現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

稲刈り終了しました!

うわ、なんだかんだで、またずいぶんブログの更新が出来ませんでしたが、「秋の詩」の収穫も終え、今年の稲刈り、すべて終了いたしました!
なんだか、うれしいし、夏の猛暑やら台風やら倒伏やら、無農薬の田んぼの除草に手を焼いたり、あれこれいろいろありましたが、春に田植えした田んぼから(あ、今年は田植えではなくて直播きの田んぼもありました。)、すべて無事に収穫できて、ほっとしています。
ありがたいことです。



「秋の詩」の収穫も終えたので、昨日今日と、「コシヒカリ」だけでなく「秋の詩」もご注文いただいていたお客様に発送をはじめました。
これからは、稲刈りしながらの発送ではないので、ご注文をいただいてから、あまりお待ちいただくことなく発送できると思います。今年もおいしいお米になりました。じゃんじゃんクリックしてくださいね。お待ちしております。


こうやって、ブログの更新が5日も空くと、書こうと思っていたことをどんどん忘れてしまう。


えーっとですね。滋賀県湖北地方は秋晴れが続いておりまして、今、長浜市の降水量を気象庁のデータを観たら、台風18号以来、半月ほど雨が降っていない。
おかげで「秋の詩」の稲刈りは調子よくすすんだわけだが、これはこれで問題が起きそう。


そんなわけで「秋の詩」の稲刈りは快晴続き、しかもわりとよく乾燥した空気で秋の空が高かったです。
こんなとき、高村光太郎の「秋の祈」の最初のフレーズが、わりと自然と口に出たりする。いや、ホントなんです(笑)。


    高村光太郎  「秋の祈」


    秋は喨喨と空に鳴り
    空は水色、鳥が飛び
    魂いななき
    清浄の水こころに流れ
    こころ眼をあけ
    童子となる

    多端粉雑の過去は眼の前に横はり
    血脈をわれに送る
    秋の日を浴びてわれは静かにありとある此を見る
    地中の営みをみづから祝福し
    わが一生の道程を胸せまつて思ひながめ
    奮然としていのる
    いのる言葉を知らず
    涙いでて
    光にうたれ
    木の葉の散りしくを見
    獣のキキとして奔るを見
    飛ぶ雲と風に吹かれるを庭前の草とを見
    かくの如き因果歴歴の律を見て
    こころは強い恩愛を感じ
    又止みがたい責めを思ひ
    堪へがたく
    よろこびとさびしさとおそろしさとに跪く
    いのる言葉を知らず
    ただわれは空を仰いでいのる
    空は水色
    秋は喨喨と空に鳴る


今読むと、けっこう難しいですね。そうでもないですか?


中学の時の国語の教科書に有名な「道程」という詩が載っていて、


     高村光太郎  「道程」

    僕の前に道はない
    僕の後ろに道は出来る
    ああ、自然よ
    父よ
    僕を一人立ちさせた広大な父よ
    僕から目を離さないで守る事をせよ
    常に父の気魄を僕に充たせよ
    この遠い道程のため
    この遠い道程のため

この詩は、授業の時はよくわからなかった、というか、たぶん先生の説明をよく聴いてなかったということだと思うのですが、有名な詩ということは記憶されたが、読んでもなんとも思わなかったのに、高校生になって文庫で『高村光太郎詩集』で読んでみたら、なんだか、強烈に心打たれるものがあったんですね、自然は父なのか、とか。今となっては、もう曖昧になっていますが。ただ、このとき“僕の前に道はない 僕の後ろに道は出来る”という意味がわかって自分なりに感動したのを覚えています。『智恵子抄』の一連の詩はもちろんですが、(なんといっても「梅酒」を読んだ時の感動?驚き?心のふるえ?は、今でも忘れられないなぁ。)「秋の祈」「冬の詩」「冬が来た」「ぼろぼろな駝鳥」とか。あ、大事なやつを忘れていた「牛」とか。
以前にも書きましたが、高校三年生の受験勉強の時、朝早く起きて勉強しようとしたのですが、日の出の頃には、よく『高村光太郎詩集』を読んでいました。まだ外のが暗い頃には、『萩原朔太郎詩集』と五木寛之の短いエッセイをよく読んでいました。繰り返し、繰り返し。受験勉強の休憩のつもりだったのですが、ま、そんなことをしていたのでは、成績はなかなか上がりませんが(笑)。いや、でも集中力は増したかも。
高村光太郎は智恵子の死後、戦争絡みで、戦意高揚、戦争協力の詩作で叩かれるのだが、それでも高村光太郎の詩は「本物だぜぇぃ」とつぶやいた、あの18歳のしののめの時間は忘れられないのでありました。
なにはともあれ。秋の高い青空を観ると“空は水色 秋は喨喨と空に鳴る”と思わず、口に出てしまうのですから、どうしようもありません。

それはともかく。
しかしなんだな。ブラウザをSafariからGoogleChromeに変えたら、動きが悪くなるトラブルが途端になくなった。うーむ。Safariの何が悪さしていたんだろう。