現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

ストーンズと蕎麦と寄席


しばらく落ち着かず、家を空けることもあったので、更新ができませんでした。
とにかく忘れないうちにメモっておかなくては。

5日(水)
夜、最寄りの駅まで送ってもらって、最終の電車で米原まで出る。23:40発の夜行バスに乗る。東京にいくのだ(笑)!今回、運とご縁が重なって、ローリング・ストーンズの東京ドーム公演を見ることができるようになったのだ。ふふふ。
夜行バスに乗るのは初めての体験。うーむ。カーテンが締め切られて暗い車内なんですな。シートがいささか狭いが、みんなリクライニングにして毛布を足もとにかけて眠りつつ運ばれていく。途中二度SAに止ったりするが、僕はトイレももよおさなかったので、一度も降りることはなかった。

6日(木)
海老名SAで東の空がオレンジになっていた。横浜で何人かが降りて、池袋で僕も降りる。朝の7:00でした。
池袋の駅前のマクドでマフィンを詰め込んで、さて、と考えて、東京スカイツリーへ。平日の8時前の山手線だったので、ぎゅうぎゅうに混むのかと思っていたら、思いのほか普通だった。iPhoneの乗り換え案内を頼りになんとかスカイツリー駅へ。ところが着いてみるとスカイツリーのエレベーターが強風で動いていない。一時間ほど待たされて450mの高さまで。強風ではあるものの快晴の青空。関東平野が一望でした。広いんですなぁ、関東平野。雪をいただいた富士山が輝いておりました。もうあとはなにがなにやらよくわからず。
降りて浅草を一回り。で、お昼前になってきたので、蕎麦屋をさがす。今回の旅行はストーンズのライブがメインだが、せっかく東京にいくので、「そば屋でちょっと飲む」というのと「寄席で落語を聴く」というのもサブテーマにしてあるのだ。


で、並木薮蕎麦へ。ところがなんと木曜日は定休日だと。じぇじぇじぇ。で近くの吾妻橋薮蕎麦へ向かう。着いたらちょうど開店時間の11:30であったが、すでに2組のお客さんがいる。「そば屋でちょっと飲む」というのは、もちろん池波正太郎山口瞳の影響なんだが、地元では車の運転があるので、蕎麦屋はあっても、ちょっと飲むというのができないのだ。だから、まだ昼にもなっていないが、かまぼこ、卵焼、天抜き、あと、おまけで付いてきた味噌で熱燗を二本。うひひひひ。うまい。二本目の注文の時、女将さんが「燗の温度は、一本目50度ぐらいだったのですが、あんな感じでいいですか?」と。で、「あ、同じでお願いします。」と。そうか50℃だったのか。今度、どこかで「ぬる燗ですか、熱燗ですか?」と聞かれたら「50℃でお願いします。」と言って、お店の人に嫌な顔をされてみたい(笑)。てなことを考えながら飲んでいたら、たちまち店は満席になったのだが、隣の席のサラーリーマン五人組に盛り蕎麦が運ばれてきて、一斉にすすりはじめたら、これが蕎麦のいい香りが濃厚にこっちまで漂ってくるんだよなぁ、たまらん。こちらも盛りそばの中を注文する。
蕎麦のすすり方は、こちとら落語で勉強済み。つゆも確かにこのあたりの蕎麦つゆよりはるかに濃い。すーっと数本の蕎麦を箸の先につまんで、1/3ほどだけつゆにつけて、一気につつーつと啜り上げる。くー、うまい。ちょっと酒でほてった体に、冷たい蕎麦がとても気持ちいいぜ。
例のサラリーマン五人組は、五人とも大量に箸につまめるだけ蕎麦をつまんで、蕎麦猪口のなかにどばっといれ、蕎麦つゆで洗濯するようにつゆをつけて豪快にすすり上げている。心の中で無粋だねぇ、と笑っている自分自身を笑いながら、お会計をすませて外に出ると駒形橋。隅田川の上を吹く冷たい強風に肩をすぼめながら、「なんだかいいねぇ」とちょっと江戸っ子風につぶやいてみたりしたくなるのでありました。




そのまま浅草から上野に出て「鈴本演芸場」へ。浅草にも寄席はあるのだが、ビールを飲みつつ楽しめる鈴本にしました。平日だしもっとがらがらかなと思っていましたが、思いのほかお客さんは入っています。でも席はたくさん空いているので、缶ビールを自販機で三本買って、一番前の席へ。すでに2つの出し物は終わっていましたが、残り12の出し物を楽しむ。中入りで、また三本自販機で缶ビールの追加。僕の知っている人は柳家三三三遊亭金馬江戸家猫八、林屋木久扇、柳家小ゑんの五人だけでしたが、出てくる落語、漫才、曲独楽みんなおもしろくて、げらげら笑っていたんです。そうするうちにですね、しょっちゅう演者さんと目が合うんですね。一番前だし、足もとに空の缶ビール並べているし、笑い声は大きくて、しきりによく笑うし。僕が一番に反応よく笑うから、他のお客さんもつられて笑う感じなんですねぇ。猫八さんなんて、下手から出てくるなり、正面に来るまでの間に歩きつつ僕の方を見てる。うれしいような、恥ずかしいような。なんだか鈴本の笑いの空気を僕が作っているんじゃないかと。今日の鈴本を盛り上げているのは俺だぜ、と。でも東京の寄席はむずかしかったりするので、よく笑う客はバカにされたりするらしいからねぇ。「あの野郎、げらげら笑いやがって、無粋な野郎だぜ」と思われていたかもしれませんなぁ。


で、二件目の蕎麦屋。今度は池ノ端薮そば。熱燗二本に、かまぼこ、焼きのり、鴨抜き、盛り二枚、と注文。夕方からの部が始まったばかりでお客さんは少なかったが、おいしくいただく。くーっ!あったまった腹に冷たい蕎麦がきもちいい。


さて、本日のメインイベント、ローリング・ストーンズ東京公演の会場、東京ドームへ。地下鉄「後楽園」の駅で先輩のKさんと待ち合わせ。それともう一人霞ヶ浦NPO法人アサザ基金のMさん。このMさんのおかげでチケットが入手できたというわけです。http://www.asaza.jp/
いやー、ストーンズはすごいわ。もう叫んで踊っての二時間でした。声が嗄れてしまったし。
ミックもキースも、もちろんすごいのだが、今回は、ロニーがなんだか俄然頑張っていましたね。そんな印象です。



ライブのあと、お二人と一緒に食事というか水道橋の居酒屋へ。先輩にごちそうになりました。ありがとうございました。でも、もうお昼からずっと飲んでいるのであまり飲めませんでしたが。ぐだぐだで、一枚も写真が撮れず。無念じゃ。



で、ずいぶん遅くなってしまいましたが、新宿東南口長野屋の前で幼なじみのKくんと待ち合わせして、うちのお客様でもあるゴールデン街の「ダンさん」まで連れていってもらって、日ごろのお礼も述べ(ちゃんと述べたかな?)、Kくんとお店の健さん、べべさんと楽しく飲む。鈴本のことをしゃべったのと、山田風太郎の『人間臨終図巻』と、おでんがおいしかったのは覚えているのだが、・・・。夜は、あっという間に更けていってしまったのでありました。


7日(金)
朝遅く起きたら、激しい頭痛。ふと見るとメールが入ってきていて、夕方までに農協に顔を出さねばならぬ用事ができていた。うーむ。これでは、新宿の末広亭で夕方まで落語を聴いていられないではないか。残念だが、しかたがない。ぎりぎりまで横になっていて、ぱっと飛び起き、東京駅へと思ったが、お茶の水で途中下車して、神保町近辺まで歩き、本屋さんをのぞいたが、探している本もないので、画材屋さんもそこそこあることに気がつき、絵の具やら、紙の手触りやらを触ってみたりする。欲しい絵の具もあったが、ここが我慢のしどころ、と何も買わずに東京駅へ。ビールだけ買って今度は新幹線で帰る。うーむ。新幹線に乗るのも何年ぶりだろう?15年?10年?
米原まで戻ってきて、北陸線の乗り換えに時間があったので、ホームの立ち食いで「きつねうどん」を注文する。関西風のかつおと昆布と煮干し風味のだし。揚げもかまぼこもワカメものっていて、なんだか贅沢感があるじゃないか。駅のホームの立ち食いだけど(笑)。うまくてずずずっーっと全部飲んでしまった。蕎麦もいいけど、うどんもねぇ。いえ、化学調味料満載のダシだったのかもしれませんが(笑)。