈り。雲がでたり太陽が出たり。蒸し暑いぜ。
午後も稲刈り。15時に稲刈り終了。
その後明日稲刈りする田んぼを見に行ったら、ずいぶん田んぼの土が乾いていてあわてる。


糸井重里氏が高倉健さんのことを「よろこび上手で、よろこばせ上手」だと言っていた。なんというか、うまく言えないけれど、幸せへの最短距離という感じがする。よろこび上手で、よろこばせ上手。


久しぶりに谷崎潤一郎の『陰影礼賛』の朗読を聞く。やっぱり、何度読んでも何度聞いても、名文である。
陰影の秘密。光と影の秘密。清楚な壁。床の間の奥の闇と影。書院の障子の白々としたほの明るさ。明るいけれども少しもまばゆさを感じられない紙の面。なるほどなぁ。不意をつかれたのであるが、エアコンの効いたフローリングの部屋の明るさの中にいて、確かにいささか暗い夏座敷の幽玄を思うのでありました。


夕方、うちのお米をテレビショッピングみたいにテレビを通じて売りたい、という妙なあやしい?電話があった。うちの生産量と向こうの売りたいお米の量が合わなかったので、話はまとまらないのだが、あーた。今、収穫という時になって、そんなこと言われても、農協に出荷契約しているし、無農薬のお米も予約をいただいている分もあるし、個人の生産者に急に準備できるわけがないじゃないですか。そりゃ、田植えする前ならなんとでも考えますが、来年のお米ならなんとでも、という話をしかけたが、あちらは今年のお米を売りたいらしい。
お米は一年に一作だけ。春に田植えした分だけしか秋に収穫はありません。工業製品のようにフル稼働、24時間態勢をしいてでもなんとしても生産してみせる、なんてことはできないのであります。そういうことを電話をかけてきたオネエサンというか、テレビのプロダクションの方々はお判りでありましょうか?いや、わかっているのでしょうな、わかっているけど、電話してくるんですわな。