現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

終日、時雨模様の天気と『ゲームナイト』と『小さい田んぼでイネつくり』



 今日も終日、雨が降ったりやんだり、陽射しが出たり、というこの時期の日本海性気候で、田んぼ仕事(大豆の選別)もできない。


 マーク・ペレス監督『ゲームナイト』(2018)をiTunesで観る。ジェイソン・ベイトマンレイチェル・マクアダムスカイル・チャンドラー、ビリー・マグヌッセンなどが出演しています。コメディ映画だよね(笑)。あんまり笑えなかったけど、たぶん脚本がよかったのかな、引き込まれてあっという間の100分間でした。ま、楽しめたけど、何も残らないけど。でもそういう映画。


 笹村出著『だれでもできる 小さい田んぼでイネつくり』(農文協)読了。自給のための小さい田んぼをだれにでも取り組めるように書いた本です。田んぼを復活させ、維持していくことは、日本の自然環境の豊かさを維持する一助にもなる。これができるのは自給的な小さな田んぼで、できるだけ機械を使わずに、有機栽培に取り組むことが大切だ、という趣旨の本です。五畝(5a。一反10aの半分)の田んぼで一畝あたり一俵(60kg)収穫できれば、家族4人のお米を自給できるとあります。たとえば5aの小さな田んぼだと、大きな機械を使わなくても、手で田植えがも稲刈りもできるし、はざ掛けして乾燥もできる。草取りも頑張れば充分できる。という発想ですね。はい。よくわかりますよ。僕もそんな気がします。
 実際、うちの畑はそれくらいのサイズだと思いますが、トラクタで土を起こすことがたまにありますが、無農薬の有機栽培で畑をやっています。って父と母がやっているんだけど。うちだけでなく昔からの百姓の家では、たいていそんなふうだと思います。
 出荷しない自給的は畑の作物には、農薬や除草剤も使わないし、うちは肥料はほとんど発酵鶏糞や、米の乾燥調整で出るクズや台所から出る生ゴミなんかを発酵させて使っています。面積が小さいので、草は手や鍬で取るし、虫も気がついたら手で取ります。小さなアブラムシもテープで取ったり、木酢液を使ったりしているようです。小さな畑だからそういうこともできるわけですね。ま、それに自分が食べるわけですから、できるだけ農薬も使いたくないと思うのは自然な感情です。今は父と母がやってくれていますけど、僕もそのうち勉強して自家用、自給用の野菜も作ってみたいな。ナスビのドボ漬けにも挑戦したいし。梅干しや梅酒も。リキュール類はたくさん作りたい(笑)。
 この本に書いてあるイネつくり、米づくりは、父や母が若い頃の昭和の30年代、40年代の頃の米作りに近いものがあると思います。ま、現代の専業農家は、この規模では暮らしていけませんから、同じように有機栽培の米づくりを目指しても、また別の知恵や知見が必要ですけれど、基礎基本、でも地域によって土壌や天候も違いますし、米の品種も違いますから、具体的は数字なんかは自分で田んぼに合わせて変えていかないといけませんが、単なるレシピではなくて、なぜそうするのかという考え方も書いてあるので、おもしろく読めました。僕も同じように緑肥を使った無農薬有機栽培に取り組んでいますが、緑肥を土にすき込む時期や、田植え後の水深等については、少し考え方が違いました。でも、それはそれ、まあ、理屈はお互いの中にあるわけです。そうしてこういう刺激を受けることも有機農業をつづけていくのに必要です(笑)。というか、まだまだわからないことがたくさんあるんです(笑)。土とか微生物とか、そういうことは、ほんとにいまだによくわからないし。で近年の異常気象ラッシュで、いよいよよくわからなくなってきている、というのが僕の実感です。って、こんなことを書くとうちのお米を食べてくださっているお客様が逃げちゃうかな?うーむ。