現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

GW前半のあれこれ


4月26日(金)
ちょっと先日書いたように、プール苗代の様子は伸び具合にムラがあるのだが、おおむね1cmほどに伸びてきたので、プール苗代の有孔ポリを外し、黒のラブシートを外す。で、水を入れる。水を入れると、けっこう伸びてきてそろいだすのです。


午前中にトラクタのロータリーをドライブハローに付け替えて、田んぼ一枚の土曳きをする。
それからは終日こなし作業。


27日(土)
ゴールデンなウィークが今年もはじまったぜ。もちろんそんなことは、このあたりの百姓には通用しないぜ(笑)。
2回目のトンネル苗代の農ポリに穴をあける。
畦畔ブロックの裏の草をとる。これで午前中が終了。


午後は夜の寄り合いのレジュメを作り、トラクタでこなし作業に出る。夕方から田んぼの排水路の透視度検査。その後、慌ててレジュメの続きを作り、夜は寄り合い。


28日(日)
朝からいい天気。『名探偵コナン』を観にいく。楽しめました。(いや、やっぱりゴールデンが通用してるぜ!)コナンの映画はたぶん全部観ている、というか子ども達に付き合って観ているわけだが、前作のサッカー場の作品がたぶんコナン史上最悪の出来だったような気がする(途中居眠りしてしまった!)のだが、今回はいつもの調子で面白かったです。最後はいささか無理があるような気がしましたが、あれくらいは、ま、許せます(笑)。
でコナンを観に行くので、父が荒起しをしてくれている間に、僕は畦畔の草刈り。本当は田植え前に畦畔に除草剤をやるときれいに枯れて田植えも楽なのだが、畦畔にも除草剤を使わないという風に決めたので、草刈りにがんばる。去年もそうだったけどカラスノエンドウが生えてくると畦畔が盛り上がってしまうんだよね。ま、種ができる前の花のうちに刈ってはいるのだが・・・。
除草剤をかけるとこの新緑の季節に畦畔が茶色くなるのが、どうも気になるんです(笑)。
映画を観終えて、すぐに帰ってきて、また畦畔の草刈り。


敦賀の映画館へいったのですが、滋賀から福井の県境あたりの山々の新緑が見事でした。県境は昔の国鉄廃線のトンネルなんですが。新緑も見事ですが、県境辺りは紅葉も見事です。滋賀と福井と岐阜の県境あたりに、その名の通り、というか、三国岳があるんですが、いや、まだ登ったことありません。積雪のある時期でないと登れない薮山らしいです。ええ、それはともかく、この滋賀と福井、滋賀と岐阜、福井と岐阜の県境あたり一体は、三十数年前のデータではツキノワグマの生息密度が一番高かったのを覚えています。当時の「アニマ」という雑誌に載っていました。クマがたくさん生息できる環境だったわけです。現在はどうかわりませんが。
ですから団栗のなるような広葉樹林が多いのでしょうね。新緑も紅葉も見事なはずです。ってあんまり有名にはなって欲しくないですが。
で、うちの田んぼに流れてくる用水は、そういう山々からの水も含まれているんですよね。ありがたいことです。



29日(月)昭和の日
朝、浸種しておいた種籾を催芽機に入れて28度まで水温を上げる。この時期の浸種は気を付けないと、二週間ほどの浸種のうちに芽が出かかってしまったりすることがあるのだが、今年は大丈夫。でも催芽機の温度をいつ落とすかは、気を付けないといけません。


父がこなしに出てくれて、僕は精米をしてから、尻踏み(2回目の仕上げの代かき)に出る。夕方、ほとんど日没まで尻踏み。水の加減で苦労する。


苦労したので、大変疲れて、催芽機の籾の様子を観察するのが辛かったのだが、午後10時の時点で、催芽機を止めました。いつもこの時間になると、夜で暗いのと、疲れと眠気で、判断が鈍ることが多いのですが・・・。人生は決断が大事ですからね。
というわけで、ゴールデンな連休の前半が終わる。


30日(火)
朝から雨。
昨日催芽機に入れた種籾、朝の明るい中で観察してみたが、なかなかいい感じになっている。午前中は播種作業。400枚弱。これで今年の播種作業も終了。


午後は配りものをして、畦畔の草刈りに出る。



5月1日(水)
今日から五月。旧暦では三月二十二日ではある。
朝から気温が低く、風が強い。犬を散歩させながら、苗箱を苗代に出すのをどうしようかと思っていたが、帰ってきたら、父と母が苗箱を軽トラに積んでいた。いやはや。
で、いささか風は強かったが、トンネルの苗代ではないし、今年はラブシート(不織布)を止めるのにハウスパッカーを使うというワザもあるので、プール苗代になんとか苗箱を出す。
途中、苗箱を数を間違えるという失態をて、慌てたが、なんとかお昼前には終えることが出来た。
午後は父がこなしをしてくれて、僕は尻踏み。


2日(木) 八十八夜
夏も近づく八十八夜である。今日も晴れはしたが、気温が低く風も強い。でも終日尻踏み作業。
夕暮れに田回りをして、あちこちの田んぼの水加減をしながら、畦畔の草刈りをする。


一つの見識をもった意見。その人独特の主張や論説。という意味で「 一家言」という言葉がありますね。「教育については一家言をもっている」なんて使います。この読み方ですが、ずっと「いっかごん」だと思っていたのですが、世間では「いっかげん」と読んでいることを初めて知る。というか初めて気がつく。国語辞典でひいても「いっかごん」では出てこないので、あれれ?とおもったら「いっかげん」の項で出ていました。あんたホンマは「いっかげん」やったん?という感じです。『史記』の太史公自序に出てくる古くて伝統ある言葉だそうですが、いやはや。恥多き人生ですわ。


小澤征爾指揮 サイトウ・キネン・オーケストラチャイコフスキー:弦楽セレナード ハ長調 作品48。とってもいい!!とってもいいのは分っていたが、とってもいい。貼付けたYouTubeの動画は 2011年の7月 International Academyの指揮のようだが、これもとてもいい。
春の夕暮れの水の張られた田植えを待つ田んぼを眺めている時、頭の中で鳴らすには申し分ない美しい曲ではある。



と、まあ、一気に一週間分のブログというか、農作業メモを記録しておきます。本当はもっと詳しい農作業メモも書かねばならないのですが、それはまたこのブログのメモを参考にデータベースソフトに記録していくことにします。
しかし、今年の尻踏み作業の教訓。尻踏みの時、水が多い時は、トラクタのスピードをすごくゆっくりにすれば、草や藁も沈んで、均平もわりときれいに仕上がることを再認識する。
それからトラクタで最後のタイヤのあとを消そうとして、ドライブハローを持ち上げぎみにしてぐるっと回るよりも、こつんこつんと、畔までまっすぐ進んでトラクタ作業を終了し、トラクタを田んぼからあげてから馬鍬でチャッチャッと手直しした方が、結局、速かったりする。ということもメモしておこう。