現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

冬至と猟師と古本屋

今日の菜の花

21日(金)
終日、大豆の色彩選別機にかける。そのまま農協へ出荷。
落語をずっと聴いていた。
農協の職員さんと話をしていて、振替休日で月曜日も休みであると知らされる。三連休なんだと。いやはや。知りませんでした(笑)。


22日(土) 冬至
なんだか寒い。


冬至ですな。このところ朝の犬の散歩も、6時半過ぎになっている。それよりはやいとまだ暗いのだ。暗いと面白くないんですよね。


千松信也『ぼくは猟師になった』(新潮文庫)読了。
面白かったです。うーむ、なかなかわなにかかったシカやイノシシを鉄パイプでどついて失神させ、ナイフで心臓を突いてとどめを刺すなんてことは出来そうにないのだが、どんどん引き込まれてしまう。うちは百姓なので、米は当然ながら100%自給、野菜は大根、人参、白菜、玉ねぎ、蕪、キャベツ、キュウリ、トマト、スイカ、エンドウ豆、茄子、ゴーヤなどなど、他にもあるかも知れないが、基本的なものは、父と母が畑であれこれ無農薬でつくっていてくれる。あと今年は小豆は作らなかったが、たいてい小豆や大豆も米の転作で栽培したものをもちろん台所でもつかう。イチゴ、ミカン、八朔などもつくっていたりしているのだが、野菜はまあ季節ものであり、一年中採れるわけではなく、量もそれぞれ少量だし、スーパーなどで買ってくるものもたくさんある。うちの家の野菜の自給率はどれくらいなんだろう。野菜はできるだけ自分の家の田んぼや畑で採れたものがなにより安心だし、おいしく食べるわけだが、肉や魚はもうほとんど全部買ってくる。
でも肉や魚もできるだけ、自分で食べるものは自分で調達するというように暮らしたいのであれば、猟師になるしかない。シカやイノシシを捕り、カモやスズメを捕り、魚も川や海で網を投げたり、ヤスで突いたり。狩猟もまた暮らしの一部になる。
運送会社で働きながら、プロの猟師になるのではなく、楽しみとして猟や漁をするというスタンスが、暮らしに彩りを添えるというか、豊かな暮らしということを考えさせられます。
山川草木、鳥獣虫魚。僕も豊かな自然の中で暮らしているわけだから、もっと植物のこと、料理のことを勉強したほうがいいな。


アニメージュ編集部編『あれから4年・・・』(アニメージュ文庫)読了。宮崎駿の『カリオストロの城』の本で、映画が公開されてから4年後に出た本のようなのだが・・・。えーっと何がきっかけでこの本注文したんだったか。ま、いいんだが、後ろについている宮崎駿の対談や文章は良かったです。今となっては、、ま、それだけですな。


『古本の雑誌』(本の雑誌社)概ね読了。楽しめました。しかし、このあたりには古本屋といえば、ブックオフしかないような気がする。ブックオフでは昔マンガを何冊か買ったことがあるんだが。『浮浪雲』とか『夏子の酒』とか。
中学だったか、高校だったか、あのころ古本屋のオヤジになりたいと思っていた一時期があったなぁ。
食べ物で言うと、都会の一流レストランや料亭で出されるものはとてもおいしい。それは高いお金を払って、全国から、世界中からおいしいものを集めてきているからだろうし、腕のいい料理人がいて、器はもちろん、部屋の作りや調度まで気を使ってあるからだが、でも魚でも野菜でもあるいは肉にしても、新鮮さが命、ってものもあるわけで、農家の畑や裏山から採ってきたばかりのもの、漁船から揚がったばかりの近海の魚、清流の川魚等々、地方でないと食べられないものもある。
でも出版というか、本の関係は大きな街でないと、地方にいてはなかなか匂いさえ届いてこない、という感じはありますね。ま、そんなことを感じつつ楽しませてもらいました。
まだ季刊だった頃の『本の雑誌』とか木滑良久が編集長だった頃の『POPEYE』とか、ちょっと読んでみたくなりました。
しかし、“買った本を開くなんて恐ろしくてできない!”なんていうのは、いかにもマニアの言葉ですな。


23日(日) 天皇誕生日
思いのほか、天気がよく。ありがたい。
クズ豆を移動させたりして、作業所の整理など。


年賀状用の俳句をひねろうと思ったけれど、何も思い浮かばず。


若手のハンターを求めているらしい環境省のイメージアップ作戦、というのが笑えるような気がする。若者は千松信也『ぼくは猟師になった』を読むように。この本読んだ方がイメージアップになるんじゃないか?


うちは今、読売新聞の朝刊を購読している。どうも原発のことにしても、TPPのことにしても、僕の思いと違うので、読んでいると腹の立つこともよくあるのだが、まあ、いろいろな考え方や意見もあるということで読んでいます。今朝の読売新聞の編集手帳。(確認しようと思ったら、なんだか今朝の新聞が見当たらない。ならばネットで、とYOMIUEI ONLINEを見たら、編集手帳は有料でござい、ときました。やれやれ。)ちょっと載っていたのは、こんな話。夫婦共働きの家庭で、子どももいるので、何かあると、母親が時間休をとったり、年休をとったりしてきた。その母親が休むと職場の周りのスタッフがこころよく仕事をカバーしてくれて、なんとかうまく仕事は回ってきた。しかし父親は仕事を休まず頑張って、上司の覚えめでたく昇給やら昇進をしている。これってその父親の昇給・昇進を母親だけでなく、母親の職場の回りのスタッフも支えているということにはならないのか、というようなことが載っていた。うーむ。