現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

積雪と村上龍『55歳からのハローライフ』

4日(金)



の化粧をした山本山や虎御前山、小谷山が朝日で黄金色に輝いて浮きがって見えて、もったいないくらいの景色だったのだが・・・。


そんなこんなで青空だが風がそこそこありますな。


去年は『ミレニアム』にはまって、正月中ずっと読んでいたのだが、今年は、まともな読書はなにもなし。やれやれ。ちょっと、なんだな、生活の習慣というかリズムを変えなくてはいけないな。休肝日や体重の減量のことも含めてね。時間はあるようでないので、ま、無理かもしれませんがリズムは変えなくては。


蕪の漬物がすきなのだが、ええ、蕪を薄くスライスして、なんて言うのか甘酢漬け。柚子の皮なんかちょっと入っていたら最高ですな。ええ、ここでも僕は甘い漬物はちょっと苦手なのですが。


       千枚漬糸ひく雪となりにけり          森澄雄


というのがありましたな。

5日(土) 小寒


朝はものすごく冷え込んで、バリバリ。朝10時頃になっても水道の水が凍っていて出てこない。



新聞を読んでいたら、福島で手抜き除染があったのではないかという記事や岩手や宮城、福島の都内のアンテナショップが、売り上げの落ち込みに見舞われているという記事。それから福島の飯舘村から東京に出てきている農家の娘さんの投稿記事の抜粋。“明日両親が一時、上京します。『新幹線に乗るたび思う。東京に近づくに連れて宅地が多くなってビルが見えてきて、これだけの人がいる中で、避難している数千人、数万人などちっぽけなもので、たかだかそれくらいの人数がなんだと片付けられても仕方がないんだと思う』。前回、上京した際に父が言った言葉です。悔しくてもちっぽけな私には手立てがない。泣くしかない。お父さん、長生きしてね。”


原発事故の話だけではない。自分も含めての話ではあるが、忘れてはならんことはあるし、ふっと思い出して、深く息を吸い、背筋を伸ばして考えたり、行動の基準の一つにしなければならんこともある。などと力んでみたが松の内だからというわけではない。


村上龍『55歳からのハローライフ』(幻冬舎)読了。うーむ。帯にも書いてありましたが、タイトル通り55歳あたりの中高年の「再出発」の物語。流れるテーマが「信頼」というのも悪くない。昔、ざっと読んだ『13歳のハローワーク』と表紙のデザインも似ているので、どうなんだろうと思っていたが、中編の連作小説ということで、読み出したらとまらなくて最後まで読んでしまいました。


村上龍もこういう小説を書くようになったのか、というのが第一の感想。村上龍の小説は『半島を出よ』以来だと思うけれども、こんなにある意味しっとりと普通の人々も書けるんだという驚きもあったりして、とても楽しめました。5編の小説が並んでいるのだが、どれもが面白かったです。みっちりと取材したんだろうな、と思わせられます。でもって50代になったわが身としては、あれこれ思い当たることも多いです。