現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

週末はこなし(代かき)作業


21日(土)
ときどき陽も射したけど、概ね曇り空。


終日、こなし作業。昨日こなした田んぼの畦畔ブロックの畔裏の草をとったりしたので、少し疲れる。スコップや鍬仕事はなんともしんどいですが、ま、除草剤はできるだけまきたくないので、仕方のないところ。


先日のリョービの高圧洗浄機を使って、トラクタやロータリーを洗ってみる。いや、充分な高圧洗浄で泥汚れはよく落ちますね。ありがたいです。これは個人的なコメントですが、水道から高圧洗浄機までのホースが短いな。これはもっと長い奴を準備した方がなにかと楽かも。
でも昨日今日と泥の中で作業をしたトラクタをきれいにして、あちこちにグリスをつけてやった。春のトラクタ作業は始まったばかり。機嫌よく気持ちよく仕事をしてほしいものだ。


夕刻のビールがうまい。
ビールの前に明日作業予定の田んぼに水を入れたのだが、明日はどうも雨の予報ですな。さてさて。


夜、細田守サマーウォーズ』を観る。何度目かはわからない。子どもたちもわりと好きでよく見ている。ozの世界観はともかく、ozの中の映像は好きではない。が、陣内家の中がよく描かれていると思う。


22日(日)
朝から雨。一日雨。しかも強風。
カッパを着て犬の散歩。犬は無防備だが元気なものだ。せっかくカッパを着たので、昨日こなした田んぼを見て回って尻水戸の高さを確認したりしたのだが、浅い水だと水が吹き寄せられていたりするのでありました。
さて、この天気だが、今日はどうしよう。
しかしまあ昨日の夕方田んぼに水を入れてちょうどこなしをするのにちょうどいい感じの水加減なので決行することにする(笑)。せっかく昨日高圧洗浄機で泥を落としてピカピカでグリスアップしたばかりなのに、また田んぼに中に入るのは、心が揉まれるような心持ちだが(笑)、ドドドと田んぼにいれて代かき(こなし)をするのでありました。
僕の天才的な水口の開け具合によって、次々と田んぼの水加減がちょうどよくなっていくので、お昼ご飯を食べる間もなく、トラクタを動かす。
調子よくこなしていたのだが、最後、5aほどの小さい3角形の田んぼが残った。トラクタがもう燃料があんまりない、とさっきから何度か言っているのだが、これくらいの小さな田んぼなら大丈夫だろう、なんとかなるのではないか、と判断してドドドとトラクタを田んぼに入れ、10mほど進み、鋭角のところを曲がったところで、突然(いや、ぜんぜん突然ではないのだが)、トラクタのパワーがなくなり、あれ?と思ったら止まってしまった。燃料切れである。ガス欠である。さすがにうちのトラクタも燃料なしで動いてくれるほどの律義さはない。うーむ。そういえば朝、燃料を入れなかったからなぁ。


雨の中、歩いて家まで帰り軽トラに軽油を20Lほど積んで戻って来て、給油。給油すれば動くかと思えば、トラクタはそうは行かない。セルモーターは回ってもエンジンはかからない。自動車だとすぐ動くのだが、トラクタは一度燃料切れになるとエアを抜いてやらないとエンジンはかからないのだ。しかしこのトラクタで燃料切れは初めて。どうやってエア抜きしたらいいのかわからない。ふふ。こういう時のためにシートの背もたれの裏側に取扱説明書を入れておいたのだった。フムフム。と雨の中、ボンネットを空けてエア抜き。ふふふ。バッチリエンジンがかかりました。いやはや。やれやれ。
そんなこんなで8時間ほど昼食も抜きで強い風と雨の中、頑張りました(笑)。


いつものようにアオサギコサギ、カラス、ムクドリ、ユリカモメ、ツバメ、トビなんかが代かきによってビックリして動き出すカエルやクモなんかを狙ってすぐにやって来る。
サギ類やユリカモメは、スタスタスタと歩いて、狙いすまして、嘴でシュッと一撃でカエルをくわえて、水で洗って呑み込む。ツバメはヒュルリと低空飛行してきて、水の上を走っているクモなんかを飛びながら捕まえていくし、トビは上からバサリと降りてきて、低空飛行して足でカエルを捕まえていく。今日はユリカモメが集団でやって来たので、うちの田んぼのカエルも全滅させられるのではないかという勢いだったが、たぶん、そういうこともないのだろうな。


仕事をしたあとは、すこしビールをいただきたいと思う。昔はツマミとかアテというようなものはぜんぜんいらなくて、ビーやおいしいお酒類があれば、あとはいらなかったのだが、ここ数年はやっぱりなにかちょっとおいしいものもほしくなってきた。最初はコンビニでビールを買うので、いっしょに乾物類が多かったような気がするのだが、もうここ最近は漬物である。ちょっとおいしい漬物があれば、もうそれで充分という感じになってきた。ちょっと前まではナス類にはまっていて、特に小茄子の漬物を集中的に食べていたが、ここ最近は“ひのな”である。日野菜。桜漬ですな。ネットで検索をかけると「近江なる 檜物の里の桜漬け これや小春の しるしなるらむ」という和歌とともに紹介されています。要するに滋賀県発祥の野菜で全国に広まった最も有名な野菜ということです。平和堂じゃなくて、フレンドマートで買ってきた奴を冷蔵庫に入れておいたら、「これ買うてきたん、おまんか?」と母に言われる。
「うん、うまいやん。日野菜。」
「日野菜みたいなもん、昔はよう作ったんやけどな。種さえ播いとけば、誰でも簡単に作れるんやで。じきできるし。」
「ほうなん?」
ネットには“現在では日野菜は真夏を除いて周年栽培することができますが、一般的には夏から冬にかけて栽培します。梅雨明けの頃から10月初め頃まで、何度も種を播きます。播種後40日から50日の間に収穫していきます。何度も種を播くことで収穫時期を長くします。日野菜は、9月末に種を播き、風が冷たくなる11月中旬ぐらいに収穫するものが最も味がよく、色も美しいといわれています。”と紹介されています。なるほど。
今年はちょっと日野菜を作ってもらおうか。いやあ、クセになるというか、やめられないんだなぁ。