現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

片岡義男『and I Love Her』


26日(月)
終日、雨。


27日(火)
終日、時雨模様。ああ、冬の天気です。
午後、農事組合の水利部のN君のところへいって、水利部の賦課金の計算をファイルメーカーでやらせているので、手伝いに行く。


しかしなんだな、大新聞、テレビが、もうTPP参加推進一辺倒なのに、いささか驚く。それから衆議院議員選挙を控えて、TPPについて推進と表明していたいくつかの党が、なんとなくあいまいな表現にしてきていることに、あきれる、というか、笑える。脱原発も同じように、はっきりさせていないのが、笑える。というか、議員になると、わしら国民、有権者はよほど阿呆に見えるのだろうと思われる。


夜、蒲団の中で音楽やら落語を聴いていたら、ふいに谷崎潤一郎『陰影礼賛』の朗読がはじまったので聴きいってしまう。うちの家は寺院でも離宮のような立派な建物ではないが、瓦屋根と庇と縁側と座敷と床の間と土壁と庭もある日本建築の家なので、あれやこれや思い当たることもあり、しみじみする。いまさら僕が言うまでもないが、名文中の名文である。


「しゅるしゅると飲めてしまうんよ。ワンカップにしては、ちょっと高いンやけど。」いつだったか百姓仲間の懇親会のとき、そういって教えてもらった酒が『ふなぐち菊水一番しぼり』である。アルミ缶入りのワンカップのお酒。名前の通り生原酒なのだそうだ。
甘い。甘すぎるくらいであるが、「こくのあるうまくち」と書いてある。アルコール度数が19%もあるからだろうか、なんだかとても濃い。でも妙にバランスが採れているような気にさせられる。黄色いワンカップ、コンビニでも売ってるよ、と言われていたのだが、近所のコンビニでは売っておらず、スーパーで並んでいるのを見つけました。うーむ。しかし、こればかりたくさんは飲めそうにないなぁ。



そういえば、25日のスライドショーのGBMライ・クーダーだとご紹介申し上げましたが、間違っておりました。George Kuoの「Waikiki Hula Modley」でした。うーむ、これが不思議なことに、この曲を選んだ記憶がないのであります。ずっとライ・クーダーの曲から選んでいたはずなんですが・・・。だいたいGeorge Kuoなんていうミュージシャンも聴いたことなかったのですが・・・。どういうこと?iPhotoが勝手にこっちの方がいいぜ、と変更してしまったのか。ま、それならそれでいいのだが。

明日、人間ドックなんだが、このオプション検査というのが、たくさんあって、しかもなかなかいい値段で並んでいるのだが、どうしたものか。頭の出来が悪いのはわかっているので、頭部MR検査とかどうだろう、と思ったら予約制で当日の申込はできません、と書いてあるではないか。ま、それならそれでいいのだが。当日申し込み先着2名とかの検査もあるんだなぁ。血液検査の腫瘍マーカー検査は追加しておこうか。うーむ。なんだかなぁ。


僕の本棚の一段に片岡義男の角川文庫がまとまって並んでいる。学生時代に読んでいました。本屋さんで背表紙が赤く白抜きのゴチック体の文字で、大変よく目立っていましたね。文庫をたくさん買って読みはしましたが、再読、三読した本はあまりなかったような気がしていたのですが、一冊だけとても気に入って再読、三読くらいはした本があったのですが、ところが、これが再読、三読したはずなのに、中身は断片的な話で、そういう断片ははっきり覚えているのに、なんというタイトルの本だったか思いだせない、という不思議な状態だったのですが、今日、それが解決した。一冊づつ本棚から手に取って数ページづつ読んでみたからだ(笑)。だいたい当時の僕は本棚のスペースを確保するために文庫本のカバーを外して捨ててしまう、ということをやっていたので、カバーを外した角川文庫の赤っぽいオレンジに赤い文字の角川文庫の表紙の文字が読みみくくて仕方がない。片岡義男の文庫のカバーにはきれいな写真が多かったので、カバーを捨ててしまったのは、もったいないことでしたな。
で、そうやって一冊づつ調べた結果、僕の中の片岡義男の最高傑作は『and I Love Her』でした!!昭和57年1月10日が文庫の初版です。僕のは昭和57年10月30日の八刷のやつ。9ヶ月ほどで八刷までいくんだから、やっぱり人気だったんでしょうね。昭和五十七年。1982年ですな。まさに学生生活を楽しんでいた真っ盛りですわ。
で、『and I Love Her』ですが、あれこれ思いだすことがたくさん。21インチのテレビが出てくるのですが、ちゃんとテレビのところにいってスイッチを入れているんですね。まだリモコンがなかった時代。一人暮らしの女性の様々な断片を集めた小説。
いや、登場している彼女が気に入ってしまったんでしょうね、大学生の頃の私。他人は絶対招き入れないという3DKのマンションなんですが、すくなくとも普通の3DKの5倍はあるという広いスペースに一人で暮らしている20代の女性。同年代の女性の9倍ほどの収入を得ている仕事ぶり(彼女の仕事のことは一切ふれられていないのですが、あとがきに片岡義男がそんなことを書いていました)。50ページほど読み返してみたんですが、久しぶりの片岡義男で、文体が脳になれない。でも80年代の匂いがプンプンとしています。いい感じ。
あ、画像はネットで探した画像です。