今日は二十四節気の穀雨。それに合わせるかのように昨夜から静かに雨が降っていた。田んぼや畑の種を播いたばかりの作物や苗に潤いを、というところですが。
高校の時の僕の教科書に西脇順三郎の「雨」という詩が載っていた。
雨 西脇順三郎
南風は柔い女神をもたらした。
青銅をぬらした、噴水をぬらした、
ツバメの羽と黄金の毛をぬらした、
潮をぬらし、砂をぬらし、魚をぬらした。
静かに寺院と風呂場と劇場をぬらした、
この静かな柔い女神の行列が
私の舌をぬらした。
「ぬらした」という音の繰り返しが印象的。ヨーロッパの古都に降る雨。
いえ、別にどうと言うことはないのですが、今日は田んぼに水を入れてトラクタで土を泥にする「こなし」という作業をしました。雨の田んぼをトラクタから眺めつつ、代かきしたのです。風もなく静かに柔らかく降る雨なので、いかにも穀雨だなぁ。いろんなものを静かに濡らすなぁ、と思っていたら、西脇順三郎を思い出したのでした。西脇順三郎なんて百姓が口にすべき詩人ではないような気もするが(笑)、ギリシャの神々よ、ゆるしたまへ、極東の国では、今日は穀雨。雨降って、百穀を潤す、という日なのです。一年の豊作と無事を祈って、雨に頭を垂れる日なのです。西脇順三郎先生も、どうぞギリシャの神々にお取りなしください。
あ、そんなわけで、終日、こなし作業。といってもお昼に「収入減少影響緩和交付金」の申請にいく。いかにも生々しくまた誤解を与えかねないネーミングなので農水省はもうすこし考えるように。
夕方、散髪もする。
うちの菜の花が満開だ。輝くような黄色とむっとするような菜の花の匂い。雨なので蜂など虫は飛んでいなかったが、毎年、天気の良い日に菜の花の中に入ると、ハチやアブの羽音がブンブン聞こえるのだ。だいたい入学式あたりで満開になっていたのだが、今年は少し遅れました。例によって写真は撮り忘れ。明日は忘れずに撮ろう。Googleの衛星写真様(?)、滋賀県は今がちょうど撮り頃ですよ!菜の花がとってもきれいですよ!って聞こえないか。
でも緑肥にする菜の花なので、来週には田んぼに鋤き込みます。鋤き込んで一ヶ月後に田植えをしますが、菜の花が分解される時にでる有機酸が雑草を押さえ、また肥料となってイネを育ててくれます。というふうにして辻井農園の完全無農薬有機栽培米は育てられてます、ってお日さまに育ててもらってるんですが。