現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

人間ドック


28日(水)
今日は人間ドックの日である。昨夜の21時以降は、一切飲み食いはしていない。朝食も抜きだ。朝起きて犬の散歩につきあい、着替えて、必要な書類と本を三冊入れて病院へ行く。百姓になって以来、まともな健康診断を受けたことがほとんどないし、半世紀以上生きてきたことにもなっているので、奥さんが人間ドックを受けてみることを強く勧めてくれたのでありました。ま、百姓に限らず自営業者の一番の資本は健康な心身でありますから、久しぶりにバリウムでも飲んでみるか、と言うことになったのであります。一泊の人間ドック。さらにオプションで消化器系と肺の腫瘍マーカー血液検査やら直腸の触診、心臓の超音波検査、睡眠時の無呼吸症候群スクリーニング検査なんかもつけてもらうことにする。市の補助が出るので、補助の分ぐらいのオプションをつけてもらうことにしました。なんせ久しぶりの検査ですから。母からは「おまんの脳みそは、飲み過ぎかなんかしらんけど、どうもしっかりしてないように思うので、脳の検査を受けなあかん。」と言われていたのですが、脳のMRI検査は予約制になっていることを、前日に知ったので、今回はパス。


病院の健診センターに行ってみると、既にたくさんの人がいてびっくり。朝食抜きだし、みんな早目にくるのだろうな。僕のあとから来た人は一人だけでした。
バリウムは相変わらず飲むのに苦労しましたが、心配のタネのだった、直腸触診も、看護師さんから口を開けて力を抜いて、とアドバイスされていましたが、ほんなもん、力なんか抜けましょかいな。「はうっ!」と思わず声が出てしまう。でも慣れた先生だったからか、1秒ほどのことで済んでしまいました。
午前中は片岡義男の『and I Love Her』を待ち時間にちらちらと読みながらあれこれ受診したのですが、午後は心電図のあとの眼の検査で散瞳の目薬を注してもらったので(しかも目薬の30分後に瞳孔を確認されたら、まだ開き方が充分でないと追加の目薬まで注されたし)、なんだかしばらくずっと眩しい感じで、老眼鏡では本が読めず。
夕食の頃から老眼鏡で活字を追えるようになる。9時からはまた絶食・絶飲(お茶と水なら大丈夫らしい)だし、消灯時間でもあるので、早々に寝ることにする。とはいえ指先と鼻に検査器具をつけての睡眠になるのだが。


しかし、なんだな。お医者さんはともかく、健診センターの看護師さん。それから外来(今回は眼科をまわったのだが)のところの看護師さん、病棟の看護師さん。それぞれ雰囲気はちょっとづつ違いますが、みなさん、笑顔だし、歩き方がちょっと早足という感じで頼もしいです。


29日(木)
夜中2時半に一度目が覚めてからは寝たり醒めたりのうつらうつら状態で、気がつけば6時になっていた(笑)。
6時に看護師さんが検尿を採りに来られたのだが、5分待ってもらって、採尿提出。で、ブドウ糖の美味しいジュースを一本飲んで、これから30分ごとに検尿と採血をする二時間の検査。


10時半から結果が出てきた分(血液検査など)の数値をみて先生から注意点を20分ほども話してもらう。概ね健康な身体だし内蔵の働きも悪くないみたいだけど、体重がすこし多いです。毎日2Lのビールを飲んではいけませんなぁ。休肝日を週に一日、二日とるように。血圧や尿や血液の数値の微妙なところも、おそらくアルコールから来ていると思いますよ。「飲まずにはいられませんか?(笑)」と言っていただく。やれやれ。


「飲まずにいられるか!」という激しい夜もごくたまにある。「ふーっ、えらっ。ちょっと飲まんとやってられんわ。」という夜もある。「ま、今日は一人ででも祝杯をあげんとな!」という嬉しい夜もある。「今日は雨。身体を休める日やし、ちょっとゆっくり飲もか。」という日もある。なんにもなくても「ま、今日一日、無事に仕事が終わったし、飲まな。」という日もたくさんある。
ところが「ま、今日は休肝日にして、我慢しとこか。」というようになる日は、なかなかないですからね。


酒飲みの作家や詩人や歌人の、しかもすばらしい文章や詩歌をちょっと読んできた人間としては、飲まずになんの人生ぞ、と思わぬこともないのですが。少し量を控えなさい、休肝日を作りなさい、とおっしゃっているだけですからね。うーむ。ま、最後は、健康な身体あってこそ、とは、できそこないの頭でもわかるのですが。
以前、NHKの『プロフェッショナル 仕事の流儀』で観た無農薬有機栽培の金子美登氏のように、毎晩350mlを一本というように決めてしまえればいいのでしょうけれど。うーむ。とあれこれ考えると返って体に悪いですな(笑)。って、あんたはそんないっぱしの酒呑みでもあるまいに、と自分で突っ込みたくなるような文章になってしまいました(笑)。


ま、詳しい、ちゃんとした結果はあとから郵送されてくるそうです。ま、医師の先生からは血液と尿だけで、僕のいささかあやうくなりつつある状態がよくわかるということなのでしょうな。


家に帰ってきたら、図書館から返却期限がすぎている本が二冊あります、と葉書が来ていた。忘れていた!慌てて本を探して返却しに行く。いやはや。やっぱり脳のMRIも必要だったか。